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序章
「パパは知らなくても、それはしょうが無いと思うけど、あの人「オモト」の鉢植えを抱えて来たの」
「・・オモト?」
「ええ。パパ知ってる?ママがいつも大事にしてた鉢植え」
「あ・・ああ。あの・・?」
「そう、それがオモト」
「しかし、それが何で・・?駄目なのかい?」
「花言葉ってあるでしょ?あの人はそれなりに考えて持って来てくれたんでしょうけど、私の競翔が長く、そして活躍出来るようにって意味でって事だけど・・」
「だったら、非常に気遣いの出来る良い青年じゃないか」
「その花言葉の意味には、母性の愛って言葉もあるの」
「・・美里・・それは」
哲茂の顔が曇った。