第四話 ガレージ
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本日は2話連投いたしますのでよろしくお願いいたします。
小鳥のさえずりが聞こえ、目が覚めた俺は時間を確認する。現代日本と変わらず24時間で臭気も365日だ、こんなうまい話ってあるんだな。そうそう、時間を確認すると朝7時だ、珍しく気持ちよく目が覚めた。転生する前はいつも二時間おきに目が覚めてほとんど寝た気になれなかったからな。っともうすぐ朝食か、顔を洗って下に降りるか。
「ぬぁにぃぃぃぃぃっ!?」
俺は目覚めて一発目に悲鳴を上げた、なんだ?!何が起こったんだ?!
俺の悲鳴を聞いてお店の女の子が駆け付けた。
「どうしました!?何がありました?!大丈夫ですか?!」
「だ、大丈夫です、ベットから落ちそうになりまして、ほんとにすみません。お騒がせしました。」
俺は慌てて、ドア越しに返事をした。店員さんは納得して帰って行ってくれた。
それはいいのだが、・・・俺は鏡を見てびっくりした、この世界に来る前の俺は40歳だった。正真正銘のおっさんだよ、腹も出ていて髭だってもっさりしてたさ、それがどういう事よ!若返ってるよ!大体20前後くらいか?!どうなってるって・・・間違いなくニャウスの仕業だな。どうしよう・・・って言ってももうしょうがないのか・・・ハッ!俺エミリアにこんな若い姿でお嬢さんとかかっこつけていってるじゃん!ヤバい、激恥ずかしい。取り合えず飯を食いに行こう、そう思ってリビングに降りていく。
「大丈夫ですか?ものずごい叫び声でしたけど・・・。」
「あ、あははは、お恥ずかしいです。ちょっとベットから落ちそうになって。」
「おっちょこちょいさんですね。うふふ。ご飯できてますよ、テーブルに座ってください。」
「あ、ありがとうございます。」
テーブルに着くと朝食が運ばれてくる。オーボウの赤ワイン煮込みスープとサラダ、それからコッケイの目玉焼き。オーボウは豚に似ているが頭部に二本の角があり、体格が約1.5倍位あるらしい。実際に俺はオーボウを見たことはないからね。しかし朝から・・・うん、若返ってるしこれくらい食えるさ。
料理を見つめていた俺の前の席に店員さんがおもむろに座った。
「口に合うといいんだけど・・・君、昨日エミリアさんと一緒にいたでしょ?」
「え?あ、見てたんですか?」
あたりを見回すと、俺以外だれも席に座っていない。
「あはは、誰もいないから気にしないで、あまり繁盛してないの。自己紹介してなかったね。わたしはクロネコの宿で働いているミアよろしくおねします。」
「あ、ケンゴです、カジ ケンゴ。よろしくお願いいたしましす。」
「ねぇねぇ、あのバイクっていうやつ?すごいね。」
「そうっすか?ってかメシウマ!こっちのほうが凄いんですけど!」
「よかった、お口にあったようでよかったです!」
俺は口にオーボウのスープを流し込みながらミアさんにいろいろと話を聞いてみた。
「あの、この辺でちょっとした広くて誰でも使えるような場所ないっすかね?」
「え?あるわよ?」
「まじっすか?!それ教えてもらってもいいですか?!」
「えっと、ウチの裏の土地なら使っていいわ。」
「ん?裏の土地?」
「えぇ、馬なんかを留めるためにある土地なんだけどね、ご覧の通りケンゴさんしかお客さんいないし。」
「そうなんですか?」
「えぇ・・・」
ミアさんは少しうつむいて、悲しそうな顔をした。
これは何かあるなぁと思いつつもそこまで踏み込むのはマナー違反の気がして聞くことはしなかった。
ちょっとした沈黙が流れた後、俺はその土地を貸してもらう承諾を得てガレージをストレージから出すことを話した。実際どれぐらいのガレージが入っているのかわからなかったから大きな土地があって少し助かった。
「助かります、少しの間お借りしますね。」
「なにかったらすぐに声かけてくださいね。」
「あ、ご飯ごちそうさまでした。とってもおいしかったです。」
そ言って俺は店の裏に回った、馬を留めるだけといっていたが・・・何この莫大な土地。25メートルプール4ッつ分ぐらいあるぞ?ま、まぁいいや。早速、ストレージからガレージを出すと25メートルプール4ツ分のうち1つ分をつぶした。・・・でかくね?ねぇ?でかすぎじゃね?バイク一台分じゃなくってなんだいも入るぞ?と、とりあえず装備を見てみるか。
バイクスタンドや工具なんかは一通りそろっているな、固定式のジャッキリフトまでついてる・・・ほぼバイク屋じゃねぇか。いやまぁ、こんな世界でバイクに乗るんだから助かるが…あれ?奥に扉があるぞ?
ぬぁ?!さらにプール一面つぶして塗装ブースがあるじゃねぇか!どんだけのもん用意してんだあの猫!知らないで街中でこんなもんだしたりしたら・・・俺はゾッとした。だってさ、みんなの前で調子こいてだしてたらさ・・・みんなガレージにつぶされてたよきっと。
「とりあえずまぁ、感謝しときますか。さてと・・・」
ガレージの中に俺はモンスターをストレージからだすとジャッキの上にのせる。油圧式の電動・・・魔力式になっているジャッキに魔力を流すとリフトがアップする。整備されていない道を走ったせいでいたるところが泥や砂で汚れている。これは洗車しないとなと思った、それ以外にチェーンの張りぐあいや、オイルの汚れ、その他整備しなければと思っていた部分をチェックしていく。問題はなさそうだ、タイヤの溝も十分にあるが整備されていない道だとこのタイヤはきついな・・・グリップが聞かないだろうし。オフロードのタイヤとかなら何とかなるんだろうが・・・そんなもんないしな・・・どうするかなぁ・・・。
整備も終わったころ、宿に戻ろうとしたら何やら宿のほうから騒ぎ声が聞こえる。
「ミアさんよ~。そろそろこのやどしめてよ~うちの兄貴のところにこいよ~。」
「やめてください!何度来てもこの宿は閉めませんし、貴方たちのところになんか行きません!」
「そんなこと言ったってよ?こんな客も来ないぼろ宿より、兄貴が新しく作った最新の宿で兄貴と暮らしたほうが幸せじゃねぇか。」
・・・よくあるあれだな?老舗の宿の目の前に最新の店舗を作り老舗宿の客を根こそぎかっさらうってやつ。典型的な悪党のやり方だな~。
「この店は私の夢なんです!どんなにぼろくても、私の宝物なんです!」
夢・・・宝物・・・俺にはよくわかる・・・
「こらこら、その辺にしておきなさい。ミアさんが困っているでしょ、僕の未来の奥さんなんだから丁寧に扱いなさい。」
「あ、兄貴!すみません!」
俺が裏口からその様子を見ていると、親分がさっそうと登場。といったところだ。
「ミアさんもそろそろこちらのいう事聞いていただいたらいかがですか?借金返済の期日だって何度も伸ばしてあげているじゃないですか、もうそろそろこちらとしても限界なのですよ。あなたの夢だか宝物だかわかりませんがこんなボロ屋なくてもいいでしょ?新しい宿で暮らせばいいじゃないですか。客も来なければ商売にもなりませんよ?」
「・・・クッ、それはあなたたちが!」
「人のせいにするのはいけませんね。この店が繁盛しないのはあなたの努力が足りないからでは?」
そんな話が行われているなか俺は表に回り、新しい宿を見に行く。なんだこれ?木造5階建ての長屋?20組くらいが一気に止まれそうだな。この世界のホテルみたいなもんか、それに比べたら確かにクロネコの宿は・・・言いたくはないがボロだな。あれ?ちょっとまて?なんでこの新品の宿がこんなに人気なんだ?・・・ぬぁ!?一泊銅貨1枚?!そりゃ止まるわ。これはあれだな?ミアが欲しくてつぶしにかかって・・・ふむ・・・
「ミアさんよ!そろそろ兄貴のいう事に従いなよ!ねぇグレンの兄貴?」
「まぁまぁ、しかしそうですね。本日借金の金貨50枚が用意できなにのでしたら。このボロは取り潰し、そしてあなたは借金の返済としてウチの宿で働いてもらいましょう。僕の妻としてね。」
ニヤリと笑うグレン。椅子に座りうなだれるミアに近寄り舌なめずりをする、気持ち悪い。グレンはこれまた肥えた禿デブかと思いきや、茶髪、きりっとした目いやらしい口元すらっとした手足という、イケメンだった、性格以外は。
ミアはもう諦めたと言わんばかりに、椅子から立ち上がると、グレンに向かいお辞儀をする。
「くぁはははははは!ようやくわかったか!君なんかにこの状況をどうにかできるはずはないんだよ!これからは僕の妻として従業員として頑張って働いてくれ!」
「か・・・かしこ・・・・」
ミアは震えながら涙を流しお辞儀をしている。
『よかった、今呼びに行こうとしたところなんです。』
『どうしました!?何がありました?!大丈夫ですか?!』
『おっちょこちょいさんですね。うふふ。ご飯できてますよ、テーブルに座ってください。』
『ねぇねぇ、あのバイクっていうやつ?すごいね。』
『この店は私の夢なんです!どんなにぼろくても、私の宝物なんです!』
ミア言葉が俺の中でフラッシュバックする。裏口に戻っていた俺は自然と足が前にでる・・・そして。
「金貨50枚でいいんだな?」
「なんだい君は?」
「ケンゴさん!?」
「50枚でいいんだな?これ持ってさっさと帰れ。二度とここに近づくな。」
俺はストレージから金貨五十枚をだし、手下の男に金貨の入った袋を投げ渡す。
慌てて受け取った部下・・・めんどい、モブ男は金貨を数える。その姿を見てグレンはフルフルとふるえだした。
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