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オモト
連合会では、にぎやかな声があちこちで聞こえていた。これまでのレースが順調だった事で、若手の元気な姿が見える。
「ヤマさん!凄いじゃないですか、今年は。殆ど優勝圏内に入ってるし」
若手の一人、瀬山宏が言う。山川より3つ年下だが、中堅で成長著しい若手で、電気店に勤めるはきはきした性格のすらっとした体の青年だ。
「いやいや。まだレースは序盤、たまたまだよ」
山川は手を振りながら答えた。
「しかし、今春は参加羽数もヤマさん、多いですね。今日は何羽?」
「今日は36羽だよ」
「連合会でも、多い方ですよね、会長、内山さん、葉山さんに次ぐ位。うちの連合会は小さいから全体でも今日は5~600羽って所でしょう」