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変化
美里は、原色に近いような赤や、紺、紫と言った色が好きでは無い。しかし、それを知っている店の森和江(45歳)は敢えてその色を勧める。
「うーん・・どうかなあ・・」
美里は、案の定、消極的だった。
「あのね、私に案があるのよ。美里ちゃんは、すらっとして背もあるので、ここに薔薇の花をあしらってね。肩なしにして・・・」
今回のコンサートに着るだろうと、既にデザインさえしてると言う森洋服店の主人だった。
「ね?ここをこんな感じにして・・似合うわ・・本当に美里ちゃん。全くイメージが違うわよ」
生地をあてながら、デザインを熱心に示しながら森は目を輝かせた。美里は、じゃ・・思い切ってと今回のデザインを全面にお任せしますと店を出た。そして、少し離れているが、隣町にある山川の花屋に向かった。コンサート用の花を予約する為である。
ところが・・静雄の姿も、母親の姿もそこには見えず、嫁に行った妹の幸子が店番をしていた。美里より1歳年上の幸子は、「みーちゃん、さっちゃん」と呼ぶ親しい間柄だった。
「あ、いらっしゃい。みーちゃん。久しぶり。この度は、父の事で色々有難う御座いました」




