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主人公とモブ  作者: 文月助椛
〜第五章〜まさか学校を卒業してからテストに関わる事になるとは夢にも思わなかったからどんな教科が普通かもわからないがその辺はフィクションて事で勘弁してくださいとモブ
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楽しい食事風景?とモブ

勉強部屋は本当に教室を再現していた。扉は流石に変えられなかったが黒板や教卓、机と椅子も学校の教室そのままだった。


「……ここまでやるか?普通……まぁある意味勉強には最適かもしれんがな」


「とにかく始めましょうか。まずは誰からいく?」


「ここまで本格的だと面白いな。私がいこう」


こうしてようやく勉強が始まった。だが勉強シーンを長々と書いていると作者が嫌になるので夕食の時間になった。


(作り手側の都合はいらないよ……)


「皆様そろそろ夕食の時間です。ダイニングにお越し下さい」


丁度キリのいいところで小牧さんが入ってきた。外で聞いていたのだろうか……


「お〜飯飯!もぉ腹減って死にそうだ!」


一番勉強しなきゃいけない奴が一番最初に席を立った。皆もお腹が空いてくる時間なので次々ダイニングに向かっているときに珍しく徹がフィオに声をかけた。


「おいロッソ、お前英語も少しは勉強したらどうだ?殆ど聞いてないだろ」


するとフィオは嫌な顔をして返した。


「だって〜米英は敵だから憶えたくないヨ〜それにもう日独伊はわかるんだからテストはオマケしてもらってるしイイじゃない!」


前半はともかく確かに既に三ヶ国語をマスターしているフィオにとって語学の履修は必要ないかもしれない。だがだからこそ徹はもったいないと感じたのだろう。


「……テストはいいかもしれんが……それだけ語学のセンスがあるんだからもったいないぞ。」


「ありがと!考えとくヨ!それよりcena…ご飯食べにイコ!」


きっとフィオは考えていない事を徹はわかっているが、本人にやる気がなければ無理には勧められないのも事実なのでこれ以上食い下がる事はやめにした。


皆がダイニングに入るとすでに帝が席に着いていた。待ちきれないのか、両手にナイフとフォークを持ってまるで子供のように机を叩いていた。


「さあ夕食だ!存分に食べるがいい!」


「帝様、まだ皆様席に着いていませんし食事も揃っておりません。大人しくしていて下さい」


「む……そうか……」


小牧の言葉に帝は母親に怒られた子供のように小さくなってしまった。


(子供だこの人……)


帝のこの様に、翔は自分がはしゃいでいた事を恥ずかしく思い大人しくなってしまった。


「どうしたみんな!元気がないぞ!?折角の大勢の食事だ!楽しくいこう!」


(あんたのせいだよ……)


また皆の心の声がハモった。今日は心の総突っ込みの多い日だ。


「智、春日井グループの株を全部売ってくれ」


「お?君はうちの株主か?うちはまだ成長するから今売ったら損だぞ?」


「いえ……不安要素が今日だけでてんこ盛りなので……」


礼那の気持ちはよくわかるが、こんなのがここまでグループを盛り上げたのも事実なので智は売らなかった。流石にデータ優先だ。


そんなやり取りをしている間に料理が運ばれてきた。今夜はイタリアンのようだ。フィオを意識してのことらしいが中には日本産まれのイタリアンスパゲティやら日本特有の生地の厚いピザやらがあるのはネタなのだろうか。


あえて誰も突っ込まないで食事を進めていると、小牧が部屋の隅で段々泣きそうな顔になっていたので、きっと突っ込み待ちだったのだろう。


(……俺にこのタイミングで突っ込む力量はねぇよ……あと翔はボケだってわかってないぞ……)


「ン〜!このサルティンボッカBuono!オイシ〜!ママの次くらいにBuonoだヨ〜!」


「恐縮です」


フィオは大絶賛だ。小牧の料理の腕は相当だとわかる。


ふと礼那の方を見ると、帝と智と一緒になにやら難しい話をしていた。経営哲学がどうのと言っていたのは社交辞令ではなかったらしい。それに湊と桃花が入れないまでも聞き入って頷いている。武流にはサッパリだったが……


「なあ湊、あいつらの会話わかるのか?」


「うん、一応ね。やっぱり凄い経営者だけあって面白いよ」


「そうなのか……」


武流はなんだか置いてきぼりにされた気分だが、わからないものはしょうがない。諦めてバカチームに混ざる事にした。


「流石本場のイタリアンスパゲティは美味いな!やっぱり材料は本場から仕入れてるんですか?」


「はい、パスタとオリーブオイルなどは本場から取り寄せました。お気に召していただけているようでなによりです」


翔の底知れないバカさ加減にも小牧は笑顔で応対だ。さすがはメイドさんと言いたいところだが目が完全に笑っていない。


「はっはっは!飛島君は面白いなぁ!どんどん食べたまえ!デザートもあるからな!遠慮はいらんよ!」


「はい!今は別にボケてないんでなにが面白いかわかりませんけど遠慮はしません!」


「遠慮しないのかよ……」


そんな感じで楽しい食事は終わった。続いて勉強に戻ろうという意見もあったが、先にお風呂にしようと誰かが言い出したのでお風呂タイムだ。その時……武流と徹と大和以外の男性陣の目が瞬時にケダモノの目に変わった。それを帝は見逃さなかった。

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