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掃除をする1day

4話目です

 掃除は簡単だ、生存圏とゾンビがうろつく空間を隔離する。そのためにマンションと言う施設は便利なのだ。


「まずは用意しないとな」


 この部屋は僕と紗枝の部屋だ、この部屋だけは確保しなければならない。つまりこの部屋510号室以下4階、できれば3階にトラップを仕掛ける。トラップのための材料は。


「テレビは破棄でいいけど重いからな、ラジオ、ラジオっと」


 ついでに携帯を確認するが圏外になっていた、要は携帯も破棄対象だが、紗枝の写真を捨てるわけにはいかない、下手したらこれが。


「いやいやいや考えるな、紗枝は無事だ無事なんだ」


 ひとまずそれはおいておこう、置いておきたくはないが置いておくしかない。トラップの道具を探す。とは言っても用意するのは。


「養生テープよし、ハンマーよし、ラジオよし、針金よし、バールよしで5階の安全を確保してっと」


 次は5階の安全確保と5階の隔離だ、本当なら5階以上すべて確保した方がいいのだが、紗枝が帰ってくるまで夕飯を作らないといけないのでまあ5階の確保だ。鍵を持ち部屋から出る。まずは非常扉、と言うよりも柵を閉め針金で縛り付ける。太めな針金を巻き、ハンマーで締める。結構簡単だが、力をかければ破られる恐れがあるので最後の砦だ。そこまでしたら後は。


「エレベーターを止めて」


 なぜかまだ動いていたエレベーターを呼び、使わないテレビを扉に挟む。これで一応は止まるのだが音がうるさいのでボタンのしたの方にある制御盤を開くため養生テープ、剥がれやすく切れやすいのにそれなりに粘着力がある便利品を張り、音を押さえバールを使い無理矢理開く。


「っ」


 鍵を壊すので音がするが奇跡的にいないようだ。中を覗き主電源を落とせば完了だ。このマンションはエレベーターは1つなのでこれでエレベーターの封鎖が終わる。次に部屋のひとつひとつを確保するのだが、それはおいておくとして。


「後は通路の確保だな」


 次は部屋へと戻り、ベランダの避難はしごを下ろす。これはどこにでもある避難用具で通路確保には便利だ。だが音がするのだが、外は悲鳴で一杯だ、いい囮だ。それを1階まで繰り返し、通路を確保。そして3階のベランダに通じる窓を閉め、備え付けられているシャッターを下ろし、トラップであるラジオをおやすみタイマーをかけ、ボリューム最大でひとつの部屋に放置して作戦終了だ。これでいい、変に殺す罠だと用意がめんどくさいし、変な恨みを買う。これならラジオを用意してる最中に襲われたとか避難したとかに思われるだろう。


「ただなぁこの罠、人までおびき寄せるからな」


 このトラップは生存者を集めてしまう。その時は。


「交渉して5階には入らないようにしてもらおうか、とついでに」


 囮が多い今しかできないことをやる、要は土集めだ。ごみ袋をトラップ部屋から持ち出し1階へと降り、そこら辺から土を集める。これはベランダに農園、と言うかちっちゃいガーデニングをする予定だ。まあ種はないし水も余裕はないから怪しいのだが。


「土は運びにくいしな」


 土をギリギリ持てる範囲でビニールに詰め込み、5階の我が家へと帰る。以外と重労働で1階で心がおれる。プランターないと言い訳して調理を。


「ただいま」

「紗枝」

「階段しか使えなくしたのあなた」

「どうかした」


 帰ってきた紗枝は少し怒っている。走って帰ってきたのだろう、このマンションから紗枝の勤める病院は自転車で5分くらいの所なので以外と大変だっただろう。その上でエレベーターが使えず、階段も使えなかったのなら起こるのも当然だ。


「使えなくしたなら言ってよもう」

「ごめんごめん」

「まああなたが無事ならいいんだけど」

「無事に決まってるよ、それと今度から出入りはベランダからね」

「わかった」


 ベランダを通路にしたことには納得してくれたのだが、まだ怒っている。そんな紗枝をなだめるように、白いご飯と新鮮野菜を使った野菜炒めを盛り付け出す。


「ひとまず食べようよ」

「うん」


 そして今に戻る。

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