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主人公とモブ  作者: 文月助椛
〜第五章〜まさか学校を卒業してからテストに関わる事になるとは夢にも思わなかったからどんな教科が普通かもわからないがその辺はフィクションて事で勘弁してくださいとモブ
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テストとモブ

最初の合宿から明けて月曜日、その日女子達は前日の事をまだ引きずっていた。未だに誰も目を合わそうとしないし、話しかけても上の空で適当な返事を返すだけだった。


さすがにまずいと思った礼那は、勉強会の後に女子だけを残して会議を行っていた。


「みんな、土曜の件についての意見を募りたい。このまま気まずい空気ではいかんと思うのだ」


「そうね、私も武流君とずっとギクシャクしたくないもの」


「では素直に謝るというのはどうでしょうか?」


遥香の意見は確かに正当だ。だが手放しで賛成も癪に障る。


「それも考えたのだがな……そもそもあいつらの覗きが今回の件を招いたと思うと一方的に謝るのも違う気がするんだ……」


「私も同意見ね。未遂だからって簡単に許せることではなかったんだし。この際無かったことにしないかな?[聞かなかったことにしてあげる]ってニュアンスでね」


「そうネ、情報戦で有利に立ったって思えば男の子達も可愛いもんだって思えないかナ?」


「まぁ……そこに落ち着くしかなさそうね。なんだか私たちだけが勝手にヤキモキしてるのも悔しいものね」


「じゃぁみんなそれでいいか?知らないフリをして[あげる]でいいか?」


女子達は頷いた。なんとか心の整理をつけてもらうとしよう。


時は流れて最後の合宿の日曜日、明日はテストだ。みんな真剣な顔付きで……


遊んでいた……何故かと言うと礼那の案で、最後は大いに遊んでリラックスしてテストに臨むと言うのだ。正直疲れがピークに達していたメンバー達は疲れを忘れる為必死で遊んでいた。


「えっと……あ、給料だね。五百円……じゃない五百ドル頂戴」「あ〜あるある。私は……この私が破産だと!?……まぁ既にかなりの借金があるから関係ないか……」「お、結婚だ」「わ〜お兄ちゃん浮気だ〜」「そういうゲームなんだよ!……ちょ……湊さん?ピンクの棒を捨てないでくれないかな?」「よし!あがりだ!愚民ども!跪け!」


「次は……フィオ!小牧さん!右手赤!」「こ、この角度は……ロッソ様、胸を拝借します」「やん!息がくすぐったいヨ!」「武流君は見ちゃダメ!」


「通らばリーチ!」「通しません。忠臣様、純チャン三色ドラ一で一万二千点です」「また弥富さんの勝ちかよ!」


本当に全力で遊んでいたのだが、何故だか帝達も一緒だった。すっかり馴染んでしまっていたのだが、その遊びの時間も終わりに近付くと……


「なに!?今日で終わりなのか!?来週にはプールが出来るのに!もっと遊ぼう!」


「帝様……子供みたいにワガママを言ってはいけませんよ」


「むぅ……仕方ないな……まぁなんだ!これからも遠慮なく遊びに来てくれ!」


社交辞令でなく本当に楽しんでいたようだ。最初はどうなるかと思っていたが合宿は成功だったとみんなが思った。


そしてテストが始まった。合宿の成果が試される時だ。武流はテスト用紙を見て我が目を疑った。


(見える!見えるぞ!私にもテストの答えが!)


そういうのいらないから。進めてくれ。


(……いいじゃねぇか少しくらい……しかし……確かに合宿の成果あるなこれは!翔でも期待できるんじゃないか!?)


武流はふと翔の方に目をやると翔も驚いていた。


(見える!見えるぞ!私にもテストの答えが!)


同レベルだった。翔は凄い勢いで答案を埋める。先に言っておくが名前を書き忘れてゼロ点というオチはないから安心していい。


(いいのか?そんなこと言って……ハードル上げすぎじゃないか?)


大丈夫なはずだ。


そしてまた数日後、本来ならこの日の翌日に順位の発表があるのだが、いつものように智がハッキングで事前に結果を入手しているので部室で先に見ることになった。


「今回はみんな凄い頑張ったもんね!飛島君の順位も気になるけど私たちも上がってるといいね!」


千種も手応えがあったのだろう。珍しく興奮気味だ。


「ちょっと待ってくれ……よし、出たぞ。僕達の順位だけリストアップしといた」


面白そうなので下から見て見よう。


茂野武流=二百十位


「お前……あれだけ勉強しておいて……色ボケも大概にしておけよ……」


徹だけでなくみんな呆れていた。ちゃんと点数も順位も上がっているのだが、色ボケは事実なので武流は反論できなかった。


岡崎忠臣=七十四位


金山千種=四十ニ位


中村大和=四十一位


フィオーレ=ロッソ=四十位


「ヤマトと並びネ〜!お似合いのカップルヨ!」


「フィオちゃん……私もよ……でもかなり上がったね!よかった〜」


忠臣もちゃっかり上がっていた。二百四位からの大ジャンプだ。


那古野湊=十位


「やったな湊!すごいな!」


「うん!また下二桁一緒だね!」


武流は喜んでいいのか迷った。


「……おい……翔って出たか?……」


「まだ……だよね……」


「私もまだだよ!?なんでかな!?」


「そうね、もしホントなら大変ね。けど多分だけどこれが二年生の結果だからじゃないかしら」


「おお!これは盲点!」


巫女が湊とどこかで聞いたやり取りをしていた。


「ちょ!これはどういうことだ!?」


礼那は驚愕していた。なんのことかと思い智のノートPCを覗くと……


安城徹=二位


春日井遥香=二位


津島智=二位


津島礼那=二位


伏見桃花=二位


飛島翔=一位七百点満点


「「ふざけるな!!」」


「なんだよ!ちゃんと結果出しただろ!?なにが不満なんだよ!」


「不満だらけだ!ちょっと勉強したからって六点から七百点ってどういうことだよ!」


「なんなんだお前は!極端にも程があるだろ!」


「あ〜もう気持ち悪い気持ち悪い!」


結果として……ミッションは大成功。図らずもS.T.A.F.Fは学校一の頭脳集団になったのだが……


「「納得いかない!」」

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