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主人公とモブ  作者: 文月助椛
〜第四章〜恋愛モノにする気はなかったけど意外と長くなったから章を分けてみたけど本当に短いな!とモブ
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男子トークと女子トークとモブ

アメフト部の試合からしばらく経ったある日、あれから特に大きな依頼もなく平穏な日常が続いていた。変わったことと言えば……


「ねぇ武流君、最近飛島君部室に来ないね」


「ああ、あいつ最近アメフトにハマったみたいでさ。よく練習に顔を出してるみたいだ。湊はいいのか?アメフト好きとしては気になるんじゃないか?」


そう、翔がアメフトにハマったのだった!


(それそんなに重要か!?俺と湊のことの方が大事だろ!?)


ちっ……二人は名前で呼び合う事にすっかり慣れていた。


(今舌打ちしたか!?)


「そうね。ちょっと気になるかも。見て来ていい?」


「……なんで俺の許可がいるんだ?」


「ヤキモチ妬かないかなって」


「妬くわけないだろ!ただアメフト見に行くだけなのに!」


「そぉ?じゃぁいってきます」


何故か残念そうな顔で湊が部室を出て行った。


ちなみに今日は翔を除いた男全員と礼那と魅華がいる。


「なぁ茂野……お前らなんで付き合ってないんだ?」


徹が聞いてきた。確かに誰が見ても付き合っていると思えるほど二人はいつも一緒にいるのだが。


「いやなんでって……別に湊のことは……」


「そーゆーのいらないから。バレバレだから」


まさか自分もバレバレの徹に突っ込まれるとは思わなかったが、武流自身自分の気持ちはハッキリしてるので、これ以上の無駄な抵抗は無意味だと思い訳を言った。


「うん……なんとなくタイミング?チャンス?みたいのが掴めなくてなぁ……」


「まあ確かにね。試合後のビッグチャンスすら掴めない奴だからなモブ男は」


智が軽く言ってくる。


「いやだってあの時は……って!お前見てたのか!?」


「俺だけじゃないぞ。隠しカメラで学食でみんなで見てたぞ」


そう、つまりS.T.A.F.F、アメフト部、チア部とその関係者全てが見ていた事になる。途中あまりに同じ画が続いたので何人かは飽きて見ていないようだが。


「なんてことしてくれてんだ!じゃぁなにか!?最近二人でいると周りがざわつくのはそのせいか!?」


それは単純に湊が男子に人気があるからでもあるのだが、関係者はそのせいでざわついていたのも確かだった。


「しかしあのシチュエーションで何もなしとはな……男性機能に欠陥でもあるのか?あたしならそのまま押し倒してるぞ?」


魅華が教師としてはおかしな事を言っている。


「機能に不具合はないです!てゆーか色々プロセス省き過ぎでしょ!」


「いやぁ押し倒すのはともかくあそこで行動しないのは失礼でしょ〜」


忠臣までもが責めてくる。


「そうだよ武流。女心がわかってないなぁ」


大和も武流を責めるが、これには全員が同じ言葉を放った。


「お前が言うな!」


翌日の放課後、チア部の更衣室にチア部員と湊、フィオ、巫女がいる。アメフトの試合の時好評だったのか、近頃よく助っ人の依頼が来る。


「え?武流君?武流君がどうかしたの?」


着替えをしながらの女子トークが始まった。着替えシーンは各々の脳内で補完してください。


(余計なことは言わなくていい)


「そう、あの日湊と抱き合ってたモブ男君。あの日からなんか進展ないの?告白とかは?」


「……あの日って……え!?なんで!?なんで知ってるの!?」


チア部員に湊が詰め寄る。


「ん?私だけじゃなくて試合関係者全員知ってるよ?ねぇみんな」


「うん」「見た見た。[湊から手を引け〜]ってとこから」「[いいの!]ってとこまで」


本当に全員知っていた。


「それほとんど全部じゃない……誰に聞いたの?」


「聞いたって言うかライブで見てたよ。食堂のプロジェクターで延々と」


「それ盗撮って言わない?……もぅ……私たちだけ知らないなんて……ひどいじゃない……」


湊がふくれっ面になる。そんな顔も可愛い。


「まあまあみんな応援したいんだよ。それで?実際モブ男君のことどう思ってんの?」


これだけの人数に聞かれては答えるしかなかった。湊は少し考えて……


「……好きよ。あれから全然告白もしてくれないところも含めてね」


(!!!???)


「言いやがったなぁ。でもホントに告白されてないんだ」


「うん、なんだかタイミングが掴めないみたい。そこも可愛いんだけどね」


「湊お姉ちゃんから告白しないの?お兄ちゃんの行動待ってたらいつまでたっても告白してくれないよ?チキンだから」


(妹よ……兄は人間だ……)


「ふふ……巫女ちゃんが言うならそうかもね。けどね、巫女ちゃん。武流君はきっと自分から告白したいんだろうって思うの。それを待つのが今の私にできることなんじゃないかなってね」


「お〜いい女だなぁ湊ちゃん!うちの嫁に来い!」


チア部の三年生が湊を抱きしめた。


「嬉しいお誘いですけど残念ながら売約済みですよ先輩」


湊がスルリと躱すと今度はフィオが抱きついた。


「キャッ!フィオまでなにしてるの!?」


「ミナト可愛いなぁってネ!……ん〜?ミナト!ちょっとオッパイおっきくなってナイ!?」


「なってないわよ!……それと……フィオに言われるとなんか複雑なんだけど……」


お約束はこれくらいでいいか?武流。


(…ありがとうございました…)

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