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変化
「3年前に、伯父さんと会ったと言ってたわ、山川さんが」
「3年前・・?あ・・ああ、そう言えば、浦部君の家に来てた。そうだ。思い出したよ。実直で、熱心な若手競翔家だったな。わしの姪が同じ町に住んでるんだと話した事がある」
「そう、その山川さん。尤も、私が鳩を飼うのはその後からだけど」
「・・すると、浦部君はその時に、結果が出るまで内密にと言う事だったが、やはり結果が出たのかな?」
「まだ内緒にしてくれって口止めされてる。伯父さんだから言ったのよ」
「ふうん・・内緒の話を美里だけに・・なあ?」
伯父が少しにやっとしながら言うが、
「伯父さん、変な事は想像しないでね。私は、浦部さんの事を聞きたかっただけだから」
「はは・・まあ、その辺りの事情はともかくとして・・先に聞くが、浦部君の血統は駄目だったのか?」
「いいえ、とんでも無いわ。逆よ。今年の地区Nレースで何十羽も残ってる。それに、安定したスピードと粘りがあるって。連合会では血統を公開してないけど、皆が感心してるわ。来年春に地区CH1000キロレースに参加予定よ」
「やはり・・香山連合会の地理・条件には必ず合う血統だとわしは見ていた。そうか、そうか」
伯父が頷いた。




