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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた


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第26話 災いの子

冒険者ギルドに来た俺は、早速受付にむかう。受付には狐の耳を付けたボブカットの金髪少女が受付嬢をしていた。服装はメイド服のようにひらひらがたくさんついていて袖はメッシュタイプで基本が白とピンクをメインにしている。


「すみません、冒険者登録をしたいんですが。」


ニコニコしながら一点を見つめてたす狐耳少女に話しかける。受付の少女はニコニコしながら俺の方をむいて「いらっしゃいませぇ~」と営業スマイルを向けてくる。


「冒険者登録ですね、ありがとうございます!それではこちらに記入・・・」


「おいテメェ!何やってんだよ!」


「支店長!」


何やらガラの悪い女が奥から狐耳少女に呼びかける。狐耳の少女は柄悪女を見るとカタカタと震えだし、今にも泣きそうな顔になる。いじめられているのか?とも思うくらいの上下関係なんだろう、しかし客の前でこれは・・・


「テメェは受付すんなって言ったろ!奥で事務仕事でもやってやがれや。」


「そんな!私だってできますよ!」


「うるせぇ!あたしのいう事聞いてりゃいいんだよ!」


「でもぉ!」


「うだうだ言ってんじゃねぇ!この間もその前もお前に任せただろ!それでどうなったかわお前が一番わかってるだろ!」


「あ・・・はい・・・わかりました・・・。」


狐耳の少女は俺たちにいちれいすると、泣きそうな顔で奥に入っていった。残ったのは柄悪女の支店長だった。


「おう、すまなかったね。で?冒険者登録だっけ?」


「あ、あぁ。そのまえに、何があったか知らんがあれはひどいんじゃないか?」


「お前この町は初めてか?」


「そうだけど?それが何かあるのか?」


「そっか・・・」


支店長は腕を組んで少し黙ったまま俺を見て話をし始めた。ミアとエミリアも俺の横で少し不機嫌な状態で支店長を見ている。


「あんな場面見しちまったしな、お前らには話しておくよ。ただ、周りの奴らにはこの話をしねぇでくんねぇか?って言ってももうだいぶ噂になってるしな、お前らだけは変な目で見ねぇでほしいんだ。」


「お、おう。」


「いまから20年前にこの町は一度魔物に蹂躙されたことがある。根拠はないんだが、皆ある事がキッカケだと思い込んでいるんだ。それがさっきいた受付嬢のココの生まれた日だったんだ。」


「ただの偶然だろ?」


「そうだったらいいんだがな、町のほとんどが襲われる中でここの家だけが奇跡的に無傷でのこったんだ・・・それを見た住人たちはここを疫病神と呼ぶようになった。しかも人間の間に生まれたにもかかわらず狐の耳をはやした獣人だったからだ・・・。」


「獣人は獣人からしか生まれないんじゃないの?私しそんなこと聞いたことないよ?ミアは聞いたことある?」


「私もないわ。」


「そりゃそうだ・・・私だってそんなこと聞いたことない。そしてココの悲劇はここから始まったんだ。町の住人達から災いの子と呼ばれ、町全体から両親は嫌がらせを受けた。それによって両親はココを置いて町から逃亡する。幼いココは飢えを我慢しながら町をさまようことになった。まだハイハイしかできない赤ん坊がだ。町の住人は災いの子を見ても助けることはない、それでもココはハイハイをしながらお腹を空かせながらギルドの前までやってきた。ほとんど餓死寸前の状態だったんだ、それを私が見つけた。それからは私が面倒を見ている。」


「なぁ、ココは先祖がえりなんじゃあないか?」


「先祖返り?なんだそれ?お前なんか知ってるのか?」


「いや、俺も詳しくはないが昔なんかの本で読んだことがあるんだが、自分の祖先の何代か前にそういった血が入っていた場合にまれにだが生まれてくる子がその血を色濃く次いで生まれてくることがあると。まぁこれは空想上の話だから何とも言えないが、ココちゃんの何代か前に獣人と結婚した人がいるんじゃないか?」


「・・・先祖返り・・・テメェなんでそんなこと知ってるんだ!?」


支店長は俺の胸倉をつかみ顔を近づけて凄んでくる。その瞬間エミリアの剣を握るカチャっという音に俺は反応して、エミリアを手だけで制止する。


「知っているというよりもそういった知識があっただけだ。ココがそれに値するかは俺にもわからない。ただそういった先祖返りという存在は必ず背はないが災いとして取り上げられる。実際はその子が生まれたからとかそういうのは一切関係ない。悪いことが一度でも起きてしまうと全てをそのせいにしてしまうという傾向があるんだ。」


「・・・お前はそれをわかったうえで行っているのか?あの子が災いの原因ではないという事を。」


「そりゃそうだ、生まれた時から災いを持って生まれてくる赤ちゃんなんてこの世にはいないんだよ。」


「・・・なぁ!あの子の事救ってくれよ!お前なら其の方法もわかるんだろ!?」


おれは首を振る、残念だがそんな方法はおれはしらない。


「すまん・・・」


「いや、こちらこそすまなかった。出会ったばかりのお前らに・・・そういえばお前名前は?


「ケンゴだ、『鍛冶 研吾』とりあえずそれで冒険者登録してくれ。」


「あたしはリョウコだこんなんでもここの支店長をやっている、これからよろしくなケンゴ。」


俺は支店長のリョウコと会握手をしてギルドカードを受け取った。

ギルドを後にして宿屋に向かう、リョウコからいい宿を教えてもらったのでそこにすることにした。

ギルドから宿まで少し距離があったので買い出しや露店でつまみ食いしながら俺たちは歩く、宿屋の看板が見えてきたので看板を見ると『お前ら舐めてんのか?!亭』という何とも気合が入った看板が見えてきた。


「ここ・・・であってるよな?」


「確かにここだと思いますよ?支店長さんの言っていた宿は・・・。」


「なんだか気合が入るようななまえだね、ケンゴ、ミア?」


「とりあえず入ってみようか・・・」


お前ら舐めてんのか!?亭のドアを開けるとカウンターがすぐ横にある。


「らっしゃいませぇぇぇぇぇ!!」


いきなり大声を出すりーセントの長ランのようなものを着た店員が挨拶をしてきて俺はびっくりした。横を見るとミアは手に口を当ててびっくりしている。エミリアはというと特に何もしていないようだった。


「お泊りですかぁぁぁぁ?!3名様でよろぉしいでしょうかぁぁぁぁ!?」


「あ、あぁ・・・」


「っざ~~~~~~~~~~っす!」


なにこの不良のたまり場・・・ほんとに宿なのか?!

俺は鉄パイプで頭をぶんなぐられた気分になった。少し間が開いてリーゼントが頭の上に『???』とだしていたが次の瞬間、カウンターの中に在る扉が開き女性が入ってきた。


「・・・お兄ちゃんうるさい。ほんと死んでくれる?」


「お、お、お、お前何言って・・・」


「あぁん!?」


全力でがんを飛ばす少女、この町はこんな人しかいないのか?支店長にしろ宿の受付にしろ・・・異世界に来てまでヤンキーになんか会いたくないわ!他の店にしようかと思い踵を返すと妹と思われるレディースが俺の腕をパシッとつかんだ。


「いらっしゃいませぇ~お客様、ようこそおいでくださいましたぁ~」


「目の奥に何故か殺意が見えるんだが・・・


「とうやどはぁ~お客様をぉ~せいいっぱおもてなしまぁ~すぅ~。」


「あ、遠慮しようと思います。」


「あぁん?!今なんつったお客さま!?おぉ?」


「こえぇんだよ!それが客にとる態度か?!」


「おう!おめえら!お客さんのご案内だ!丁重に運びやがれ!」


フリフリエプロンにゴスロリチックな制服できゃるん!とか言いそうな格好してるのに何なんだ、ほんとにもう嫌。さっさと出て行こう、この町。


部屋に無理やり通された俺たちはとりあえず荷物を置いて一息入れることにした。幸いにもこの宿に温泉が付いていることもあってミアとエミリアは温泉に。俺は少し嫌だったが情報収集として宿の食事処に来ていた。


「ねぇ、このスポーンリブおいしいわよ?」


「へ~あ、このニグロの刺身がいいと思うよ?」


「やっぱりホラチョウの丸焼きは絶品だよね!」


「本当だね!すごくうまいと思うこのグリオ牛のステーキ!」


「わたしたち・・・最高に相性いいわね!」


「って、何なんだよ?取り合えずブール(ビール)とニグロの刺身くれよ。」


「チッ」


「なんだちって!」


レディースは厨房に入り料理を作り戻ってくると俺のテーブルにブールとニグロの刺身を置いた。

そのまま立ち去るのかと思ったらいきなり俺の対面に座った。え?何してんのこいつ?と思ったが無視してブールを飲み刺身をつまむ。うまい、ほぼほぼマグロとそん色ない。港町に来てよかった。


「ねぇ、あんたさ~。姉御の紹介でここに来たんでしょ?」


「姉御?誰だそれ?」


「ギルドの支店長よ。」


「あぁそうだけど?」


「ふ~ん。」


なんでそんなことを聞いてきたのかは知らないけれど俺は気にせずブールをのどに流し込む。

つまみも食べて、食後の一服をするために煙草を取り出しジッポを使って火をつける。


カチン・・・ジュッ!


と音を鳴らしてジッポに火をつけて煙草にその火をあてる。

煙草のマナーは異世界ではわからないだろうけどそこは俺はちゃんとする、日本にいた時だってきちんとマナーを守って吸っていた、異世界に来たからってその習慣は抜けないさ。


「な、な、なんだその煙!」


「ん?あぁ・・・タバコっていうんだ。子供が吸っていいもんじゃないからあっち行ってろ。」


「か、かっけぇ!」


「あにさん!私にもそれくれよ!」


「駄目だ、あっち行ってろ。」


拗ねた顔でレディースは席から立って行った。煙草を吸い終わるとまた俺のもとにやってくるレディース、なんだこいつ素直ないい子じゃないか。


「で?なんの様なんだ?」


「・・・あんたさ、ギルドに行ったならココの事知ってるんでしょ?」


「ココちゃんか、あったぞ?」


「そっか・・・仲良くしてやってほしいんだ。」


「おう、いいぞ。」


「そっか…やっぱりだめ・・・え?」


「だからいいぞ?」


そういうとレディースの顔が一気に笑顔になる。そろそろ名前教えてくれないかな?レディースレディース呼ぶの何か申し訳なくなってきた。

とりあえずこのレディースにいろいろな情報をもらうことにした。一番の謎のこの町はヤンキーの集まりなのか?という最大の疑問を最後にぶつけようと思う、すっと店の奥のカウンターの横に何故か置いてあった釘バットを見て様子を見て話するつもりだ。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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