咲けない花
成長してるはずなのに
もう茎から枯れ始めてる
その君の視線が
また枯れそうな葉に影を落とす
夜しか咲くことが出来ないその弱気な花
今咲けないならいっそ朽ちればいい
あなたの笑顔の前では
花が咲くには明るすぎるから
いつまでも膨らむだけ
開くことのない蕾
このまま摘み取ってしまおうか
いや もう少し待ってみようか
太陽に照らされることを
拒否して雨を浴び続ける
遠巻きに眺める君
それだけで満たされるから
生きることに疲れてきたその悲しい花は
朽ちることを望み始めた
あなたの笑顔の前では
花が咲くには明るすぎるから
いつまでも膨らむだけ
開くことのない蕾
早く消え去ってしまえばいい
咲けない蕾は重いから
このまま風にさらわれて
別の咲き場所探すのもいい
このまま雨に打たれ続け
二度と芽を出さず腐るのもいい
もう枯れようかと天を仰げば
降りしきる雨の向こうから
腐りかけの蕾に降り注ぐ虹
枯れようとしていた花の
最後の生命が湧き上がる
別に何かを得たわけじゃない
ただ前をみて気付いただけ
あなたが好きだってことに
あなたの笑顔の前では
花が咲くには明るすぎるから
いつまでも膨らむだけ
開くことのない蕾
今ならまだ間に合うかな
枯れかけの花に眠ってた閃光
ゆっくりと押し開いてく
不細工な藍色の花
でもあなたに届いて欲しい
この花びら虹を伝って