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競翔
「成鳩に関しては、全鳩不参加にしたけど、若鳩の半数は参加してる」
「で・・?私には参加しろと?」
美里が怪訝な表情で山川を見る。
「あ・・いや、そうじゃ無い。参加を止めようと思うなら止めたら良いが、300キロにジャンプは記録鳩群なら問題は無いが、若鳩なら、少々きついかなと思ってね」
「紅子をどうしようかって思ってるの」
美里の心配は、むしろ紅竜号の参加だった。
「これまでの競翔経験を持つ紅竜号なら、当日午後から風も治まってくるようだから、特には心配無いと思うんだが・・」
「なら、参加させるわ、全鳩を。でも、何故この200キロが今春の鍵なの?内山さんは、早々に帰っちゃたから、聞けないわ」
山川が少し困った表情になったので、美里はそれ以上は聞けなかった。競翔前に山川が自分の論理を展開するような饒舌な男では無い事を知っているからだ。
しかし、瀬山は若手中心の輪の中で、しきりに持論を展開していた・・。