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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた
11/56

第10話 ゴール

遅くなりました・・・


すみません・・・海行きたかった・・・

ガム関所で騎士団の二人に挨拶をした俺はゴールに向けて走り出す、もうすぐバメルともすれ違うはずだ。

レースの中継はガム関所でも行われた、先行している俺のことを実況しているはずだ。グレンの罠がまたあるのかもしれないけどそんなこと気にしていられない残り半分、気を引き締めて走り抜ける。


ビオ渓谷の中腹まで差しかかかると遅れてきたバメルとすれ違う、バメルは一瞬こちらを見るとニヤッとわらう。それは嫌な笑いではない、むしろ好敵手として認められたのかと思うような決意に満ちた笑いだった。俺も気を抜くことはできないな。ガム渓谷をスピードを落とすことなく走る、タイヤが土煙を巻き上げて高速回転する。バメルが追いついてくる気配は一向にない、ここで手を抜くのは相手にとって失礼だ。


そんなこと思って走っていると渓谷の出口が見えてきた、グレンの罠はここにはなかったようだと思いつつスロットルを開けようとした瞬間にものすごい地響きとともにV字の谷が大岩でふさがれた。


「こ、これは・・・」


目の前が急にふさがれ俺は横スライドで急停車する。こんな停まり方、日本でだってやったことないぞ、よく停まれたな俺。


ふさがれた渓谷を通るために抜け道を探すが見当たらない。立ち往生していると後方からバメルがやってきた。


「なんという事だ・・・・」


バメルも目の前の光景をみて足を止める。


「これではレースの続行は無理だな。」


「そうですな、ケンゴ殿との勝負はこれから拙者が追い抜いて勝利するという筋書きであったが…」


そんな話をしているとバメルが岩の隙間に抜け道を見つけた。おかしい、さっきまであんなところに道はなかったはず・・・


「これでレースが続けれますな!ケンゴ殿お先に失礼する!」


バメルは見つけた隙間を通り先に進む、俺もその隙間を通ろうとしたがバメルが隙間に入った瞬間に入り口が崩れ落ちる。


「おかしい・・・それにわずかだが魔力を感じる。ッてうか俺なんで魔力なんか感じれるんだ?異世界だからか?」


俺はこの状況をどうにかして脱出するため頭をフル回転させる。


①穴を掘る・・・どれぐらい分厚いのかわからないから無理じゃね?


②乗り越える・・・モトクロスでもないし俺にそんな技術はない。


③飛ぶ・・・却下。死ぬ。


④壁走り・・・映画やマンガじゃあるまい・・・お?あれ?行けんじゃね?


スキルでタイヤ下道路整備があるし、乗り越えることもできそうだが壁走りやってみたかったし。そう言って俺はがれきから少し後ろまで戻り十分な助走をつける。前輪をブレーキで固定して後輪をから回しする。

始めてやる大技、もうやるしか勝利はない。回転数が十分に上がったところで前輪を開放する、ものすごいGとともに前輪が浮く、完全にウィリー状態だ。俺は上体に力を入れて無理やりウィリーを抑える、前輪と後輪の両方が地面に着く、ウィリー状態では満足に出なかったスピードがうまく乗ってくる。俺はそのまま壁に向かって斜めから入っていった。スピードメーターは見ていない、実際にどれくらいのスピードが出ているかわからない、どのくらいのスピードで成功するのか見当もつかないが迷わずつっこむ。道と壁の境目に差し掛かるとスキルを発動させる壁がアスファルトになる。スムーズに壁を上りだすバイクに安心した、遠心力使ってトンネルの壁を走る映画や漫画を思い出し俺は一気に壁を走り抜ける。


「成功した、マジ怖かった!やったぁぁぁぁぁぁ!ってそんな場合じゃねぇ!」


俺はそのままのスピードでバメルの後を追う、無我夢中でもうどれくらいのスピードで走っているのかもわからない、周りの景色がスローモーションのように過ぎ去っていく。あ、この感覚見たことがある・・・高速で出した最高速の時の景色だ・・・そうかそんなスピードで走っているのか。

目の前にバメルが見えたが一瞬で過ぎさる。もう遠慮はいらない、俺はさらにスロットルを開く、ビオ渓谷を抜けマルス湖を走りさるそしてギザ渓谷を最高速で抜けて俺は町に着くと目の前にゴールが見えた。


猛スピードで駆け抜けたから罠があったかどうかなんてわからないしそんなの知らない、目の前には町がみいえている。あとはもうゴールするだけと思いきや目の前に誰かが立ちふさがる。


「キッサマァァァァ!なんでお前がバメルより前にいるんだ!」


現れたのはグレンだった。


「お前はまけるんだぁぁぁ!はははは!死ねぇぇぇぇ!グランドウェーブ!」


グレンが手を前にかざすと魔法が発動し地面が波打ち俺の方に向かってくる、俺は町が目の前に来ていたのでスピードを緩めていた。あのスピードで突っ込んでいたら間違いなく吹き飛んでいたな。俺は迂回して波が来ないところを目指す。


「よけるなぁぁぁ!くそがぁぁぁ!」


グランドウェーブ、フレアサークル、アイスタワーなどの魔法を繰り返し俺の妨害をしてくる、こいつ馬鹿なのか?バメルが来るまで魔法を撃ち続けるのか?っていうかこれ全部放送されてるんだろ?いいのかこいつ?など思っているとグレンがその場でぱたりと倒れた。


「ク・・・グゾォォォォ・・・」


魔力枯渇によってぶっ倒れたようだ。俺はグレンをそのままにしておくのもなんだか合われすぎたので更に哀れになるようにグレンの横にバイクを止めた。


「これ・・・やるよ。」


俺は魔力回復薬を倒れたグレンの顔の目の前においてやった。そして哀れ目をして少し眺めてからその場を立ち去った。グレンの叫び声がこだましながら俺は町のみんなの完成に消されたグレンをさらに哀れみながらゴールした。ミアとエミリアが駆け寄ってきて俺に飛びつく。


「ケンゴさん!絶対に勝ってくれると信じてました!」


「ケンゴ!やっぱりすごいな!そのバイクって乗り物は!それにそれに平然と乗れるケンゴも人間じゃないね!」


「ミアありがとう!これでミアは俺と一緒に行けるな!エミリア!それは俺のことをほめているのか!?」


「ケンゴさん・・・私はもうケンゴさんのものなんですね。」


「な!?ミアは何で顔を赤らめながら変なこと言ってるの!?」


「ミアズルい!私だってケンゴのものだし!」


「エミリアまで何言ってるの!?」


「「不束者ですが末永くよろしくお願いいたします」」


町のみんなが大騒ぎで祝福している・・・あれ?これってもう言い訳もできないし逃げることもできないいよね?なんかおめでとうとか、羨ましいぞとか、泣かせたら殺すとかいってるよ?どうする?まだ逃げれるの?あ・・・モニターに俺とミアとエミリアが映ってる…詰んだ。


「こちらこそよろしくお願いいたします・・・・」


こうして俺は異世界で嫁が二人で来た・・・じゃなくて!レースが終わったんだよ!みんなに祝福されて4時間後にバメルが町に帰ってきた。


「いやはや、完敗ですな!」


「バメルさん!」


「拙者は馬には自信があったのですがまさかここまで差をつけられるとは、これではこの国最速はもはや名乗れませんな。」


バメルはすがすがしいほどの笑顔で俺の勝利をお祝いしてくれた。そしてもう一人俺に近づいてくる人物がいた。

ニーア・ホルス公爵その人だった。


「初めましてケンゴ君勝利おめでとう。」


「ありがとうございます。」


「け、ケンゴさん公爵様ですからそんなお言葉使いは。」


「はっはは、ミア君気にすることはない。堅苦しいのは私も好きではない。ここにいるものみな普段通り接してくれて構わん。」


「あ、ありがとうございます。で、公爵様が何の御用ですか?」


ニーアはニヤリと笑うとケンゴに顔を近づける。


「うちの娘をたぶらかした奴の顔をこの目で見てやろうと思ってな。」


どすの聞いた低い声で俺をにらんでくる。


「こ、公爵様の娘さんをたぶらかしたりしませんよ!」


「嘘をつくなケンゴ!俺の目にも耳にも貴様のことは届いているんだぞ!」


「ほ、本当に知らな・・・」


俺が誤解を解こうとしたときにニーアの後ろからニーアの頭をスッパーン!とハリセンのようなものが通り過ぎた。


「なにしてんのよパパ!」


エミリアがハリセン片手にニーアをにらみつけていた。


「エミリアたん?!パパになんてことするんですか!」


「「パパ!?」」


俺とミアは目をカット見開いてエミリアを見る。


「もー!やめてよ!ほんとに!」


「だって私の可愛いエミリアたんが家に帰ってきたとたんにいきなり結婚しますとか旅に出ますとか、しかも相手は何処の馬の骨かもわからないし!一度もあったことないし!やだやだ!パパやだ!エミリアたんは一生パパといるの!」


「ちょ、パパ!」


「あのー、お話のところすみませんが。」


「なにかねケンゴ君?」


この人身代わりがはぇな…


「あの、エミリアが公爵様のご令嬢様だといましったのですが・・・」


「え?」


「え?」


「エミリアたん?話していなかったのかい?」


「してないよ?だってパパの娘とか恥ずかしいし。」


「・・・・(´;ω;`)」


ちょ!エミリア言葉選んで!ニーアさん泣いてる!


「公爵様!エミリア様はとても気立ての良い娘様です!そのような娘様に育ったのも公爵様の素晴らしい教育のお陰だと思います!」


「よくわかっているじゃないかケンゴ!お前後でウチの屋敷に来いママにも合わせてやる。」


「ちょっとパパ!勝手なこと言わないで!ママならそこにいるし!」


そっとエミリアが指さす方を見るとエミリアに似た女性が一般市民の洋服を着て立っていた。


「あら?バレちゃったかしら?」


「バレバレだしママ。」


「あなたのお婿さんをばれないように見てみたかったのよ。」


「お婿さん!?俺もうそんな段階にいるの?!」


「さっき結婚宣言してたじゃない、ウチの娘をよろしくお願いいたしますね。」


「え!?そんな簡単にいいんですか!?」


「いいも何も娘が決めた殿方ですし・・・それにあんなのより貴方のほうが全然信用できます。」


ママさんが目を向けた先には縄でぐるぐるに巻かれたグレンとその一味がお縄についていた。


お読みいただきありがとうございます。

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