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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた


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第29話 神獣リヴァイアサン

「なんで!どうしてココが・・・何があったんだ!」


リョウコは俺の胸倉をつかみ目の前で吠える。

俺はその手をそっとつかみゆっくりと離す、リョウコもわかっているようでその手はすんなりと俺の胸倉から離れていく。俺はリョウコに今まであったことをすべて説明した、リョウコは泣きながらココをそっと抱きしめる。


「なぁケンゴ、君のあのアーティファクトは最近有名なバイクという奴だろう?」


「有名かどうかは知らんがバイクだな、もうこっちまで話が来ているのか。」


「頼みがある・・・ココを一緒にこの町から連れだしてくれないか?」


俺は返答に困る、本人の意思で行くのならまだしも寝ている間に黙って連れ出すなんて・・・でもこの町は異常だ・・・そんな風に考えていると外から叫び声が聞こえてきた。


「疫病神を出せ!」


「出さないならこの宿ごと燃やすぞ!」


「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!」


「水神様に生贄を!」


何事かと思いそっと窓から覗くと町の住人たちが宿に押し寄せココを出せと言っている。なんなんだこれは?中世ヨーロッパの魔女狩りか?町中狂気でいっぱいじゃないか!


「あぅ・・・ここは・・・」


住人の狂気な叫び声にココが目を覚ましたようだ。

リョウコはココを強く抱きしめる、まだ頭がはっきりしていないここは目をこすりながら俺たちを見回した。


「あ・・・あぁ・・・・ごめんなさい!私・・・ごめんなさい!」


「ココちゃん、謝らなくていいんだよ。」


「そうよ、ここにいるみんなは誰もココちゃんを責めていないわ。」


「でも・・・そとのみなさんが・・・ごめんなさい・・・生まれてきて・・・ごめんなさい・・・」


ココの口から出た言葉を聞いて俺は部屋の扉を開け階段を駆け下りる、我慢の限界だった。

俺は宿の扉を開け目の前にモンスター400をストレージから出す。別に何ができるわけでもないが少しは牽制できるだろと思ったからだ。


「あんたらいいおとなが」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」


「化け物が出たぞ!モンスターだ!魔物だぁぁぁぁぁ!」


「海が大変なことになってるぞ!」


俺が大声で文句を言おうとした時だった、町にいる誰かが港のほうを指さして叫ぶとそこには蛇のように長い体を海から出してくねくねしている巨大な魔物がいた。俺の怒りも束の間本物の魔物の登場でちりじりになる蟻どもは俺の方に向かって助けを乞いだした。


「あんた!そんなもの持ってるんだからあいつを何とかしてくれよ!」


「早くあの化け物を倒して!」


「災いだ!お前が災いを連れてきたからだ!何とかしろ!」


みんな言いたい放題言ってくれる。別にココが悪い訳じゃない、たまたま偶然の出来事を他人のせいにして何が面白いんだ。二階にいたはずのエミリアもミアも降りてきた。


「ケンゴさんあれ!水神様じゃないですか?!」


「どうしようケンゴ!あんなの誰もかなわないよ!」


「ケンゴ!頼みがある!緊急クエストとしてあいつを何とかしてくれ!その間に援軍を要請する!頼む!」


リョウコまで降りてきたはいいが緊急クエストってバイクでそうすりゃいいんだよ!バイクは水の中にはいれないんだ!


『ナビゲーションです。今回、主様の緊急という事で前回制作したバイクを勝手にですが分解しました。』


「はぇえ?!ナビさん!?」


『これによりバイク制作枠が一つ空きましたのでこの場で使えるバイクを製作してあります。』


「グッジョブ!といいたいところだけど、こんな状態じゃバイクなんて役に立たないだろ!もっと何かいいものをナビゲートしてくれ!」


『更に剣術スキル上級、魔法スキル上級、その他諸々取得しております。』


「この間したじゃ・・・お?上級に上がった?」


俺はスキルと制作されたバイクを確認してミアとエミリア、リョウコに声をかけた。


「ミア!俺と一緒にあのデカブツを対応してくれ!エミリアはここで住民たちが暴走しないように見張ってくれるか?!リョウコはさっさと援軍でも何でも連れて来い!」


「わかりました!」


「うん!」


「りょうかいだ!」


俺とミアは港に向かって走り出した。逃げ惑う町の住人や子供の泣き声で大混乱した町はいろんなものが散乱してとても早く港に着くことなどできなかった。ふっと横を見ると水路が流れていてその先は海だった。

俺はこれだ!と思いミアを抱き寄せ水路に飛び込んだ。


「ちょ、ちょ~!ケンゴさぁぁぁぁん!」


なかなかの高さがある水路を俺とミアは落ちていく。何も言わずに飛び込んだのは申し訳ないがこれが一番早いのさ、なんたって今回のバイクは・・・


『JET SKI ULTRA LX 日本が誇るバイクの名門カワサキモータースのジェットスキーを製作いたしました。』


ナイスですよほんとに!ナイスチョイス!マジで言い仕事してくれたよ!水路にいきなり現れたジェットスキーに俺は着地すると後部座席にミアを乗せる。


「ケ、ケンゴさん!?これもバイクなんですか!?」


「今までのとは見た目も形も違うけどこれは水上を走ることができるバイクなんだよ。早速行こう!」


俺はゆらゆらと揺れるジェットスキーに魔力を通す、バイクと一緒でこいつのガソリン変わりも魔力だったりする。スロットルを開き後部からエンジンの始動音が聞こえ水が後方に一気に噴出する。ジェットスキーは水の推進力で走るバイクだ、今回はこいつに活躍してもらうしかない。

水上を滑りながら走るジェットスキーは水路から出ると一直線で巨大な魔物に向かって進んでいく、近づけば近づくほどその巨大さがわかる。水面から出ている部分だけでもビルの15階くらいの大きさがある、これを今から何とかしなきゃいけないとか・・・ほんと損な役回りだ。


「ケンゴさん、このまま魔物に近づいてください!」


「了解!」


ミアに指示された俺はそのまま魔物に近づくとミアが魔物に対して魔法を放つ。


『アブソリュート・ゼロ!』


絶対零度の広域範囲魔法、上級魔法で対象を中心に氷の領域を作る魔法だ。これをくらった魔物はギュェェェェ!と声を上げながら水面から徐々に体を凍らされていく。ミアはそのままジェットスキーから空へと大ジャンプして更に魔法を繰り出す。・・・なに?ミアってこんなアグレッシブだったの?俺が知らなかっただけ?エミリアは知っていたのか?後で問い詰めよう。


『魔法スキル超級を獲得しました、雷焉(らいえん)を使用可能です。』


またナビさんが突拍子もないこと言ってるよ、魔法スキル超級?知らんがな。


『相手に対して最も有効なスキルをナビゲート致しました。』


ほんとに都合のいいナビゲートだこと、とりあえず今は雷焉をあいつにぶちこむ!ミアはもう一度ジェットスキーから飛び上がるとスカートの中に隠していた武器を取り出す。落ちたたまれた棒が何本かつながりミアが手にしたのは大きなカマだった、たとえるのであれば死神のカマと言ったらわかりやすいのじゃないだろうか?


ミアが巨大なカマを振りかぶり右上から左下に振りぬく、巨大な魔物は間一髪でミアの鎌をよける。ミアが着地する場所に俺はジェットスキーを滑り込ませた。鎌のことは後でにするとして今度は俺がストレージから剣を取り出すナナから貰ったあの剣だ。前に見た時より細身の剣になっているがそんなことは今気にしちゃいられない。身体強化と剣術スキルで強化された俺の体はジェットスキーを飛び出し魔物に向かう。更に雷焉を使い剣に雷焉をまとわせ魔法権を作くる。


「ちょ、ちょっと待ておぬしら!」


剣が魔物に当たる瞬間にどこからか声が聞こえ剣を止める。


「「え?」」


俺とミアは魔物のほうを見る魔物が慌てた感じで俺たちに話しかけてきていた。


「おぬしら今の要領でワシに攻撃しながらついて来い、決して当てるでないぞ。」


「お?おう・・・?」


俺たちは言われたように攻撃を繰り返し港のほうから少しづつ沖のほうに離れて行った。人の目からすれば遠くで魔物と俺たちが戦っているのか?と微かにわかるくらいの距離まで来ると魔物は俺たちに普通に話しかけてきた。


「ほっほっほ、さすがに異世界からの来訪者よの。」


「なんでその事を?!」


「お主とは一度会っておるじゃろう?ほれ、港の堤防でお主が釣りなるものをしていた時にのう。」


「あ!あの時の爺さん?!」


釣りをしていた時に話しかけてきたあの爺さん、消えたと思ったら・・・魔物だったとは。世の中何があるかわからんもんだな。


「ワシの名はリヴァイという、神獣リヴァイアサンという名前で歴史上に記されておるわい。」


「神獣?・・・魔物じゃないのか?」


「魔物と一緒にするでない、ワシはこの世に9体しかおらん神獣の一人なんじゃぞ?」


神獣の姿でフフ~ンとか言いながらふんぞり返るリヴァイ、殴りたくなってきた。


「で、爺さんは俺たちとこんなところでこんなことして何の意味があるんだ?」


「おぉ、そうじゃった。異世界からの来訪者であるお主にちっと頼みたいことがあっての。それでこうしてきてもらったんじゃ、まぁ来てくれるかどうかは賭けじゃったがの。」


「リヴァイアサン様・・・町のギルドが来たらどうするつもりだったんですか・・・」


「おぉ!お主はマックリー王国のおひ・・・・」


「・・・・」


ミアが何か爺さんに威圧賭けてる・・・なんかこの町に来てからミアが怖いんだが。


「そ、そうじゃ、結果的によかったんじゃしもんだいはないじゃろ・・・」


リヴァイは汗をかきながら話を逸らす、その姿を見て神獣って実はそんなに大したことはないんじゃないのか?と思ってしまうほど委縮していた。リヴァイの口から説明された頼みたいことというのの説明を受ける。そして今後のある予定を決める大事な、とても大事な話だった。

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