表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公とモブ  作者: 文月助椛
〜第三章〜ようやく出ました真ヒロイン、彼女の無双ぶりは作者の熱が落ち着くまでは続くのでついて来てください!とモブ
25/70

突然の思い付きとモブ

ある休み時間の女子トイレ。


(トイレ始まりはやめろ!)


豊田、豊橋、豊川の三人が話をしていた。


(無視か……)


別にトイレじゃなくてもいい気がするが女子特有の事なのでとやかく言っても仕方が無い。


「湊どーよ」


「あ〜あの子超いい子だよね。ブってないし可愛いけど男に媚びてないし、嫌味がないってーの?」


「こないだ一緒に遊びに行ったじゃん?あんときオシャレとか超詳しかったし色々教えてもらっちゃった。女子力高いよね」


「あ〜あたしも。なんか前から友達だったみたいな?話しやすいよね〜」


転校早々大絶賛だ。普通あれだけ男子に騒がれたら、女子からは嫌われそうなものだがそんな事はないらしい。


「でもなんかさ〜やたらモブ男に絡むよね。なんでだと思う?」


「モブ男が好きとか?でも他の奴とかと喋る時とあんま変わらなくない?席も近いし普通じゃね?」


「モブ男いじりやすいしな。Mかな?」


(ひでぇ!)


そこへ湊が現れる。出入り口からではなく個室からだ。少し照れ臭そうな顔をしている。


「ちょっとぉ……普通こういう時って悪口言ってる時に出てくるもんじゃないの?あれだけ褒められると出てきにくいじゃない……」


「あれ?湊いたんだ。でもまぁいいじゃん。本音が聞けてよかったじゃん?」


「照れるだけよ……」


湊の顔が赤くなる。


「ちょ!なんだこの可愛い生き物は!」


「やめてったら!」


益々顔を赤くして語気を強める湊。


「ゴメンゴメン湊。でもあたしらみんなあんたの事嫌ってないから」


「ありがとう……も〜恥ずかしいなぁ……」


「それで結局モブ男の事はどうなの?どー思ってんの?」


(!?)


「仲の良いただのクラスメイトよ」


ニッコリと、しかしそれ以上聞けない空気を作りながら微笑んだ。


「だよな〜モブ男だもんな〜」


(ですよね〜……)


(今の所は……なんて言ったら噂されちゃうかな?)


(なんだ!?今の那古野だよな!)


場所は変わってS.T.A.F.F部室。


(ちょ!今のちゃんと聞かせてくれ!)


女子トイレの話をもっと聞きたいとか言っている変態は無視して……いつも冷静で冷徹な礼那が突然叫んだ。


「yaーhaー!アメフトや・ろ・う・ぜ!」


「姉さん!急にどうしたの!?あまりのキャラの変わりっぷりに弟の僕でさえビックリだよ!?」


「コホン、済まない……つい熱くなってしまった……」


礼那は、自分の考えられない程のはしゃぎっぷりに考えられない程顔を赤くしていた。その様が智の心の琴線に触れた。


「姉さん可愛いよ!抱きつかせてくれ!頬ずりさせてくれ!うちに持って帰って暗い部屋の隅っこでprprさせてくれ!」


「やめろ!要求が具体的すぎて死ぬほど気持ち悪い!」


礼那は心底気持ち悪がっていつものボディからの顔面パンチを決める。


「しかしまぁなんだってアメフト?あんまりメジャーじゃないよね」


「そうネ。ヨーロッパでもマイナーヨ」


忠臣とフィオが疑問を口にする。すると礼那が一冊の本を掲げた。それは結構前に週刊少年漫画雑誌に連載されていた……そのまま使うと厄介なので……[アイゴーグル48]というマンガだった。


「部長……マンガも読むんですね……」


「そんなことはどうでもいいが、これは面白いな!もちろんマンガだからディフォルメや御都合主義なのはいいとして、それを差し引いても面白そうだ!専門職のスポーツというのもまたいい!」


礼那は本当にらしくなく熱く語り出した。


「まぁ俺は姉さんがやりたいと言うなら止めないし、丁度アメフト部からの大口の依頼も来てるしいいんじゃないか?」


いつの間にか復活した智がパソコンの前で同意した。依頼の内容はこうだ。


[所属:アメフト部 人員:六名以上 詳細:紅南高校との交流試合までの間、練習も込みで参加できる人]


「あと補足で一年生歓迎と書いてあるから勧誘の意味もあるのかもね。あそこ人数少ないから。それと不確かな情報だけどこの対外試合で負けたら廃部って噂もあるね」


「ああ、確か人数が足りない上に年単位で負け続けているからな。恐らく本当だろう。取り敢えず廃部を回避できるだけの戦力補強と勧誘が目的だろう」


「かなり追い込まれてるんじゃないか?こんなに報酬出すなんて相当な覚悟だろ?」


S.T.A.F.Fへの報酬は食券だ。殆どの部活は部費と部員の積立を食券に換えて払っている。当然部費と部員が少ない所はその捻出に苦労しているはずだ。


「いいシチュエーションじゃないか。私たちが行けばアメフト部は助かる。私は楽しめるしS.T.A.F.Fは儲かる。いいことづくめだ」


「二つ目は完全に私欲だよね」


しれっと大和が突っ込む。


「いいんじゃない?誰も損してないし」


「ところで勝つのは前提で話してるけど勝算はあるのか?負けっぱなしのチームだろ?」


徹のつぶやきにみんな考え込んでしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ