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ペルグランデ・オンライン  作者: リアン
暗雲広がる世界より
12/38

初心者用ポーション


ペルグランデ・オンラインに戻ってきた私はある発見をした。

ゲルニールは町としての機能は失われていなかったのである。

ログインした私は最後に位置セーブしたゲルニールの宿屋に戻ってきたのだが、戻ってきたということはまだ位置セーブできる可能性があると思い、廃墟となった宿屋に浮いている火の玉、もとい魂に話しかけたのだ。

するとどうだろう、声こそ聞こえはしないものの、目の前にウィンドウが開かれ、泊まるか位置セーブをするかを聞いてきたのだ。

試しに武器屋へいって同じことを試したが、やはりウィンドウが開かれ買い物をすることができた。


装備のエンチャントが体装備しかできていなかったので少しほっとした。この町特有のエンチャントである可能性が高いからだ。それに効果も自分のステータスに合っている気がする。


私はそそくさと道具屋で初心者用ポーションを買いあさり、レベルを上げるべく町の外へ向かった。


初心者用ポーションはなかなか優れものだ。回復量こそ普通のポーションの半分程度であるものの、値段が1/10なのだ。その代わりレベル30までしか使うことができないらしい。初心者育成用というわけだ。



ゾンビやスケルトンではレベルが上がらなくなってきたが、もう少し強い敵、少し緑掛かったゾンビ、グールや、鎧を着たスケルトンソルジャー相手となるとSTRが初期値の攻撃では倒すのに時間がかかってしまう。

死者の煩慮と死者の慕情のおかげで危なげないのは助かるのだが、やはり攻撃力は大事なのだろうか。


そんなことを考えながら減ったHPを見て初心者用ポーションを一つ、アイテムインベントリから取り出した時だった。


「あ痛っ!」

スケルトンソルジャーから不意打ちを喰らい、初心者用ポーションを落としてしまった。

落ちた初心者用ポーションは瓶が割れ、地面に広がった。


「おんや??」


どういうことだろう、地面に広がった初心者用ポーション、その上を踏んだスケルトンソルジャーが苦痛の声を漏らす。


「おやおや?? 君たち……ひょっとしてこれ、痛いのかな?」


良いことを思いついた。

私はモンスターの沸きがいいポイントを探して初心者用ポーションを地面に撒いた。

アンデッド系モンスターはどこからともなくやってくるものも居れば、墓地や棺桶から這い出てくるものも一定数いる。すなわち、お墓の多いところ!

そして初心者用ポーションは地面に撒くと3分程そのまま残ったのちキレイに消える。


するとどうだろう、いつも通り戦っているが、モンスターの殲滅スピードが格段にあがった。

初心者用ポーションを消費するものの、安価なのでドロップ品を売ればおつりがくる。


「これ、私の攻撃より効いてる気がする……」


アンデッドにダメージを与えることができる『聖水』なるものも道具屋に売っていたので試してみた。

確かに効く。段違いに効く。効くが初心者用ポーションとは比較するまでもなく高い。それにいったん撒くとアンデッドが寄り付かなくなってしまった。


私はにまりと笑い。アンデッドを狩り続けた。





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