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序章
「有難う、パパ準備してくれたのね」
「美里とゆっくり話すのも久しぶりだからね」
「そうよね、パパは日本全国に忙しく飛び回ってるから」
「・・何があったんだ?今日は」
「まずは・・パパ、お疲れ様」
美里が哲茂に酌をすると、ワイングラスをカチンと言わせ、微笑んだ。
しばらく談笑しながら父娘の会話が弾んだ。そして、
「ねえ、聞いてくれる?今日あのうすのろのヤマって奴ね」
「聞き捨てならないね。うすのろって・・誰だい?その人物」
「花屋さん・・」
「ああ・・山川さんの所の・・すると美里が2年前からやっている競翔鳩の事で?でも・・あの山川さんの息子さんだったら、良い青年じゃないか・・何でうすのろ・・?」
「パパは男の人だから分からないのよ。あんなデリカシーの無い人、大っ嫌い」




