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変化
「へえっ・・」
瀬山が耳を傾ける。
「わしは言った。こんな悪天だからこそ、血統の真価が問われる。それをあんた(葉山)見たいにストックして次のレースを狙うつもりかどうだか分からんが、所詮そんな事をやって温存した所で戻って来ん鳩は戻らん・・のだとね」
「そしたら・・葉山さんは何と?」
美里も身を乗り出した。非常に興味のある話だった。
「葉山ちゃんはこう言うんだ。それは大きな勘違い。若槻君の鳩は、若鳩主体だから、地区Nのこのレースで今春は最終だろう。しかし、自分の鳩は今春若鳩は5羽しか居ない。だからストックしてるんじゃなくて、他の記録鳩は、600キロから1000キロCHへのジャンプをする予定で、最初から調整して来ている・・と答えた」
更に若槻は、追加した大ジョッキを傾けながら、
「たった5羽・・?今春若鳩をそれだけしか残して居ないのか?と聞くと、たったじゃない。6羽スタートで、5羽残ったんだと言う」
「へえっ!」
今度は瀬山、美里が同時に声を発した。




