第33話 旅立ちの日
今回で港町クライスが終わります、少し長くなってしまいましたが最後まで見ていただけると嬉しいです。また誤字脱字があると思います、少しずつ直していきますのでご勘弁ください。
今までいいねを付けられる設定になっていませんでした、最近気づき変更してありますので、もし読んでいいなと思いましたら『いいね』もよろしくお願いします!!
「みんな聞いてくれ!神獣リヴァイアサン様より譲り受けた魔力結晶がここにある!これにはあの事件の真相が記録されているという事だ!今から皆にそれを見せる!それとリヴァイアサン様より教わった真実を今からこの場で皆に伝える!心してみてくれ!」
リョウコが魔力結晶を天に向かって掲げると結晶が光空中に映像が映し出された、さらにどこからともなく当時の音声までもが聞こえてくるのだった。数時間の天空映画上映…もとい当時の事件映像が当時の音声とともに流れ町の住人たちはその映像の真偽について話し合いが始まった。
「なんてことだ!あの領主の仕業だったなんて!しかもココは悪く無かっただって!?俺たちあの子になんてことを!」
「あんなの作り物でしょ!?」
「どうやったらあんな凄く鮮明に作られた映像があるんだよ!本物に決まってるじゃねぇか!」
偽物・・・本物・・・偽物・・・本物・・・
誰も決めかねる中動いた人物がいた。それはこの町の現領主『ハイベルグ』だった。
「皆の物静かに!ギルド支店長リョウコ、あの映像のことを話してくれるか?」
「ハイベルグ様、あの映像は神獣リヴァイアサン様より承った記憶結晶でございます。当時の事件を見ていたリヴァイアサン様より先ほど頂きました。」
「神獣リヴァイアサン・・・この町の守護神獣でもあるあのお方が・・・」
「あのおかた・・・?まさかハイベルグ様はリヴァイ様とご面識が?」
「あぁ、若いころ少しな。そうか、ふむ・・・皆の物よく聞いてくれ!先ほどの空中に映されていた映像は本物だ、神獣リヴァイアサン様の記憶の一部である。今日この場であの忌まわしき事件の真相が暴かれた!この20年間いろんな思いを皆がしただろう、辛いことも悲しいこともあった、私も領主という立場について事件の真相を探ったが真実にたどり着くことはできなかった。しかし今!真実は明かされた!」
住民のうぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!という声とともに領主は天に右手をかざす。こうして住民は解散し宿屋の前から人がいなくなっていく、領主はリョウコに話を聞くと宿屋に入り俺とはちあうことになった。
「きみは…そうか、君がこの事件を解決した冒険者か…ありがとう。」
ハイベルグは俺に対して何の躊躇もせずに頭を下げた、ふつう偉い人って頭なんて下げないもんだろ?それなのにこの人は・・・年のころから言って40代後半だよな?ダンディーなおじさんで志村〇んに似てる。ただあごひげがなげぇ・・・そんなことはまぁいいさ。
「俺だけじゃ無です、リョウコさんや、ウチのパーティーメンバーがいなければ俺なんて何もできないですよ。」
「謙遜するな、高速移動できるアーティファクトで水上を移動しながらモンスターじゃなくってリヴァイアサン様とやりあっていたと暗部から報告が上がっている。」
「そうなんですか…まぁあれも全部リヴァイアサン様の考えがあってのことだったんですけどね。」
「まぁそうだろうな…そういえば災いの子いや、ココはこの宿にいるのだろう?すまないが案内してくれないだろうか?」
俺は黙ってハイベルグを二階に案内する、リョウコも一緒だ。
二階のココのいる部屋に着くとリョウコは外で領主が出て来るのを待つといって中には入らなかった。
扉が開くと中にいた全員がこちらを見る。
「君が・・・ココ君だね?」
ハイベルグはベットの上で上半身を起こしているココに対して話しかけた。
「今まですまなかった、許してほしいとは言わない、だが、一方的ではあるが謝らせてほしい。本当に申し訳ない。」
「え?あの?どうして領主様が私に謝るんですか?」
「今までの君に対する町の住人たちの行いは知っていた、だが私ではそれを止めることができなかった。私はあるお方から君が災いの子ではないことは聞かされていた。にもかかわらず君につらい思いばかりさせてしまった。」
「大丈夫です…頭を上げてください。もういいんです、町の人たちも領主様だって悪く無いんです、だれも悪く無いんです…そう、誰も。」
ココはうつむきながら静かに涙を流した。
「ほっほっほ、あの若造がこんなに立派になるとはな。」
リヴァイがハイベルグの近くでココから皆の注意を引いた。じいさんなりの気遣いなのだろう。
「・・・おい支店長。この爺さん馴れ馴れしいがなんなんだ?」
「りょ、領主様!そのかたは・・・」
「ふむ、見た目だけでかくなっただけの様じゃな。やれやれ残念じゃのぉ・・・」
「おい爺さん、失礼なこと言ってると打ち首に・・・」
誰もが無言でハイベルグから目を反らす、とハイベルグが周りの様子を見て焦り扉裏に隠れている支店長に耳打ちして正体を聞いた。結果…
「神獣リヴァイアサン様とは見抜けず失礼な爺さんなどといってたいへんもうしわけありませんでしたーーーーーーーーーーー!!」
ハイベルグは今綺麗な、とてもきれいな土下座で爺さんに頭を下げている。
この町の守り神にあの態度とったんだものんな、仕方ないさ。
「よいよい、しかしあのちっこかった若造がのぉ、こんなに立派になってわしゃうれしいぞい。」
「なんだじいさん知り合いだったのか?」
「ふむ、こ奴がこーんな小さい時に一度会ったことがあるぞ?」
そう言って爺さんは手で大きさを表すが米粒位の大きさで人差し指と親指で小さすぎるくらいのさいずをあらわした。
「おい爺さん、そりゃあんたがでかかったからだろ?」
「まぁ・・・確かにの!ほーっほっほ!」
じいさんと俺のやり取りにみんなが笑顔になる、ココもクスリと笑う。
「さてココよ!支店長のお陰で事件の真相は暴かれた!そして領主である私が町の住人に話すこともできた!これからは何不自由なく生活させてやる!いや!今までのわびのつもりだ、望むこと何でもかなえてやろう!」
「・・・」
「ほっほっほ、それには及ばんよ。ココはこのケンゴとともに行くのじゃからのぉ。」
「なんと?!」
「ちょっと待て!まだココの気持ちが決まってないだろ?!」
「そうかのぉ?ココよ?」
話を振られたココは少し沈黙して話し始めた。
「私…一緒に行きます。ケンゴさんたちと一緒に。」
「いいのか?!俺たちは構わないが・・・」
「はい、宜しくお願いします。」
こうしてココが俺たちの旅の仲間に加わることになった。しかしココの表情は作り笑顔という虚しさが残りどうにも腑に落ちない。そこで俺は今日は宿でゆっくりして明日旅立つことを決めた。もともとそんなにこの町に滞在するつもりはなかったし、旅に必要な道具や食料もまだまだ十分ある。特にい直ぐ旅ではないけどココの決意にもこたえねばならないしやり残したこともあるだろうし・・・とりあえず明日まで時間を作ることにした。
「そうだココちゃん、ココちゃんの荷物とりに行かないと、私も一緒に行ってあげるね。」
「はいはいはい!私も一緒に行く!ココちゃんの護衛にもなるし!」
ミアとエミリアがココと一緒にギルドまで荷物を取りに行くこととなったがココが少し時間が欲しいという事だったのでココとミロロの時間を作ってあげた。ミロロだってないかとここの心配をしていたしな、親友ってやつなんだろう。
俺はというと宿屋の裏の敷地をかりてガレージを出していた。今までは三人だったからバイクにサイドカーつけて三人乗りにしていたが…それでもほぼ重量オーバーだし、いっそ車でも作ってみるか?!とか考えながらバイク制作の画面とにらめっこしていた。すると爺さんがいきなり現れ俺に話しかける。
「ほぉ~こりゃまたすごい設備だのぉ~!」
「なんだ爺さんか…どうした?何か用か?」
「ふむ・・・お主には今回いろいろな面で迷惑をかけたな。」
「気にするな、俺がしたいようにやっただけだ。」
「そう言ってくれると助かる。じゃからといってこの恩を神獣であるワシが蔑ろにすることもできんよ。」
「そうか?あ~そうだな、じゃあ俺からのお願いを一個聞いてくれ。」
「お願いじゃと?どんな願いじゃ?」
「ミアとエミリア、それからココの事を救おうと頑張った皆にあんたから一言お礼を言ってあげてくれないか?この間からあんたすまんしか言ってないぞ?せっかくのココの旅立ちなんだ。辛気臭い謝罪なんていらないさ、これから先ココの旅の無事を願って一言で良い。」
「それが願いか…欲がないのぉお主は・・・しかしそうじゃな・・・ケンゴよいろいろとありがとう。」
「どういたしまして。」
俺と爺さんは一緒に笑った。そして、夜が明けてココの旅立ちの日が来た。
「あの、皆さん今までお世話になりました。」
「ココぉ~あーしらいつまでもどこまでいっても親友やからな~!!」
ミロロが涙でぐしゃぐしゃの顔をココに抱き着きながら見せていた。支店長の姿は・・・ない。
領主や爺さん事情を知っていた領主官邸のメイドと執事がいるくらいだ。そして、俺はストレージから新車を呼び出す。
エンジンの豪快な音とともに現れたのはHONDA ゴールドウィング4だ。大型免許?この世界でとれるなら取りたいよ!しょうがないじゃん!っていうか四人乗りのバイクを調べていたらこいつがあったんだもん!仕方ないもん!・・・いやまぁこれしか方法がなかったのよ。車制作しようとしたらさできませんって言われたんだ、ゴールドウィングなら長距離旅行だって苦にならないし、車体に二人、サイドに二人乗れる設計になってるから四人乗りできちゃうし!大きさ的にはほぼ車だよねwwって草はやしてる場合じゃねぇ。
「さて、みんな準備はいいか?」
「「「はい!」」」
「じゃあ行ってくるよ!またな!」
俺はそう言って一度エンジンをふかす。
ブォン!
という音とマフラーから出る排気ガスで地面の埃が少し宙に舞う。
「そうじゃ、ココよこの子を一緒に連れて行ってくれんか?」
「え?あ、はい。」
そう言って爺さんの影から一匹の小竜がココのもとに飛び出してきた。
「この子は?」
「わしの玄孫じゃ、いろんな世界を見せてやりたくての、頼めるか?」
「わかりました!名前は何というんですか?」
「名はない、おぬしが付けてやってくれ。」
「え?!いんですか?!」
「好きに付けるとよい、それではまた会おう。」
そう言って爺さんは空高く飛び上がると元の姿に戻り空を泳ぎ海へと帰っていった。
「じゃあ、いくよ!またな!」
俺たちはこうして町を後にするのだった。
「・・・そんなところで見ていないでこっちに来ればよいものを・・・。」
ハイベルグが屋敷の影にいた人物に声をかけた。
「わたじ・・・こうでもじないと…ココを送り出せないでず…」
影にいた人物はもちろん支店長であるリョウコだ。
「そうだな…おっと、これを君に渡すようにお願いされていたんだ。」
ハイベルグは懐から一枚の可愛らしいデフォルメされたモンスターが描かれたピンク色の封筒を差し出した。
「ココ君からだ。」
リョウコは何も言わずにそっと手にして読み始めた。
『 支店長へ
この手紙が支店長・・・ううん、お母さんのもとに届いている時にはもう私はこの町からいなくなってるときかな?まさかこんな風にこの町を出て行くことになるとは思わなかったよ。昨日のお母さんの態度なにあれ、無理しちゃって…我慢してることバレバレだし。でもね、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、私うれしかったよ。お母さんが私のことをちゃんと思ってくれてるって、ううん、私を愛してくれてるのがすごくよく分かったから。きっとこのままお母さんは私には姿を見せないだろうし、話もできないだろうし、ほんと頑固、まぁそんな頑固なところ私は似ちゃったんだけどね、だからこうして手紙を書くことにしました。私を生んでくれたお母さんとお父さんが無くなっていたのは正直ショックでした、でもね私はお母さんがいつも一緒にいてくれたから今まで生きてこれたんだと思う、災いの子なんて呼ばれてたけどそんなのお母さんと過ごす毎日が楽しくて気にしたことないよ、自分の事なのに変だよね。だってお母さん料理もできないし、掃除もできないし、私ばっか家の事やってるし。お酒もた~くさんのむし・・・喧嘩もよくしたよね。私が怒ると簡単に謝ってくるくせに私が怒らせるとネチネチネチネチ・・・懐かしいね。私がいなくなったら喧嘩もできないし…しっかりしてよ?独身に戻るんだから少しは仕事じゃなくって自分の事も考えて新しいパートナーとか見つけてよね?…次に会った時には私にちゃんと紹介してよ?私も紹介できる人ができたら連れて行くから…だから、だからね。行ってきます!いろんな経験していろんなところに行って!いろんな人にあって!たくさんたくさん話せるようにい~っぱい色んなことしてくるから!私の帰るところはお母さんのところだから!行ってきます!じゃあねお母さん!私お母さんのこと大好きだよ!愛してるよ!
お母さんの娘 ココより 』
手紙を読み終えたリョウコはその場で崩れ落ち叫び声をあげて泣いた。
「ココ~~~~~~~~~~~~~~!こーーーーーーーこーーーーーーーーーーーーーぉぉぉぉぉぉ!!」
ハイベルグはそっとリョウコを両手で包み込むとリョウコが泣き止むまで頭をなでていた。その姿を見て皆が泣涙を流し、冷徹な街の暖かな一組の家族の旅立ちを天に祈った。
「…グスッ・・・いっでらっじゃい…バカ娘…。」
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