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主人公とモブ  作者: 文月助椛
〜第二章〜ようやくプロローグが終わったところでやっと話が回していけるかと思いきやまだまだ書きたい所までのパーツが足りなくて四苦八苦!とモブ
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単騎特攻とモブ

通話が切れてすぐに智が言う。


「今の相手のケータイを逆探知してみたんだけど……場所が駅前だったよ。ミスリードだね多分」


「そうだろうな。安城、一応心当たりを聞いてみるが」


「心当たりか……多過ぎて絞りきれねぇな」


そうなのだろう。なにしろ徹と忠臣は、小学校からケンカばかりしていたのだから、それこそ町中の不良から恨みを買っているのだろう。


「だろうな。だがある程度は絞られたな。相手は他校の高校生、恐らく少なく見積もっても20人以上、それだけの人数が隠れられる場所はそう多くはないだろうな。そして地理的に商店街から見て学校の裏側の地域は外していいだろう」


20人と言うのは礼那の勘と言うよりは、徹と忠臣の評価と言えるだろう。なにしろ入学初日に学校の不良たちを倒してしまっているのだから。


「それを踏まえて智以外の男たちは手分けして探索、この地図で役割分担しておけよ。智は分析と情報収集に当たれ。女子はここでそれぞれサポートに回れ。では行動!」


「「おう!」」


男子たちが自分の分担の地域を決めて出て行こうとした時に礼那が釘を刺す


「一応言っておくが見つけても無闇に飛び込むなよ。飛島と安城、お前らだ」


「……はいよ」「……」


翔は一応了解したが徹は無言で飛び出して行ってしまった……


「あいつは……自分のせいだって思ってる分尚更危ないな……あいつと忠臣の連絡役はあたしがやるよ。少しは抑えになるかもしれんからな」


魅華が買ってでた。


「それと……」思うところがあるようだ。何処かにメールしている。


「智、非正規部員に再度メールだ。有力な情報提供者には食券を出しても構わん」


武流たちが街で聞き込みや捜索を始める。遥香たちが攫われた路地付近や雑居ビルの地下、郊外の廃工場などだ。


『大和です。商店街付近の情報からやっぱり学校と反対の方に行ったみたいです』


その情報と共に、犯人の背格好の情報も智に届けられ、捜索班に伝えられた。


それから一時間、忠臣が河川敷の倉庫の敷地に足を踏み入れた。すると建物の入り口から声が聞こえる。


「雷神の奴、来るかな」


男が二人雑談している。見張りだろうか。


「人質がいるんだし来るだろう。それにもし来なかったら俺たちみんなで[お楽しみ]になるだけだろ」


ゲスがゲスな会話をしている。


(ビンゴ!)


声を出さないように智にメールを打つ。普段の冷静な忠臣ならここで大人しく援軍を待つのだが、人質がいるのでそうも言っていられない。


(想定数二十人……なんとかなるかな……それに俺は釘を刺されてないしね)


(忠臣!)


忠臣の様子を聞いていた武流がすぐに智に電話する。


「智!みんなを急がせてくれ!忠臣は一人で突っ込む気だ!」


「なぜわかるんだ」と、言わせる間も無く通話を切り河川敷に向かう武流。


(俺が行ったところで役に立たないかもしれないけど……行かないのは男じゃないだろ!)


見張りたちの雑談は続く。


「雷神たちが来たとしてもこっちは今二十人いるし、それに……」


言い終わる前に、忠臣の靴が座っていた男の顔に減り込む。驚いているもう一人が声を出すより早く、忠臣の拳が顔面に叩き込まれて二人は床に沈む。瞬殺だ。


このまま少しずつ減らせないかと扉を慎重に開ける忠臣。中を覗こうとすると、突然その扉が乱暴に開かれる。すでに中にいた連中は臨戦体制だった。


「俺は〜……通りすがりで……」


忠臣はいつもの軽い口調で言うが、それに乗っかるような状況ではなかった。


(間に合え!)


武流はさらに加速した。

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