巨大な世界
濃い1日だった。フルダイブVR恐るべし!
結局夕食も食べず、夜中の2時までペルグランデ・オンラインをプレイし、親にしこたま説教され、フルダイブシステムを購入したこともばれて母親の通販に小一時間ほど使われ。
そして全っっ然眠れない今現在すでに朝4時。
何よりシアの笑顔を思い出すと……。ヴヴヴヴ、眠れない!
こんな時は校長の長いのんびりしたスピーチを思い出しながら……ZZZZ。
いや、だめだ、大事な使命がある!
原田さんの机の落書きを消さなければ!
今日は睡眠を諦めた。
朦朧とする頭で登校し、今日も原田さんの机の落書きを消す。
そして今日も「おはよう」を返すことは出来なかった。。。
原田さんはというと、相も変わらず一人でお弁当を食べ、机に突っ伏している。
そして私はというと、…………爆睡した。
目立たずを信条にしてきた私が授業中に爆睡したのは生まれて初めてだ。
授業中、前の席の佐藤太郎がずっと右のお尻が椅子からはみ出るほど右寄りに座っていた。
隠してくれていたつもりだろうか、やさしいのだろうか、そしてアホなのだろうか。
帰宅するとプレイする前に少しペルグランデ・オンラインについて調べてみた。
リリースは今年の年始、つまりはリリースからもうすぐ半年が経とうとしている。
立ち上げたのは日本の無名のゲーム会社『テクノ・アーク』。
何も広告を打たず、しかしそのクオリティの高さとコンテンツの豊富さに口コミで話題になり、たった数か月でフルダイブ型MMORPGで世界最多の登録者数を獲得した。
次の夏休みにはきっとさらに多くのプレイヤーが参入するだろうと言われている。そのプレイヤーの大半は日本人だ。
残念ながら世界ではMMORPGというジャンル自体がそれほどまでに人気がなく、FPSや格闘ゲームに取って代わることはなかった。
何より特筆すべき点は、ペルグランデ(巨大な)となずけられたこのゲームの、その名の通りの巨大さ。
未だにその全容が明かされていない。マップの端が見つからないのだ。
私が見つけたシークレットクエスト等も、見つけた本人に取得条件が明かされない。
攻略サイトがただの検証サイトと化しているのはそのためだ。
試しに『死者の村ゲルニールへの招待』を検索してみたが、何も出てこなかった。
あまりゲームをやらない私が徹夜してしまう程だ。
目的を忘れているわけではないが、少しわくわくしてしまう。
今日はどんな冒険が待っているだろうか!だが私は知っている!…………アンデットちゃん達だ。
「フッ」
と自分を軽く鼻で笑いながらヘッドギアを被り、ペルグランデ・オンラインを起動する。
今日は短くてスミマセン。ゲルニールのお話は一気に読んでいただきたく、三話連続投稿しました。
ブクマしてくださっている数名の方、本当にありがとうございます。
初めてブクマの数字が0じゃない画面を見たときはめちゃくちゃ嬉しかったです。
何度も見返してしまいました。
今後ともよろしくお願いします。
ちょくちょく過去投稿に編集入れてますが、改行や誤記修正です。内容に大きく変更はありません。