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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた


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第39話 試練

ナビ通りに進む俺は1つの試練に直面していた。


「あの、ナビさん?マジでここいくの?」


『はい、この道?で合っています。』


「まて、この道?ってどうゆう事だ?!崖だろ!崖!飛び越えろって事か?!」


『そうなりますね。』


目の前には幅10m位ありそうな崖が口を開けて、俺を死にいざなっている。

まるで「こっちに来いよぉ~」とでも言うように強風が吹き荒れている。


「アホか!バイクであんなとこ飛び越えれるわけないだろ!」


『はぁ…ご主人様はとんだおバカさんなのですね、ナビ悲しい…。』


「悲しいで済む問題じゃないだろ!こっちは命がけだ!」


『まぁまぁ、いいから言われた通りやってください。』


「いいか?俺がここで死んだらお前もいなくなるんだぞ?」


『はいはい、だいじょーぶでちゅよー、怖くないでちゅよー、ナビさんうそつかないでちゅよー。』


イラッ


「そこまで馬鹿にするならやってやるよ!どうなっても知らないからな!」


『えらいでちゅねー、上手く出来たらいい子いい子してあげまちゅからねー』


俺はナビの支持道理の場所にきて助走区間でスロットルを開ける、スピードがどんどん上がっていき時速190まで達した。


『ご主人様!あそこに向かってください!絶対にスピード落とさないで!』


「わかったよ!」


メットのスクリーン越しに矢印が表示される、3Dで映し出された矢印の場所に向かって猛スピードで走り出す。


「と、飛んでる!嘘!死ぬ死ぬ!」


『大丈夫です、後はこのまま反対側で着地してください。』


「着地?ん?ちゃくちぃぃぃぃぁあぁ!」


数秒間の空中飛行からいきなりの地面、着地の事なんて一切考えていなかった…


『ほら、上手くいったじゃないですか。』


「たまたまだろ!!マジで死ぬかと思ったわ!!」


『生きてるんだからいいじゃないですか、ささ、つぎはあの道を通って中腹まで行きますよ。』


「ったく、とんだナビだな。」


無事?着地した俺はナビの指示に従って道を走っていく、崖ジャンプからだいぶ登った所が中腹になっており、洞窟が口を開けて俺を待っていた。


「あそこに入るのか?」


『ですね、ただですね…』


「なんだよ?また何かあるのか?」


『所々に罠がありそうです。』


「罠かぁ…回避しながら進めるか?」


『出来ますよ。サクッと行っちゃいましょご主人様。』


洞窟内は光が無いためバイクのライト便りになる、ヘッドライトがLEDで本当によかった、めっちゃ明るい。


「なぁ?罠が発動した感じがしないんだが、ナビが罠を発動させない道を選んでくれてるのか?」


『いえ、罠のスイッチは地面には無いですから。横の壁にさえ触らなければ発動しませんよ?』


「…」


それでいいのか?!普通地面にボタンがあって踏んじゃう!とか赤外線みたいなので通り過ぎたら発動!とかそうゆう危ないヤツがあるもんなんじゃ?!


『ここを作った人はアホなんでしょうね((´∀`*))ヶラヶラ』


本当に何を考えて作ったんだか・・・洞窟の中をバイクで進んでいくと少し開けたドーム状の空間に出た。


「ここは・・・」


『ご主人様試練です。』


「え?」


ドーム前方を見ると巨大な岩が数個置いてある。その岩陰から数匹のゴブリンがひょこひょこっと現れた。


『ゴブリン退治みたいですね。』


「マジか…」


ゴブリン達は俺を見つけるなり持っていた棍棒を振り上げてギャッギャッ!と何か話している。

俺はストレージから神剣を取り出すとミアとやった訓練を思い出しながら剣を構える。


ゴブリン達もやる気になったのか一斉に俺に向かって走り出した。バイクは傷つかないようにストレージにしまう、と足の早いゴブリンが俺の前まで迫り来る。


持っていた棍棒を上から下に俺にめがけて力いっぱい振り下ろす、まぁゴブリンの攻撃だしと思いバックステップでかわす。戦える、ミアとの訓練のおかげで戦える!

と思った次の瞬間、俺に当たらなかった棍棒が地面に当たると。


ボゴーン!!


と言う音と共に土煙が上がる。


「な、な、な、な!!?」


煙が薄くなりゴブリンを見ると叩きつけた棍棒が地面にクレーターを作っている。小さいが確かにクレーターだ、直径1mのクレーター。ゴブリンを見るとニヤリと笑いながらギャッギャッと喜んでいる。

あれ?ゴブリンって最弱なモンスターだよね?


『ご主人様、ゴブリンは最弱では無いですよ?知性を持ち、仲間と連携をして攻撃してきます。誰ですか?ゴブリンが最弱とか言ったのは?ある意味人間とほぼほぼ変わらないですよ?体が小さいので攻撃も当たりにくいので対人戦闘より厄介な相手です。』


「ちょ、ナビさんそいゆうのは先に言って!」


『ついでに言うと、ゴブリンにもジョブはありますし、スキルや魔法も使ってきますよ。』


「ほぼほぼ人間じゃん!見た目だけじゃん!」


『そうなりますね、まぁ試練ですしサクッと行きましょサクッと!』


「サクッと行けるかぁぁぁぁ!」


正直、戦うのは何とかなりそうだ。あの攻撃も多分スキルだと思う。ならこちらにもやりようはある、何が問題かと言うと…人間とほぼほぼ変わらないゴブリンを俺は殺せるのか?と言うことだ。


相手の動きを見つつゴブリン達の攻撃を回避しながら剣の腹をゴブリン達に叩きつける。


「ギギー!ギャギャギャ!」


何を言っているか分からないがかなり怒っている。全員が俺を指さしキレている。


『ご主人様、ゴブリン共が怒っていますよ。』


「あぁ、なんで怒ってんだあれ。」


『なんでも戦士にあるまじき侮辱的な行為だ!と言ってますよ?』


「え?どゆこと?」


俺がナビと頭で会話していると一番最初に俺に攻撃してきたゴブリンが1歩前に出てきた。


「オマエセンシバカニシテル、ナンデチャントタタカワナイ」


「しゃべれたんか?!」


「ソンナコトドウデモイイ、ナゼタタカウシナイ。」


「いや、だって…」


「オラタチセンシノホコリモッテル、オマエナイ。」


「いや、おれは戦士じゃないし。」


「ソウカ、ナラオマエオラタチセンシノホコリケガシタ、イノチモラウ、シニタクナケレバタタカエ。」


問答無用と言った感じでゴブリン達は迫り来る、力任せの攻撃の割に連携が取れている。剣で棍棒をいなし、次の攻撃をサイドステップでかわす。何度剣の腹で叩いても向かってくるゴブたち、何故そうまでして戦いたいのか俺には理解できない。


『ご主人様、早く倒して次に向かわないと日が暮れてきますよ。』


「そんなこと言ったって、くっ!」


容赦無いゴブの攻撃をついに俺はいなせなくなってきた。所々かすり傷を作り、赤い血が流れる。


痛い…


「タタカエハヲカエシテコウゲキシロ!」


何故だ!会話で解決出来ないのか?!と言おうとした時だった、コブ達が涙を流しているのが目に入った。


「待て!!なんで泣いているんだ!」


「オラタチニハコウスルシカナイ、オマエニウラミハナイ、スマナイトモオモウ。」


「ならば戦わなくてもいいじゃないか!」


「ソレガデキナイカラコウスルシカナイ…」


ゴブ達の動きが止まる。


「ココハカミノツクリシシレンノヤマ、オラタチハカミニアウタメニシレンヲウケニキタ、ダガトチュウデイノチヲオトシタ…」


「何言ってるんだ?生きているじゃないか!」


「コレハカリソメノイノチ、ナガイアイダタマシイヲココニトラワレテイル、イツカラココニイルノカモワカラナイ、イツマデココニイルノカモワカラナイ…ナンドコロサレレバイイノカワカラナイ…」


「っそんな!!」


「オマエヤサシイ、オラタチコロサナイヨウニタタカウ、デモソレデハダメダ、コノサキサラニカコク。ダカラオラタチカンガエタ、ヤサシイオマエヲシナセタクナイ、ダカラオラタチデレンシュウサセル。ヒトヲモンスターヲコロスレンシュウ。」


「ふざけるな!そんな練習があっていいわけないだろ!人を殺す練習?!お前達はそんな練習の為に存在しているわけじゃない!!馬鹿にするのもいい加減にしろ!」


「ヤッパリオマエヤサシイ、ダカラオラタチオマエニネガウ、オラタチヲカイホウシテクレ…サキニイルノハカミダ、ヒトノカタチヲシタカミダ、タタカウコトシカカンガエテイナイ、タタカウコトデヨロコビヲエルコトシカカンガエテイナイ。イマノオマエデハカミヲコロセナイ…」


「そんな…」


「タノム…オラタチトタタカエ…」


ゴブリン達は涙を流しながら俺に向かって今まで以上の攻撃を仕掛けてくる。スキルや魔法を駆使しながらまるで俺に稽古を付けているかのように…


「くっそ!ニャウス!おい!見てんだろ!ニャウス!」


初めて俺からニャウスを呼ぶ、呼んだからって何をさせるなんて考えていない。ニャウスからの応答はない…だから俺は俺を優しいと言ってくれたもっと優しいゴブリン達に向かい距離をとると剣の刃を返した。


「ソウダ、ソレデイイ、ヤサシイニンゲンノセンシヨ…タタカエ!」


「優しいゴブリン達よ!今までの非礼を詫び俺の覚悟を持って応じる!いざ!勝負!」


俺は初めてモンスターを人を殺す覚悟をして戦いに挑む、その結果がどうなろうと、命をかけて戦うことを決意した。気がつけば俺は涙を流していた、俺は俺でゴブリン達に同情していたのかも知れない…

最後までお読みいただきありがとうございます。

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