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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた


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第40話 ナビとニャウスと

覚悟…戦う覚悟、切る覚悟、相手の誇りを守りつつ奪う覚悟…そして、命を奪う覚悟。


俺は覚悟を決めた。


ゴブリン達が迫る、さっきまで避けるので精一杯だった俺は今更ながらゴブリン達を観察する。


棍棒のゴブリン、短剣を持つゴブリン、弓で距離を取り牽制してくるゴブリン、魔法を使使うゴブリン、回復呪文を唱えるゴブリン。…さながらゴブリン勇者パーティーの様だ。


棍棒のゴブリンが指示を出しながら他のゴブリン達が動く、アイツがリーダーか、ゴブリーダーと呼ぼう。ゴブリーダーは俺の動きに合わせつつ魔法と弓で攻撃する事を指示する、その攻撃を回避すると俺は反撃に出るために前に1歩踏み出した、が、それが間違いだった。


「くそ!マジかっ!」


俺の動きを予測していたのか、短剣を持ったゴブリンが俺の懐に入り横長に短剣をふるう。


ガキンッ


俺は咄嗟に剣で短剣を防ぎバランスを崩した短剣ゴブリンの腹を蹴りあげると剥き出しになったお腹に剣を突き刺す。


ブスッズズズっと嫌な感触と音が俺の前から聞こえる。気持ち悪さで吐きそうになった俺は手で口を塞ぎ胃から逆流する物を押さえ込んだ。


「ぐっギギ…アディガ…ドウ…」


短剣ゴブリンは俺に笑顔でお礼を言った。涙で前が見えない、覚悟を決めた気持ちが揺らぐ。そこから先は無我夢中で戦った、短剣ゴブリンの短剣を手に取り弓ゴブリン目掛けて投げると投げた短剣に続いて走り出す。短剣を避けた弓ゴブリンを斜め上から斜め下に剣で切りつける。次に魔法ゴブリンに向かう。ファイアーボール、アイスランス、ウィンドカッターと魔法を打ってくるが俺はそれ全てを受け歩き続けた。


痛い…


魔法ゴブリンは俺にびっくりしつつも涙を流しながら魔法を打ってくるがそれでも俺は歩くのを辞めない。魔法ゴブリンの前に立ちゴブリンを剣で貫く。慌てふためく回復ゴブリンが魔法ゴブリンを回復させるが、俺は回復ゴブリンの首をはねた…俺に殺されたゴブリンは皆、微笑みお礼を言って消えていく。


「ヤハリオマエニタクシテヨカッタ…オラタチヲコエテオラタチノオモイヲツイデイッテクレ」


「あぁ…お前達の思い俺が持っていく…」


「アリガトウ…オラノナハビフォー、ゴブリンゾクノユウシャダッタモノ!イサジンジョウニショウブ!」


ビフォーと俺は相手の動きをお互いに見つつその場から動かずにいた。つかの間の静寂を水滴の音が切り裂く、とてもとても小さく儚い音が…静かすぎる分その小さな音でさえも大きく聞こえ、二人の動き出す合図にもなった。


「うぉぉぉぉぉぉ!」

「ウォォォォォォ!」


駆け出した俺、ジャンプをして俺に近ずくビフォー、俺は剣を下から上に振り上げる、ビフォーは棍棒を振り下ろし俺の頭を狙う、殺すか殺されるかの本物の死合。激しくぶつかり合う俺とビフォーはどれくらいの時間打ち合っていたのかさえもわからない。


「フフフ、タノシイナァヤサシイセンシヨ。」


「ケンゴだ、ビフォー。」


「ソウカ、ケンゴ。タノシイジカンモモウオワリダナ…」


「あぁ、ありがとうビフォー。お前達のおかげで俺はこの世界で覚悟が出来た。お前達は俺の師匠とも言える存在だ。」


「ウレシイナァ…サァデシヨ、オラヲコエテオラタチニデキナカッタボウケンノツヅキニオラタチノオモイヲツレテイッテクレ。」


「あぁ…あぁ!」


俺は剣を握りしめビフォーに向かい右上から左下に左下から右上に剣をふるう…


ビフォーは受け止める…はずだったが俺の攻撃は受け止められること無くビフォーを切った。


「ビフォー!!」


「トテモイイイチゲキダッタ…アマリニモスバラシスギテミトレテシマッタ…ワザノナヲオシエテクレナイカ」


「ダメだビフォー!そんなことより早く回復を!」


「ケンゴ、コレハウンメイダ、ナクナ」


「そんな簡単に諦めるなよ!何かなにかないのか?!」


俺は涙を流しながらストレージをさぐるが回復系のアイテムがなかなか見つからない。慌ててパニック状態の俺は目の前にあるアイテムすら見過ごすというミスをしながらストレージをさぐる。

さぐる俺の手を小さな手がそっと静止する。


「イインダケンゴ、ソレヨリモサイゴノアノワザノナヲオシエテクレ。」


「…岩流、燕返し。俺の世界に存在したとされる剣士の技だ。」


「ガンリュウツバメガエシ…スバラシイナダ、ソシテコノワザガケンゴヲマモッテクレルコトヲイノル、マタアイタイナケンゴ…」


「会えるさ!絶対に!」


ビフォーの手を握り力強く俺は言いきった。


「ジカンノヨウダ…ジャァマタナ…」


その言葉を残しビフォーの体は土に還り消えていった…


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


俺は叫んだ、地面をたたきつけ、壁を殴りつけ暴れるだけ暴れてドームの真ん中に出来たクレーターに大の字になり仰向けになっていた。

止めどなく出続ける涙は目尻から耳に向かって落ちていく…


どれくらい時間が経っただろう…数時間、もしかしたら数分かもしれない。覚悟を決めたつもりだった、人を切る覚悟も殺す覚悟も…こんなんじゃあいつらに申し訳ない。だけど、今はもう少しだけこうしていたい…


『ご主人様、すみません。』


「…うん」


『私がもっとしっかりしていれば…』


「ナビのせいじゃないさ…いつかはこうゆう日が来るんだ、それが今日で、それがビフォー達だっただけの事さ…」


俺は精一杯の強がりをナビに見せていた。

ダサいな…俺…


『それともう1つ、誰が来たようです…』


「…あぁ」


トコトコと近づいできたそいつは仰向けの俺の顔の前にひょっこりと顔を覗かせた。


「久しぶりだね、ケンゴ。」


「…あぁ」


「なんて顔してるのさ。」


「そんなのはどうでもいいよ、それよりお前に聞きたいことがある。ここを作ったのはお前か?ニャウス。」


目の前に現れたのはニャウスだった。


「正直に言うと、半分正解で半分ハズレかな?」


「はぁ?!なんでそんな回答なんだよ!」


「待ってケンゴ、ちゃんと説明するね。この場所を作ったのは確かにウチなんだけどね、ここはそもそもウチの為のお家みたいなものなんだよ。ダンジョンとかそうゆうのじゃないの。だからなんでこんな風になってるのかウチも分からないわけ。」


「本当だろうな?」


「ケンゴが言いたい事はよくわかるよ。さっきまでの出来事はちゃんと見えてた。…でも戦いが終わるまでここに干渉出来なかったのも事実なんだよ?」


ニャウスが俺の横に来て同じように仰向けになって話を続ける。


「にしても胸糞悪くなるやり方するよね、ここをいじったやつ。あ、そうそう。ケンゴに伝言預かったよ。いつまでもめそめそしてないでさっさと立ち上がれバカ弟子、また会えるのをみんな楽しみにしてる。だって。」


「まさか…そっか…」


「ちなみに彼らの魂はここから切り離して、今はウチの神界のお家にいさせてるから安心してね。ケンゴにとって大切な事を教えてくれた彼らには特別な待遇をしようと思うから。」


「そっか!わかった、ありがとうなニャウス!」


「も〜!それより、この先はウチも行くから。ココをこんなふうにした張本人をとっちめてやるんだから。」


「あぁ!行くぞニャウス!」


俺はストレージから隼を出すと後部座席を座れるようにカウルを外す。外した座席にニャウスが座りレッツゴー!とか言っている。


「あ、そうそうナビちゃん?」


『は、はい!なんでしょうかニャウス様!』


「普通でいいから普通で、ね?」


「そうだぞ、ナビ。こんなちんちくりんにかしこまらなくてもいいんだぞ?」


「ちんちくりんは酷くない?!」


『し、しかしですね。』


「普通にしてくれないなら担当外すよ?(¬¸¬)ボソ」


『も〜にゃーちゃんたらーいつも道理にすればいいんでしょ〜?はーあ、ご主人様にこんなとこ見せたくなかったし。』


「それそれー!いつも通りだねナビちゃん!」


「え?まじ?」


『マジだよー、普段はこんな感じでにゃーちゃんと話してるからねー、実は私も神の1人だったりするのでしたー( *¯ ꒳¯*)エッヘン』


「…へ〜。」


『ご主人様反応薄くない!?』


「だってお前、アカシックレコード覗ける時点で神関係だって事くらい推測できるじゃん。」


『あ〜!あ〜!酷い!そうゆうの思っても言っちゃうけないんだからね!バカご主人様!』


「わかったわかった…えぇー?!ナビさんてそんな方だったんですか?!」


『ふふーん!分かればよろしい!』


「生意気言ってすみませんでした、今後は失礼なことがあったら行けないのであまり呼び出さないようにしますね。」


『え?え?え?なんでそうなるの?!』


「いやいや、恐れ多くてナビ様を気軽に呼んだり、タメ口聞くなんてできませんよ。なぁ?ニャウス?」


「え?あ、うん?」


『なんでなんで?!やだよ!今まで通りでいいから!えばったりしてごめんなさい!』


泣き出したナビをからかいつつ俺はこの洞窟の黒幕のやつにとにかく文句を言ってやろうと奥に奥にと進んでいく。

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