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競翔
田辺「脇さんは、今年からジュニアじゃ無くなるけど、どっちが早いか勝負っすね」
脇「負けないそ、田辺君」
川中「ははは。そうだ、その意気だ。昨年の700キロ記録鳩を2人とも抱えてるから、今年は楽しみだね」
川中が笑うと、全員も笑った。
葉山「ヤマも今春から復活だし、相当参加羽数が多くなるだろう?」
山川「ええ。過去最大羽数にはなりますね。100羽以上に」
脇・田辺「ひえ・・100羽以上?すげえ・・葉山さん以外に100羽以上の鳩舎が」
2人が驚いた。
山川「何・・昨年の春のストックした鳩から仔を取ったのと、秋レースに参加しなかったからね。それで多くなったんだよ」
内山「昨年のストックだって、30羽以上居るだろう?」
山川「ええ・・まあ」
葉山「今年のヤマは気が抜けないなあ・・」
脇・田辺が顔を見合わせた。葉山が他鳩舎を意識するなんて事は初めてだったからだ。