第20話 事件解決!
いつも読んでいただきまして本当にありがとうございます。
今回は少し長くなってしまいました、楽しんでお読みください。
シフの眠りの息吹で眠るルルを横目に俺はミアとエミリアにざっと話をした。
「えぇ?!そんなことになってたんですか!?」
「それで素材は集まったの?!ケンゴなら大丈夫っておもうけど・・・それになにそのモフモフ。」
俺の胸にすっぽりと収まっているシフを見てエミリアが目を輝かせた。
これは言っていいのだろうか?ヒポグリフから子供を預かったなんて言うことを、いいのだろうか?
「あら?この子ヒポグリフですよね?もしかして母親から渡されたんですか?!」
俺の胸からシフを取り出すとミアが代りに抱っこした。
「キュピー!」
「モフモフです。」
シフもミアに抱かれて喜んでいるようだ。それはそうとルルを何とかしないといけない、忘れていたわけじゃないし。ちゃんと覚えてるし!早速だけどミアとエミリアに女性の涙のことを相談することにした。
「というわけで後は女性の涙だけなんだ。」
「というわけでと言われましても…」
「そんなにすぐ涙なんて出ないよ?」
「そうだよなぁ・・・ルルももうすぐ目を覚ましちゃうだろうし、どうするかなぁ・・・」
ルルのほうを見ていると獣化が解け始めたのか徐々に体の大きさが元に戻ってきているようにも見える。トラの獣人ワータイガーとでもいうのだろうか、全身に毛が生えトラ模様がはっきりしていたが、毛も薄くなってきている。
「ケンゴさん、とりあえずですけどガレージの中で休ませてはいかがですか?」
「それもそうだな。」
俺はガレージを出してルルを中に運ぶ、簡易的なベットが休憩室にあったためそこに寝かせてミアとエミリアと話をする。
テーブルに着くとシフがちょこちょこっと俺に近寄ってきて膝の上にちょこんと座った。ういやつよの~と思いながらわしゃわしゃするとシフも喜んだ。
「それでどうするんですか?涙って・・・」
「そうなんだよなー・・・」
「わかった!ちょっとこれで私のことを切りつたら涙ぐらいですよ!」
「阿保か!こんな鋭利なもんでエミリアを傷つけることできるわけないだろ!」
エミリアは「はい!」っといいながらさっきまでルルと戦っていた剣を俺に差し出した。
「馬鹿なの?ねぇエミリアってバカな子だったの?ケンゴさんからも言ってください!」
「馬鹿とはひどいよ!私だって考えたんだから!」
「バーカ、バーカ!エミリアのバーカ!」
「ケンゴまで!」
あれ?なんかエミリアの目がウルウルしてる。これは・・・
ミアと俺はハッと顔を合わせてエミリアをさらに馬鹿にした。
「エミリアのぺちゃパイ!まな板ー!」
「エミリアの脳筋!」
「二人ともひどいよ!うぅ~!」
二人してエミリアを泣かそうとして罵声というかアホみたいなことを言いったけど、これってなんかエミリア可哀想だよな・・・
「ごめんねエミリア!私もうこれ以上エミリアの悪口いえない!」
「ミアァ・・・。」
二人して抱き合っていお互いが慰めあっていた、その時ミアとエミリアの目から涙が流れた。
「ケ、ケンゴさん今です!」
俺はミアに言われてとっさに近くにあった皿で涙を受け止めた。
俺はミアに『え?』っとした顔をした。
「うまくいきましたね!」
「ちょっとミア!?だましたの!?」
「だましてないよ?エミリアの涙でも私の涙でも同じでしょ?」
「う・・・たしかに・・・。」
俺は言いあう二人を見て思った、女の子って強いなぁと。
二人をぎゅっと抱きしめて俺はクスリの調合に向かう、勿論俺にはクスリの調合なんてスキルはない、だがここはナビさんの言うとおりにすればいいだけだ。いつの間にか俺の頭の上にシフが乗っかり、『キュピー』と鳴きながら寛いでいる。重くもないのでそのまま俺はナビの言うとおりに手を動かし薬が完成した。
匂いも無臭の液体薬、味の保証はありません。
時間がたって元の姿にほぼほぼ戻っていたルルを起こす。
「あ、あれ?ここは?」
「ここは俺の家みたいなもんだよ。そんなことよりこれ飲んでみて。」
俺はルルに薬を渡した。ルルは寝起きではあったが、俺の顔を見て不思議な顔をしていたが薬を両手でつかみごくごくと飲み干した。
「なんか・・・体が軽く合った感じがします。」
「よかった、もう大丈夫だよ。」
俺はルルの頭をなでるともう一度ルルを寝かせて二人のところに戻った。
「どうでしたルルさんのようすは。」
「うん、薬を飲んでもう一度眠ったよ。」
「ほんと二人とも意地悪!プンプンなんだから!」
「悪かったよ、でも起こったエミリアも可愛かったよ。」
「え?え?」
「エミリアばっかりずるいです!」
「ミア、君は魅力的だよいろんな意味で…」
「もう!ケンゴさんったら!」
「ごめんごめん、さぁ最後の仕上げだ。女将さんのところに行こうか。」
そう、最後の仕上げだ。
ルルが起きるのをまって俺たちは町に行くことにした。ルルにはすべて事情を話してあるし納得もしてもらった。村に着くとみんなが駆け寄ってきた、エミリアとルルの激しい戦いの音に起きたようだ。ルルの姿を見るといなや駆け寄ってきた。
「ルルちゃんは大丈夫なのかい?」
「ルルちゃん?!どうしたんだい!?」
「あんた!ルルちゃんに何したんだい!ただじゃおかないよ!」
町のみんながルルを心配している。人一人に対してこんな風に心配するなんて、本当に良い村だ。その中には女将さんもいた。
「ルル!大丈夫!?ケガはない!?」
「あ、女将さん。大丈夫ですよ、ケガはしてないです。」
俺は女将さんをなだめる様に声をかけた。
「なんでこんなことになったんですか!?ルルはルルは・・・」
「大丈夫ですから、とりあえず俺たちの部屋に連れて行ってもいいですか?」
ルルは皆に手を振ってあいさつすると俺たちと一緒に宿の中に消えていった。町のみんなもルルのことは心配だが女将さんも一緒とのことでとりあえず今は自宅に帰っていった。
「あの・・・それで、なんでルルがここにいるんでしょうか?大丈夫なんでしょうか?」
「え?その言い方だとルルがココにいるのは何かまずいんですか?」
「いえ・・・そうではないのですが。」
女将さんはさっと顔を横に向ける、その反応をみんな逃さなかった。
「ルル、いいかい?」
「…うん。」
「女将さん、なぜ俺たちに嘘の情報を聞かせたんですか?そしてなぜルルを知っているんですか?」
「それは・・・」
「俺はあることを仮定といて考えてみたんです。なぜ女将さんは犯人を知っていながら俺たちにすぐ分かるような嘘をついたのか。ルルの両親は人間に連れ去られたというウソ、そして事件で殺人が発生したというウソ、それはルルを守るためですね。」
「・・・はい。」
「ちょっとケンゴどういうこと?」
「この町全体のみんなもルルを心配していただろう?多分俺たちがこの町に来てしまったことと俺が朝散歩で町の中を歩いてしまったのが原因だと思ったんだ。」
俺はルルのほうを見てルルにシフを渡した。和んでくれたらいいなぁとと思うのとシフのモフモフで癒しを与えたかったからだ。案の定シフをモフモフするルルの顔は少し微笑んでいた。
「たぶんだけど俺たちのような冒険者はこの町にもたくさん来ていたと思う。でも滞在が一日二日で何事もなく過ごして旅だったからこの事件はみんな知らなかったんだと思う。ただ俺たちはいや、俺は朝散歩してしまった、たったこれだけのことで他の冒険者とは違ったんだ。」
「散歩しただけでですか?」
「そう、ミアもエミリアもあの日は朝旅館から出ていないだろ?」
「そうですね、気が付いたらケンゴさんがいなかったので心配しましたそれに女将さんから事件の話を聞きましたし…。」
「そう、なんで女将さんはミアとエミリアに話をしたのか?なぜ事件の話を傷害事件や殺人事件とはなした?そしてなぜ俺がいる場所に女将さんが現れたのか。不思議で仕方なかった。」
「・・・」
「不思議だったのは女将さんがあの霧で事件のことも知っているのにもかかわらずすごく落ち着いていた。もし本当に傷害事件や殺人事件が起こっていたら女将さんはもっと慌ててくるはずだ。にもかかわらず女将さんは落ち着いていた。」
「結局どういうことなの?私わかんないんだけど。」
「あわてるなエミリア、多少なりとも傷害事件は起きたんだと思う。そして、その事件を起こしたのはルルなのは間違いない。」
「ルルは悪くないんです!悪いのはわた・・・」
「そうです、ルルは病気だったのでルルが悪いわけではない、ただその病気の直し方も知らないし発見されていない未知の病気だ。女将さんは傷害事件が起こったときにその病気のことを知ったんだと思う。そして町のみんなに協力してもらってルルの素性を隠すことにしたんだ。」
「・・・」
「ケンゴお兄さん・・・もう。」
「大丈夫だよルルもう終わるから。女将さんはこの病気のことを以前から知っていたんですよね?だって同じ獣人なんですから。」
「「「え?!」」」
「えぇ・・・知っていました。」
「だから治せないないことも、治らないことも知っていてあの山にルルだけの小屋を建ててもらって食料は女将さんが無くなるころに届けていた。そうして被害が出るのを最小限というよりも無くす事を目的にしたんだ、そんなときに俺たちが来てしまった。」
「・・・はい。」
女将さんの顔は暗くうつむいた状態で返事をしている。
「女将さんが俺たちに嘘の情報を話したのはあの日もしルルが霧に乗じて俺を襲ったらという事とその話をすればすぐに旅立つと思ったからじゃないかな?そうすれば今まで通りルルのことを隠すことができる。だけど女将さんの思惑とは違う動きをしてしまった。女将さんは焦った、もしバレてしまったらルルが本当に討伐対象となってしまったらと。だからとっさに俺たちにルルのことを頼んだんだと思う。自分たちではどうすることもできないという事をわからせようと。」
「そうです・・・ずべて私が勝手にやったこと。」
「じゃあ、これも俺が勝手にやったことですね。女将さん、ルルの病気はもう治りましたよ。」
「え?!」
女将さんは顔をバッと上げて俺の顔を見る。その眼には涙が浮かんでいた。
「そういう・・・こと・・・ですか?」
「ルルの病気は俺が作った薬で治りました。だからもう心配することはないんですよ、傷害事件も殺人事件も起こらないし、今後は一緒に暮らすことができるんですよ、ルルのお母さん。」
「なぜその事を、それよりも治ったって・・・あの病気は獣人の誰でも母や父から教わり治せないと・・・」
「ママ?・・・本当に・・・ママなの・・・?」
「ルル・・・」
「希少すぎる獣人がこんな小さな村に二人もいるなんて親子としか思えないでしょ?と考えたんですよ。」
「ケンゴさんはすごいですね。本当に申し訳ありませんでした。そうです私たちは親子です、旦那はトラの獣人でした・・・それが数年前にルルを連れて出かけて以来戻ってきませんでした。そして数年後大きくなったルルがこの町に戻ってきたんです。私はすぐにルルのところに行きました、そして町の人とルルが話をしているのを聞いてしまったんです。
『ルルちゃんっていうの、ご両親はいないのかしら?』
『うん、パパもママも悪い人に連れていかれっちゃった…』
その言葉を聞いて私は名乗り出ていいのかわかりませんでした・・・だから陰からずっとルルを見守ってきたんです。そしてあの事件が起こってしまった、だから私とルルのことを知っている一部の人に協力してもらってずっとルルを隠してきたんです。」
「ママ・・・ママァァァァ!」
ルルは女将さんに抱き着きワンワン泣いた、ミアもエミリアも女将さんもこれでもかっていうくらい泣いていた。こうしてナナミ村の事件は解決した。事件につかれた俺たち三人は女将さんの好意もありその日はぐっすりと宿の部屋で眠ることにした。途中でシフが俺の顔に張り付いて息切れで死ぬ思いをしたがモフモフを抱きしめたらぐっすると眠ることができた、
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