第25話 港町クライス
「ケンゴさん・・・ケンゴさん!」
俺を呼ぶ声が聞こえる・・・ミアだ。
「ケンゴ!ケンゴ!・・・」
エミリアの声も聞こえる・・・・これは一体。
目の前が真っ赤に染まり、ミアとエミリアが心配そうに俺をのぞき込んでいる。その先には大きな影が見える、よく見えないがあれだ、ファンタジー世界でいうドラゴンってやつだな・・・なんでこんなのがいるんだ?あ、やばい、ドラゴンが息を吸い込みながら上体を反らしてる。ブレスが来るふたりをまもらないと・・・
「ケンゴさん!ケンゴさん!」
「ケンゴ!大丈夫?!ケンゴ!」
ハッとした俺は横になっていた状態から上体を素早く起き上がらせた。
「・・・あれ?二人とも?・・・ドラゴンは?」
「大丈夫ですかケンゴさん…すごくうなされていたんですよ。」
「うんうん、『駄目だ!やめろ!』とか寝言で行ってて。・・・ドラゴンって、あはは!」
「わ、笑うなよ。ドラゴンと戦う夢見てたんだよ。」
俺は寝ぼけた頭を整理して断片だけ覚えていた夢の話を二人にした。
「ドラゴンですか…確かにこの世界に生息しているというのは聞いたことありますが…見た人はいないですよ?」
「え?そうなの?」
「たしかねー、最後の目撃情報は1250年前の神魔戦争の時じゃない?」
「神魔戦争?なんだそれ?」
神魔戦争、地上の神と天上界の神との戦いがあり激しい戦争があったという。結果は地上の神が地上の人とドラゴンの力をかりて勝利したことにより、地上の神は『神』とされ天上界の神を『魔』として語り継ぐことになったらしい。
「だからねー、ケンゴの見たのはただの夢だよー、ドラゴンなんていないし。」
「そうですね、あまり気にしない方がいいですよ?」
「そうだな・・・夢だしな。」
俺はあの夢の光景を頭から消すように気にしないことにした。
今日からまたマックリー王国に向けて旅するんだ、不吉なことは忘れて次の町に進まなきゃ。
次の目的地は・・・港町クライスだ!海の見える港町だ!この世界の海鮮!昨日のパエリアは海鮮といっても川の物を使っただけだからな・・・本物の海鮮が食べれるぞ!
俺たちはキャンプの片付けをして旅の支度を始めた。
次の目的地も決まったしサックッと行っちゃおう。
「ミア、エミリア、忘れ物は大丈夫か?」
「大丈夫です。」
「うん!平気!」
二人の確認を取った後に荷物はストレージに収納してバイクを出す。もちろんサイドカーに改造したモンスターだ。今回はエミリアが俺の後ろミアがサイドに乗ってはしていく。
いつも通りのエンジン音とマフラーからです排気音が風に乗って心地のいいビートを奏でていく。インカムでつなげたミアのマイクからふゆびよりの鼻歌が流れてくる。
「あれ?ミア?」
「あ、聞こえてるんでしたね、すみません。」
「別に謝ることじゃないよ。」
俺はミアの鼻歌を聞きながら道を走っていく。
ミアの鼻歌にのせてエミリアが歌を歌い始めた。エミリアの歌・・・うまいな。
「二人とも一回聞いただけで覚えたのか?」
「ええ、なんとなく覚えれました。」
「私は昔からママに教育の一環で音楽を習わされていたから、歌を覚えたりするのは得意なんだ。」
「エミリアの特殊能力発覚した。」
「そ、そうですね。」
俺とミアはエミリアの特殊能力に少し驚いた。ミアの鼻歌でさえ少し音程がずれていたのに、エミリアは完璧な音程で完璧な歌詞を歌いすべてを完璧に歌い切った。
「すげーなエミリア・・・」
「ほんとですね・・・」
「ケンゴの世界の歌もっと聞きたいな!たくさんたくさん歌いたい!」
俺は一瞬考えた、エミリアの容姿でエミリアのスタイルでステージの上で歌って踊るアイドルを・・・いやいや、この世界ではアイドルなんてもんはいないし、そもそも俺はアイドルに疎い。それでもエミリアのアイドルを少し見てみたいと思ってしまった。
「ちょちょちょ!ケンゴさん前!前~~~~~~~!」
「おわ~~~!あっぶね~~~~~~!」
ボーとして運転していて危うく気に突っ込むとこだった。
「ケンゴしっかりしてよ!危ないじゃん!」
二人にやいのやいの注意されながら、俺はクライスに向けてバイクを走らせる。バイクを走らせている最中にクライスに着いたら何をするかを三人で話し合う。
エミリアはやはり食べ物と武器を見たいといいミアは旅の食材をとマーケットを巡りたいという話になった。俺はこの世界の魚を見たい釣りたい温泉に入りたいという事を話すと二人とも温泉に大賛成だった。
「あ、見えてきましたよケンゴさん。あれが港町のクライスです。」
「お~!あれがクライスか~。」
「温泉!温泉!早く入りたいよ~!」
俺はスロットルを握りスピードを加速させる。
クライスの手前でバイクを降りてストレージに収納する、町の入り口が見えてきて門番が入場者を管理しているようだ。長い列の最後尾に俺たちは並ぶと、前に人の会話が聞こえてきた。
「おいおい、聞いたか?何でも最近は魚の水揚げが減少してるらしいぞ?」
「え?マジかよ?!俺今日のニグロの競りに参加する予定だぞ!?これ以上値が上がったら卸先が離れて行っちまうぜ!」
「でもよぉ、漁場の近くにモンスターが出たっていうんだから仕方ないんじゃないか?」
「あ~、そりゃあれだな、国の退治まちだな。数か月はこの状態になるんだな・・・・」
そんな会話を話していたが、それ以外のいい情報は特になかった。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「だ~~~~~~!なんでこうなった!!」
「ちょっとケンゴ!もっと右!」
「ケンゴさん前から攻撃が来ます!」
「ちくしょー!釣りなんかするんじゃなかった!」
『戦闘に関するナビゲーションを行いますか?』
「勿論『はい』だぁぁぁぁ!」
『かしこまりました、戦闘で役立つスキル構成を行います。剣術スキル獲得しました、魔法スキルを獲得しました。身体強化・・・その他諸々獲得しました。』
「なんだその他諸々って!」
『めんど・・・各種取得しているため説明を省きます。』
「いまめんどくさいって言おうとしたよな!?ナビさん?!」
「ちょっとケンゴ!わけわからないこと言ってないで戦闘に集中して!」
「そっちに行ったら危ないです!よけてください!」
俺は今、ミアとエミリアとナビにやいやい言われながら水上をバイクで爆走している、モンスターに追われながら。
・・・・・
門番の前に来た俺たちは検査をされていた。持ち物検査に身分証明書の提示、この町に来た理由など細かいところまでそういえば・・・身分証明用のギルドの証をとるって言っていたのにすっかり忘れてったな。この町にギルドってあるのかな?
今回はなぜかエミリアが持っていたニーア家の紋章を提示したらすんなりは入れたけど・・・後で二人に行ってギルド行ってみるか。
「やっとついた~!ケンゴ、ミア~早く温泉いこ~!」
「エミリア、ここに温泉があるかまだ分からないでしょ?」
「とりあえず宿を見つけて少し休んだら探索でもするか?」
俺たちは町を見ながら宿を探すことにした、町は活気にあふれていて魚屋はもちろん八百屋、武器屋、雑貨屋、道具屋といろんな商店が立ち並ぶ。
「なぁ、この町にもギルドってあるのかな?」
「ギルドですか?大体の町にはありますよ。ナナミの町のように集落になるとあるかないかは別ですけど。」
「そっか、じゃあ俺ちょっとギルド行ってこようかな?」
「あ、そういえば案内するって言いながら行けなかったですね。」
「そうそう、だからさこの町でちょっと行ってこようと思うんだ。」
「私も一緒に行く~!報告もしないといけないからね!」
「「報告?」」
「あれ?知らないの?町によったらギルドで報告しなさいって言われてるんだよ?」
「だれに?」
「エミリア?そんな義務は冒険者にはないのよ?」
「え?だってママがそういってたよ?」
リアさん・・・あんた娘になって嘘教えてるんだ・・・たぶんあれだよな?ギルドを介して俺たちの動向を把握しようとしてるんだよな?別に隠すことじゃないからいいけどさ・・・監視されているみたいでちょとやだよな。エミリアには説明して報告はやめさせよう。
少し歩いいていると『クライス冒険者ギルド』という看板が目に入りその看板が付いている建物に向かって歩いて行った。ミアは左側にそしてエミリアがゲソ串のようなものをほおばりながらもごもご言っている。なんで食ってるのか聞いたら「ママに嘘つかれたからやけ食いしてるの」とわけわからないことを言っていた。
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