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冴えない猫耳の英雄伝  作者: 長門零
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4話

こんにちは、4話です。

実を言うと私はまだ学生ですので、更新ペースが乱れます。今日までは受験休みでしたので。

受験勉強で溜め込んだ知識は、受験が終わるとあっという間に消えますよね…。

「嫌…、来ないで…!」


地獄と化し始めたロサンゼルス。もはや海を望んだスロープタウンの面影は無かった。


「嫌…、こんな…、ところで…!」


イグアナの様な、醜いモンスターが、少女に襲い掛かろうとしたその時。

空から風邪を切る音、同時に金切り音が響き渡る。次の瞬間、イグアナのゴツゴツとした背中で血飛沫が上がる。


「…え?」


少女は音のした方角を向いた。そこには、蒼く塗装されたF16がいた。




「ああっ!…もうっ‼︎」


ソプラ・ローズベルト空軍最上級曹長は、F16のコクピットの中で苛立ちを隠せずにいた。


「各機、陸軍が到着するまで時間を稼いで!それから、対空警戒も厳密に!」


[Roger(了解)]


機体を傾け地上を見る。逃げ惑う住民を執拗に追い回すモンスターを確認した。


「お姉ちゃん!真下の一匹をやるよ!」


[オーケー。私から行くぜ。]


ソプラの後ろの機が降下をはじめ、ソプラもそれに続く。

僚機が機銃を放つ。ソプラもトリガースイッチを押す。ありったけの機銃を受けたモンスターは、その場に倒れ込み、動かなくなった。





「空軍が奮戦している!今が好機だ!」


撃ての号と共に戦車が砲を放つ。砲の直撃を受けたモンスターは血肉を吹き飛ばし次々と討伐される。


「私要らなかったんじゃないの?」


ハクはそれを見て、マーリンとマホトに皮肉を込めて言った。マーリンは冷や汗をかいているが、マホトは表情を変えることなく言った。


「これは只の雑魚よ。もっとでかいのがいるはず。だって…、合衆国艦隊が全滅するくらいよ?」


そう言ったまさにその瞬間、海から激しい水飛沫が上がるが見えた。高さにして、100mは有る。


「来たわ。あれが本命よ。」


水飛沫は収まり、やがて山の様な影が登って行く。それはどう見ても飛竜だった。

典型的な飛竜の形をして、それでいて流線型のフォルムを纏った、正に水空両用の完璧な生命体。ハクはそれに、ただ息を呑むしか無かった。


「ぜ…、全車撃てーっ‼︎」


戦車隊が砲撃をするが、まるで効果が無いように見えた。と、飛竜が火を吐いた。


「まずい!」


マホトが指を鳴らす。するとハク達は影もなくその場から()()()

直後火の直撃を受けた戦車が3、4台吹き飛ぶ。


「…危なかったわ。」


先ほどとは全く違う地点で、ハク達はそれを見た。


「…今の、何?」


「ああ、今の?」


マホトは自慢げに笑ってみせた。


「私の第1空間魔法陣、[亜空間転移]。ま、俗に言う瞬間移動(テレポート)よ。」


「ああ、なるほど。

…それはそうと、アレをどうするつもり?」


「倒す。あなたが。」


「はあ⁉︎あんた正気⁉︎まだロクに実戦経験してないのに⁉︎

見てよあの竜、今にも飛びだそうに羽バタバタして、しかもボーボー火を吹いて鉄の戦車を蹴散らしてる!どう見ても無茶よ!」


「当たらなければどうと言うことはない、何処かのアニメのキャラが言ってたわ。」


「当たる当たらない以前に、近づけないわよ!あんなの、飛ばれたりしたら問題外よ!」


「そうね。でも、一回しがみつきさえすれば良いでしよ?」


ハクはマホトがやろうとしていることに気がついた。


Good luck(幸運を祈るわ)!」


マホトが指を鳴らした瞬間、

ハクは飛竜の脳天の更に真上にいた。ハクの身体は重力を感じ、そのまま荒れ狂う飛竜の頭目掛けて落下する。


「トオォォォォォォォォォォォォオウ⁉︎⁉︎⁉︎」


咄嗟にダガーを抜き、飛竜の頭に強く差し込む。飛竜の逆鱗に触れ、飛竜は暴れまわり始めた。


「あわわわわっ‼︎」


必死にしがみつくが、遂に吹き飛ばされてしまった。

受け身を取り、咄嗟に体を起こす。が、飛竜と目が合った。


(ああ…、これはマズイ…。)


飛竜の口からは炎が漏れ出ていた。ハクの脳裏を、走馬灯がよぎる。

飛竜の口から炎が吐き出された…!


「ハクっ‼︎」


と、その射線上にマーリンが躍り出た。そして、


「擬似第2空間魔法陣、展開!」


マーリンが手を向けると、そこにバリアが形成され、炎を打ち消した。


「…え?」


「間に合った…。」


マーリンが息をつく。


「勇者を守るのが私の使命だからね。

さて、ブサイクな竜、私の障壁を砕けるかしら?」


飛竜がなおも炎を吐き出すが、全て打ち消される。飛竜は急接近し、爪で障壁を破壊しようとする。

すれ違いざま、飛竜の爪は想像よりも鋭利で、マーリンの障壁は砕けてしまった。爪がマーリンの顔を掠める。


「嘘っ⁉︎」


マーリンが振り向く。飛竜は空を飛び、空から今にも襲い掛かろうとしている。


「どーすんのこれ、完全に手のつけようがないわよー。」


「えーっと、うーんと…。」


ボムッ!

飛竜の身体が爆発し、吹き飛ぶ。仕留めてはいないが、飛竜の注目が逸れた。


「この竜め、私が相手してやる!」


蒼いF16が飛竜目掛けて次々と攻撃しては身を翻す。


「…とにかく、今は引きましょう!」


ハクとマーリンは駆け出した。

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