表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冴えない猫耳の英雄伝  作者: 長門零
1/26

1話

どうも、長門零です。はっきり言って、小説家になろうの使い方があまりよくわかりません。

ですので、どこかおかしいと思った場合は何の遠慮もなくツッコミを入れてくれると幸いです…。

この辺は地図には映らない。映るとしても、山岳を表すだろう。

しかしここにはアルプスののどかな盆地が広がっている。

それもそのはず、これから向かう村は、大災厄後に生まれた村だからだ。

無論、道も整備されていないから車もオフロードを走るしかないのだ。無茶苦茶揺れる。


「最初の頃は舌切りましたからねぇ。」


ガイドさんは運転しながら笑った。笑っている今も、道無き道は牙を剥く。


「そろそろ見えますよ。」


ガイドさんがそう言うと、遠くに建物の群れが見えてきた。遠目でもわかる、本当に時の流れから取り残されたような集落と、大樹があった。


「あれが兎耳族の集落です。」


私は未知の地に対して心を躍らせる。と同時に使命を思い起こした。

車が止まる。私はドアを開いた。そこには…

見るからに可愛らしい、兎耳の生えた少女が大勢いた。

あれ、大人は?


「兎耳族は17、8歳程で成長が止まるんですよ。それに可愛らしいのに加えて不老なもので…。

大災厄で突然変異した人種との事ですよ。他にも猫耳や、あとエルフになった人もいたのだとか。」


大災厄。かつて世界の仕組み自体を全て書き換えた歴史的大災害。

もちろん私はその理由も、この先の定めも、知っている。だからこそ、私はやり遂げなければいけない。


うん。この村面白い。ほんの少し観光していこう。

私はガイドさんを連れて商店街に行く。商店街はとても賑やかで、雑談しながら物々交換していた。

兎耳族のみんなは私に興味津々の様だった。が、特に気にしていないのはおろか、盛んに話しかけてくる。


「いい村ですね。」


そう言った矢先、少し遠くに猫耳の少女を見た。

あ、いたいた!やっと見つけた!




「え~…、また高くなったの~…。」


「ゴメンね。ここしばらく牛の感じがおかしいんだ。何でだろう…。」


「ガーン…。特製ヨ~グルトがぁ…。」


お手製のキノコのホイル焼きと少ない牛乳を交換しながら、少女[ハク]は肩を落とした。彼女の尻尾がぐったりと垂れる。

彼女も兎耳族だ。だが彼女は、耳も、尻尾も、明らかに猫だった。

最初は誰もが変に思ったが、今ではそれが普通だった。


「君!そこの猫耳!」


ハクはだるそうに声の方を向く。


「あれ、誰?」


人間は明らかにハクに駆け寄っていた。そしてはくの肩を掴んでこう言った。


「君、勇者やらない?」


「…はぁ?」





「大災厄によって呼び出されたこモンスター達が、ここ最近になって急に活発になりだしたの。私達人類はそれを止めようとしているけど、まだ一流の魔法使いもいなければ、合衆国も手をこまねいている状況なの。

今、私達に必要なのは、生身で強い人間。それであなたには、勇者になって欲しいの。」


「やだ。」


即答だった。


「 え…、でも…。」


「他にも候補いるでしょ?

私めんどくさいからゲームしていたいし。」


人間、[マーリン]は頭を抱えた。


「一応、候補には書いてあったんだけど…。」


そう言ってマーリンは、着ている服の懐から手紙を取り出し、開いてテーブルに置いた。


「親愛なる親友へ

うさぎの耳を持つ人々のところに行ってきてほしいの。私の占いだと、そこに唯一いる猫耳の少女が、私達人類の鍵を握るわ。

マホトより。P.S.パンは食べられるけど、フライパンは無理。


…で、ここの特徴が間違いなくあなたなの!」


マーリンが目を輝かせて言う。しかしハクはめんどくさそうな顔だ。


「人違いでーす。よくありまーす。」


「人違いじゃ無いの!これは運命よ!」


「運命といえば人聞きいいよねー。でも本当は偶然に過ぎないよ。」


ハクはそう言いながらゲームを始める。ピコピコと操作音が聞こえる。


「…どうしよ。」


ますます頭を抱えるマーリン。そして、仕方がなくこう言った。


「外の世界には、もっと面白いゲームがあるわよ…。」


ハクの手が止まる。


「というか、モンスターとか倒すのがまずゲームみたいなの!すっごく楽しいよ!」


本当はそんなことないが、とにかく言う。ハクは興味津々だ。


「あと…、美味しい食べ物も沢山!」


「ヨ~グルト…!」


ハクはいきなりマーリンの手を掴んだ。


「いいよ、乗った。」


苦難の末の成立だった。




その日の晩。


「寂しくなるなぁ~。」


今日くらいはと言い、村人達はご馳走を大量にハクのために用意した。


「にしてもゲームにつられてかぁ~。誰に似たんだろ。(小声)」


ハクの母親、ホクがそう言うと、すぐ近くにいた彼女の妹、ユメが反応する。


「何か言った?」


「別に~?」


ハクはそんなこと御構い無しにご馳走を食べる。


「…やっぱ、ここのご飯美味しい。」


「そう?私は中の上だと思うけど。」


「ユメは昔から味にうるさいからね〜。」


「本当に上手いものね、…味がしないの。本当、分からないけど美味しいって感じるの。でね、…」


ユメが自慢げに語る。ハクはキラキラとした目で見ていた。

それを見て、ホクはあることを思い出した。


「そうだ、ハクにプレゼントがあるよ。」


ホクはハクに、布で包まれた何かを手渡した。そこには、キラキラと虹色に輝く刃の短剣が2本。


「綺麗…。」


ハクは見惚れた。ホクが説明する。


「この辺りで[オリハルコン]っていう鉱石が取れるんだ。それがとても硬くて硬くて…。

この村の隠し玉だよ。大切に使ってね。」


「うん…、ありがとう…!」



その2日後、ハクはマーリンと共に旅立った。



盆地から少し下った場所には針葉樹林がある。今、ハクとマーリンはそこにいた。


「森、ねぇ…。モンスターとか出そう。

…良いねぇ、シビれるねぇ。」


「シビレなくていい。出たらシャレにならないわよ?」


「え、ゲーム感覚じゃ無いの?」


「そ~だけどさぁ…。」


2人はダラダラと森を歩く。


「誰が仲間とかいないかなぁ~。頼れる仲間~。」


白がそう言った途端、それは白の目の前に現れた。


「モケェ(=゜ω゜)ノ」


勢いそのまま、ハクはそれに衝突してしまった。


「…えっ?」


「(´・ω・`)」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ