帰宅する5day
「パパ、ママお帰りなさい」
家へとたどり着いたのは夜遅くになってからだった。
「ああただいま」
「ただいま」
出迎えてくれたのは菜々美ひとりであった、他にいない。
「あれは」
「動かなくなっちゃった」
「そっか」
ひとまずどうでもいい、部屋の中はきれいに片付いているし、布団もしかれている。
「そういえばヘリコプターが一杯飛んでたけど、危なくなかったの」
「問題ないよ」
「そうだよね、ママは強いし」
「ええ」
「ママだけかよ」
「あなたも強いわよ」
「まあいいんだけどさ、じゃあ何か作ろうか。っとその前に」
その前にやらなければならないことがある、そのためにまずは隣の部屋から湯おけなどの底の深い容器を回収する。
「しかし誰もいないよな」
「静かでいいじゃない」
「そうだよパパ」
「まあいいか」
そして回収した湯おけなどのそこに、細かい穴を多数開け、その上から水切りネットを敷く。
「で土をかければ」
「でパパこれに何を植えるの」
「それはな、これだ」
自家製プランターに土を入れ、肥料を混ぜた上で買ってきた種を見せる。
「ええぇ、野菜なの」
「なんだ野菜嫌いなのか」
「苦いし、美味しくないし」
「パパとママと菜々美で作るのにか」
まあ嫌だといっても食べなければならなければ、食べてくれるだろう。だから自家製プランターに穴を指の第一関節くらいの穴を開け、種を少しずつ入れていき、再度水をかければ完成だ。
「よし出来上がりだ、これで予定では30日目くらいには食べ物ができるぞ」
「ちゃんと出来るよね」
「みんなでお世話するからね」
それとおまけして、ペットボトルの蓋にまた穴を開け、自家製じょうろも作っておけば問題はない。
「じゃあ食事にしようか」
「わーい」
と言ってもご飯と缶詰なのだが、まだ電気が来ているので、って。
「紗枝」
「どうしたのあなた」
「ガスボンベと携帯コンロ取ってくるの忘れた」
「あっ」
もしかしたら、またあそこにいかなければならないかもしれない。それが決定してしまったが、その前に。
「今日の缶詰は焼き鳥塩味です」
「何それ」
「いやただの焼き鳥の缶詰」
と言うわけで焼き鳥の缶詰をおかずに1日ぶりの自宅での食事と、家族団らんとなった。




