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冴えない猫耳の英雄伝  作者: 長門零
7/26

7話

朝に投稿したので、おはようございます。7話です。

学校の方はもう終業式を迎えます。これから春休みです。追認講座が来なければいいのですが…。

「あんたは人間についてどう思うの?勿論、客観的に見て。」


魔王は紅茶をクイッ、と飲み干す。


「私は…、」


ハクはゆっくりと語り出した。


「人間、馬鹿だとやっぱり思う…、思います。」


「タメ口でいいわ。やりづらいでしょう?」


「では。…私の村にも、テレビは通るわ。それ見てると、本当に馬鹿みたい。人類存亡の危機なのに、他人事のように騒いで、他人事のように戦争して、他人事のように平和とかを叫ぶ。

…馬鹿そのものだと思う。やっぱり。」


「ほほう?」


「人間は痛い間に合わないとわからない。でも、この頃は痛い目にあっても変わらない。人間、平和ボケして退化したみたい。」


「確かに、ね。」


魔王は両手を広げる仕草をした。


「私は人類が生まれる前から世界を見て来たわ。みんな、懸命に生きて哀れに死ぬ。人間も貪欲だったけど、あの頃はまともだったわ。

でも、同類を意味なく殺して、知性を振りかざして横暴して、どんどん弱くなっていったわ。

野生を忘れ、残されたのは臆病と貪欲だけ。」


「でも、いい人もいる。」


魔王はクスリ、と笑った。


「ほんの一握りよ。一握りの善人は、あっという間に飲まれてしまうわ。」


「うん。でも…、

私はその一握りの希望に賭けたい。…かな?」


ハクは僅かな決意を持って言った。魔王はあざあるように笑う。


「賭けて、どうするの?あんたはその一握りの為に、他の悪人も救う気?」


「他の悪人も救う事になっても、見捨てるよりはマシ。私は選ぶ凡人より、公平な善人でありたい。」


ハクの真っ直ぐな目に、魔王は決めた。


「良いわ、力を貸してあげる。ほんの少しだけ、ね。」


魔王はそう言うと、紙を取り出し何かを記し始めた。


「私は戦闘は嫌いよ。そもそも苦手だし。でも、この世界の法則に手を出す程度は出来るわ。もし、貴方が危なくなったりしたら助けてあげる。まずはそれでOK?」


「良いの?人間が嫌いなんじゃないの?」


「嫌いじゃないけど、ただ腹が立ってるだけ。

それから、これ。」


魔王が紙を手渡した。そこには名前と、ブリテンの文字。


「私、裏の名前があってね。そっちの方だと有名人なの。これを門番に渡して頂戴。そしたらあっと驚くはずよ?

ま、きっと力にはなってくれるわね。」


そして魔王はニカっと笑ってみせた。


good luck(幸運を祈るわ)!」




そして、ブリテン王都、王宮正門。モケはまたしも離脱…、

していなかった。なぜか今回はシモンとともに付き添っている。


「ブリテンなんか、くるような人生歩んで無いんだよな〜。」


「モケ達はロシア戦線を果敢に攻めたモケね。ブリテン兵とは戦わなかったモケ。」


「挙句モケは死んじまったし、私も吹き飛ばされた!はは、ザマァ無いな。」


「そうなの?」


「ああ。モケは表で暴れて、その隙に私が狙撃してこっそり仕留める。このコンビ強かったぞ〜?」


「モケェ。あの頃が懐かしいモケェ(´-ω-`)」


と、そうしている間にマホトとマーリンが門番に紙を渡した。


「あー、この人の推薦で来たの。通してくれる?」


門番は紙を見て驚いた顔をし、敬礼した。


「は!案内をお呼びいたします。暫しお待ちを!」



門番は急いで王宮内に向かう。しばらくしてスチームパンクな服を着た少女が来た。


「お待たせしました。案内人兼、使用人のニケです。こちらに。」


ニケはそう言うと王宮内に戻る。


「あんた達、来なさい。」


これを聞いたハク達は、急いでマホトと合流しにかについていく。



王宮内は思っていたよりも広かった。


「ねぇ、あの武器。」


「ん、あれ?」


ハクがニケの背中の武器を指差す。


「鎌、みたいね。でも、刃が無い。」


「ああ、この鎌ですか?」


ニケが振り向く。


「この鎌、メーザーの技術が使われているんです。使うときにメーザーの刃を出すんです。

私達親衛隊はみんなメーザーの武器を使っているんです。」


「なに?SS(親衛隊)?」


ニケは苦笑いした。


「ああ、言ってませんでしたね。失礼しました。」


「SSかぁ〜、懐かしいモケ。モケもSSに呼ばれたことあったモケ。」


「そうなの?」


モケは頷いた。ニケが話しかける。


「皆さんは、好きな食べ物とかありますか?

…ああ、まだ目的の部屋まで距離があるので、少し。」


「私はヨ〜グルトかな?」


「確かに、美味しいですよね。ヨーグルトって。何とも言えないあの味…!

ああ、失礼しました。そちらの魔道士の方は?」


「私はクッキー。」


「私もよ。クラッカーも守備範囲で。」


「へぇー、少し意外です。でも、言われてみればそんな雰囲気はありますね。

…ああ、着きましたね。こちらです。」


「「(´・ω・`)」」


不運にも聞かれなかったモケとシモンに気づかず、ニケはドアをノックした。


「閣下。例の方達を連れて来ました。」


ニケはそう言うとドアを開けた。

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