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冴えない猫耳の英雄伝  作者: 長門零
2/26

2話

ぼちぼちやってます。ぼちぼち進めてます。

音フェチなので、耳かきボイス聴きながら作業しています。おすすめがあるなら、そちらもご紹介願いたいです…。

「空前絶後の!モケウチ・モケェ!!

アイヨッ!に生き、

アイヨッ!を愛す超絶アイヨッ!!

アァァァァァァイヨォォォォォォォォッ!!(=゜ω゜)ノ」


突然現れたモケという女(?)は、右手を上げて自慢げにアイヨォッ!をする。



「あー…。その、アイヨってやつは何?」


「アイヨォッ!はアイヨォッ!なんだお。それ以外のなんでも無いんだお。(´・ω・`)」


マーリンは深くため息をついた。


「…で、まぁ。私たちは世界平和の為に旅に出てるの。」


「え、そうだっけ。」


「…とにかく、あなたにはできれば仲間になってほしいの。どう?」


「アイヨォッ!!(=゜ω゜)ノ」


「やった!」


モケは快く了承した。




今さらだが、大災厄の被害をここで説明しなければいけないと思う。

それは西暦最後の年。イースター沖東に15㎞、高度700付近に現れた[天使]を中核に発生した天災だ。

核爆発の数倍のエネルギーが放たれ、地殻は乱れ、海面が下降し、人類は70億からわずか30億と半数にまで減らされた。

代わりに現れたのが魔術と、異形と呼ばれたモンスターの類である。モンスターの中には中立の者もいれば、人類に敵対する者もいる。モケはゴースト系のモンスターで、比較的に友好そうである。

また、残された人類も僅かな例ではあるが、[獣化]と呼ばれる現象が発生してしまっている。

ハクや、兎耳族がその一例だ。



「車があれば楽なのに…、電波障害で車が呼べやしないわ…。」


マーリンが愚痴をこぼす。対してハクは楽しそうだ。まるでピクニックに出かけた子供のように。


「別にいいんじゃないの?そんなことよりお腹すいた。なんか無い?」


と、モケが反応した。黒いコートの裏から、紐で結ばれた豚足を取り出した。


「モケ様お手製〜、シュバイネハクセ〜!」


「おおっ!」


シュバイネハクセ。ドイツ料理で、ローストした豚足である。本来家庭料理だが…、


「モケの非常食モケェ。」


との事であった。マーリンとハクはシュバイネハクセに食いかかる。ほのかなニンニクの香りや、マスタードの辛味が絶妙に広がる。


「美味しい!」


マーリンが声を上げた。ハクは夢中になっている。そんな2人を見て、モケは素直に喜んだ。


「アイヨォッ‼︎(=゜ω゜)ノ」


静かな森の中、静かに過ぎる時。この平和が危うい事なんか、誰が予想できるものか。

と、ハクが沈黙を破った。


「そう言えばモケ。あんた、幽霊よね?」


「アイヨォッ‼︎(=゜ω゜)ノ」


「幽霊は、食事する必要あるの?」


「アイヨォ?(゜ω゜)ノ」


「もし食事の必要が無いなら…、なんで豚足持ってたの?」


「モケは元々生きてたモケ。その時に持ち歩いてたモケ。」


ハクは恐ろしい事に気がついた。


「あんた…、死んでどのくらいだった…?」


ハクの腹を、腹痛が襲い掛かろうとした。モケはとぼけた顔でこう言った。


「かれこれ、夏を15回数えたモケェ。」


それが、トドメとなった。





ハク、

ハク!

そこにいるんでしょう?ハク!


…だれ?


誰でもいいでしょう?


良くない。あんた誰?


じき会うことになるわ。

ハク、そんなところで立ち止まってはダメ!しっかりして!


無理。お腹痛い。…あれ?


あなたの腹痛がどうしたの?そんなもの、関係無いじゃない。

ハク、今はあなたが頼りなの。起きて、ハク!





「夢…?」


辺りはすっかり暗くなっていた。マーリンが火魔法を使って、焚き火を焚いている。モケはその火で、どこからか調達してきた豚肉を焼いている、


「あら、起きたの?」


ハクは腹を抑えながら、ゆっくりと起き上がる。」


「お腹、治ってる…?」


「ええ、そうみたいね。途中から顔色良くなってたから。」


マーリンは苦笑する。


「私は友達が作った護符で助かったけど、ねぇ…?」


その苦笑の矛先はモケに向けられていた。


「モケぇ?(´・ω・`)」


「モケぇ、じゃないわよ!あんた人にナニ食わせてんのよまったく…。」


「モケェ…。(´;ω;`)」


モケは反省しているように見えた。


「さて、と。明日の昼には麓の村に着けそうよ。そしたらそこで電話を借りて、ブリテン島まで向かうわ。」


「ブリテン?あの腹黒貴族の島?」


「否定はしないわ。あそこに私の友達がいるの。そこに行けば、これからどうすればいいのかわかるわ。」


「あ、モケそこ無理モケ。モケは留守番するモケ。」


「ええっ⁉︎モケ、なんでぇ⁉︎」


「モケは…、

ドイツ旅行したいモケ。そこにもしかしたら友達がいるモケ。てな訳でドイツに行くモケ。」


マーリンは頭を抱えた。


「早速出会った仲間がぁぁぁ…、」


しかしハクは極めてポジティブだ。


「モケ、お土産、お願い。うまいドイツ料理で。」


「アイヨォッ‼︎(=゜ω゜)ノ」


「さて、次は腹黒貴族の住む島ね…。待ってなさいよ、今その首根っこ捕まえて袋叩きにしてやるんだから!」


「今もうそんなことないと思うわー。」


マーリンはハクの勢いを受け流しつつ、札を取り出した。


「ハーイ、私よ。マーリン。応答して?」


しばらくして札から声がする。


[オーケー。応答したわ。勇者は今どんな感じ?」


「腹痛を起こしたけど、どうにかなったわ。そっちの方はどう?」


[実験用のフラスコ1つ割れた程度よ。問題無いわ。]


マーリンは辺りを少し見渡し、口元に手を当て声を潜めた。


「…シナリオは進んでいるの?」


[もちろんよ。少しづつ、進んでる。こちらが調べたところ、合衆国の航空母艦とその艦隊が全滅したわ。恐らく犯人は、占いの通りだとサンディエゴに4日後に上陸する。]


札の向こうからため息が聞こえる。


[合衆国の工業力はすざましいわ。でも、奴らに勝てる保証はない。だから、できるだけ早く連れてきて頂戴。そうじゃないと、合衆国が滅ぶ。]


「合衆国が滅んだら、シナリオだと…、」


[全世界が混乱し、血で血を洗う世界大戦が始まって、何が何だか理解するまでもなく人類滅亡。もう一度大災厄が発生するわ。]


「でも、為すすべがない、と。」


と、その時。


「マーリン、肉焼けたって。」


「早くしないと冷めるモケ!」


マーリンはハク達にすぐに行くと伝えると、札に注目を戻す。


「…とにかく、任せて頂戴。何がなんでも、連れてくるわ。」


[オーケー。任せたわ。]


ここで会話が終わった。

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