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変化
「オモトなんだけど・・」
「オモトですか?あちらにありますが、出して来ましょうか?一年中青々としてますから、部屋の飾りには良いですね。花ちゃん・・いえ、美里さんのピアノ教室に飾られるのですか?」
山川が答えると、
「いや・・違うんだよ、静雄君。実はね、それは亡くなった家内が大事にしてたものなんだ。丁度その株分けをしてる時に事故に遭ってね、家内が」
「あ!そうでしたか。・・え・・?そ・・それじゃあ・・」
山川が哲茂の言葉の先の意味をこの時悟った。3年前、自分がオモトを抱えて花川家に訪問した時、美里が一瞬凍ったような顔をした事を思い出した。それは、何故かとずっと疑問に思っていたからだ。哲茂は山川の好意が、誤解を受けている事をこの場で告げたのだった。
山川の顔が真っ青になった。哲茂が言葉を続ける。




