問題が起こりそうな21day
私の名前は伊藤智昭、軍人ではあるのだがもはや軍を捨てた身であるので階級は捨てた。そのはずなのだが元部下達が13名ほどついてきており、今は石井という民間人の下で市民を守るために軍人としての知識と経験をいかして過ごしている。そんな私でも昨日は大変だった。というよりも昨日から大変なのだ。
「少尉っ」
「少尉ではない、がどうした」
「申し訳ありません、ですが再度問題が」
「外か中か」
「中です」
「そうか」
昨日から避難者、いや石井さんに言わせれば戦力と答えるだろうが、が多数集まっているのだ。しかもそのどれもが食料を寄越せや避難させろと言うような、自分本意なものばかり、平時ならそれでも構わない。軍としても被害が及ばなかった、もしくは僅かばかりしかうけなかった地域から、物資も人も持ち込めるからだ。だが今は違う、数少ない物資をやりくりするためには救える人にしか手を伸ばしてはいけないのだ。それを進言したのだが受け入れられなかった。いや私でも進言されたら受け入れられないかもしれないので仕方ないが、一刻を争うために武器を持ち離脱したのだ。
それはひとまずおいておくとして今の問題は人手が足りないということだ、人手が来るということは身体チェックに警備、新入りの配属、それと新入りのオリエンテーションに、発電所奪還作戦の作戦計画と秒単位で動いているのに、あの新入りどもは。
新入りそれも外からのチェックに潜り抜けたのはすぐに問題を起こす、それは仕方ないが急に人数が増えたために人手が間に合ってないのだ、間に合わない人手は気力で補うしかなく、どこもかしこも地獄を味わっている。と言っても軍での訓練時よりまだましではあるが。
「で問題内容は」
「食料を寄越せとのことです」
「オリエンテーションは、まだか。オリエンテーションを先にや」
「失礼しますギルドより緊急依頼、新入りの暴走で外にて問題発生直ちに向かってほしいとのことです」
「それが」
「はっきりいえ」
「通称バーサーカーズの住まいのそばです」
「…………斎藤にウィスキーは」
「どちらも別件で行動不能」
「そうか」
バーサーカーズ、井上夫妻、私から言わせれば狂犬だ。だがその狂犬ゆえに敵対したくない相手でもある。敵対したら殺すのは簡単だ、技量の差で勝てる。だが彼らはそれをわかった上で噛みついてくるだろう、そしてそれに一瞬でも引いてしまえば最後、喉をかっ切られる。そんな目付きをしていた。まるで軍の特殊部隊のごとく、いったい彼らは何を経験したのだろうか。それはおいておくとして。
「なら私がいかなければならいだろうな」
「そうですね、ギルド肝いりの新入りなので、できる限り被害なしで回収してほしいとのこと」
「なら石井さんへの説明は」
「ギルドで行っています」
「中の問題対処は任せる」
「了解」
「ではいってくる」
「今日はジュースを取りに行きます」
「ジュース、どこに」
「自販機から強奪します」
たまにはジュースがのみたくなることが、だから奪いにいくのだ。今は電気も来てないので冷たくはないだろうが、警報もならない。なので自販を襲うにはいいタイミングなのだ。
「なら」
「紗枝は待機して美味しいものでも作っておいてくれ、菜々美もだ」
「えー」
「何でなのパパ」
「レミたちのいい訓練だろ、それに自販はすぐそこにあるし」
「わかったわよ、ただ危なくなったらすぐに呼んでね」
「そうだよパパ」
「わかってるよ」
そうして装備を整える、いつもの装備よりは軽量だが武器は外さない。バールにスコップ、リボルバーだ。それにウエストポーチにリュック空を背負い用意は完了だ。
「じゃいってきます」




