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帰宅する8day

2話目です

「さーてとかえるか」

「ええ」


 ひとまず拾い終わったことだし帰ることにする、と言っても物が多いので下手したら通わないと行けなくなるかもしれないが。


「えっと弾が140発に、食料の缶詰が30個」

「それにIHクッキングヒーターが1つに携帯ガスコンロとボンベが4本」

「後はラジオとか電池とか一杯あったよ」

「弾と缶詰、それにガスコンロは持っていくとして、やっぱり鍵がいるな」

「そうだね」


 部屋の鍵がかかるかと思ったのだがかかりそうにない、まあラジオなんかは1、2台あればいいのでおいていっても構わないだろう。


「あなたIHはいいの」

「持ってきたいけどさ、んー持ってくか」

「わかった菜々美持ってくよ」

「頼むぞ」

「はーい」


 俺は缶詰とガスコンロを、紗枝は弾とラジオとかを持ち家へと帰ることにする。出入り口は入ってきたところだけのようだ。そのために来た道を戻る必要がある。


「のんびり帰ろうか」

「死ねっ、死ねよっ」

「い、いやだしに」

「あははははは、どうしたんだよ」

「たっ助けて」


 帰り道では人が溢れていた、ボロボロになっている方は逆になっていたが。


「あの」

「夫に話しかけないで」

「…………………はい」


 時おり話しかけようとしてくるのだが、そのすべてを紗枝が遮っている。


「それにしてもここ結構稼ぎがよかったよな」

「そうね」

「ひっなぁ、おれは」

「ここにもいるぞ」

「やめっやめてくれ」

「おれはなにもしてない、してないんだ」

「ちょっとうるさいのが難点だけどな」

「そうね住みにくそうね」


 そんな話をしながら進む、話しかけてくる人は減ったのだが、時おり通り道にボロボロにされているのが飛び出してくる。まるでなにかを恐れるかのように。だがそれが邪魔になることはない、なぜなら飛び出してきた方から引き込むようにして連れていかれるからだ。

 だからもう一種のアトラクションだ。


「あははは、また飛び出してきたよパパ」

「けどあなたこれどうするの」

「これって言うなよ、けどどうしようか」


 だが気楽にできるのは問題から目をそらしているからだ、そう思い後ろを向く。同じ顔の生気のない2人の少女がそこにいる。と言うか振り向く度に怯えている。

 追い払ってもついてくるのだ、いったい何をしたと言うのだろう。


「はぁ、まあ子供だからいいかしら」

「えっ、なにこれも浮気判定なの、勝手についてきてるだけじゃん」

「あなたかっこいいんだから、魅力を放つのは私たちだけにしてよね」

「そうだよパパ」

「えっ菜々美も敵に回るの」

「この事だけはママに同意するよ」


 はぁとため息をつく、この後ろの2人の少女はよくわからない、なんか一番上にいた所にいたのだが着いてきているのだ。いったいどうしろと言うのだろうか結構困っている。ついでに言うとあの2人の視線をずっと感じるのだ、なんなのだ、何をしたって言うのだ。

 更に紗枝と菜々美のどうにかしてよ感が強くなっていく。これが板挟みなのかと言う久しぶりの感覚がよみがえってくる。


「これは浮気じゃないからな」


 そう宣言してから、後ろからついてくる少女たちに話しかけてみる。


「あのさ」

「あのご迷惑なら、殺してください」

「ねぇ殺してよ」

「お手数をお掛けしますが」

「ねぇったら」

「私達に居場所はないんです」

「ねぇったら殺してよ」

「早くみんなのところに行きたいんです」

「これ夢なんでしょ殺されれば目が覚めるんでしょ」

「だから早く」

「殺して」

「うわ、めんどくせぇ」


 心の声がつい漏れる。


「めんどくさいなんて言わないでください」

「そうだよお兄さん」

「あなた様だったら殺すことにためらいなんてないんですよね」

「早く、ねぇ早く殺してよ」

「ソラもうちょっと丁寧な言葉づかいで」

「レミだってもっと子供らしくしないと殺してくれないよ」

「そんなわけないわよソラ、ですから早くねっ」

「レミにはわかんないんだよ、ねっ」

「「だから殺して」」

「紗枝、ヘルプ」


 もう面倒くさいを通り越してどうしていいのかわからない、振り向くが。紗枝と菜々美が目をそらし。


「今日の晩御飯どうしようか」

「ママの料理が食べたいな」

「なら早く帰りましょう」

「うん」

「おいっ」

「あなた安心してその子達の件なら浮気だって思わないから」

「うん、菜々美もそう思うよ」

「じゃあ先帰ってるね」


 裏切られた。というよりも紗枝達もめんどくさいと思ったのだろう、見捨てられたために伸ばした手をどうしていいかわからなくなる。


「どうすれば」

「殺せば」

「いいんだよ」

「なら」


 拳銃を向ける。


「「ひっ」」

「はぁ、もう勝手にしろ」


 拳銃をしまうと、紗枝達を追いかけ始めた。

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