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主人公とモブ  作者: 文月助椛
〜第二章〜ようやくプロローグが終わったところでやっと話が回していけるかと思いきやまだまだ書きたい所までのパーツが足りなくて四苦八苦!とモブ
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S.T.A.F.Fの日常とモブ

異常に長く感じた新学期初日から明けて二日目……いや、実際にはまだ明けていない深夜……


初日の疲れからか焼肉の胸焼けが治ったからか、武流は深い眠りについている。


疲れと言ってもザックリ言ってしまえば、新学期に学校に行って部活に参加しただけなのだが、妙に内容が濃かったのも事実なので、武流の疲れも仕方ないと言える。軽く流してしまったが失恋もしてるしな。


「そうだよ!失恋してたんだ!」


あれ?起きてたのか。


「起こされたんだよ!なんで今日も深夜始まりなんだよ!」


そんな武流の抗議の声に合わせる様に、部屋の扉が乱暴に開かれてそこそこ厚めの雑誌が飛んできた。


「私はお兄ちゃんに起こされたよ!」


巫女が言葉より先に雑誌の角を武流に命中させる。武流はまた、巫女の言葉を最後まで聞く事なく気絶した。




翌朝ー


目覚ましと共に、酷い頭痛に苛まれる武流。頭痛も酷いがその顔色はもっと酷い事になっていた。


(お前のせいだろ!二日続けて夜中に起こしやがって!)


お、ちゃんと学習してるじゃないか。なぜ昨晩は心の中で叫ばなかった?


(う、うるせぇなぁ…いきなりで忘れてたんだよ)


所詮その程度か…小物だから仕方ない。




場面は移って放課後ー


「うおっ!?」武流は突然の声に思わず声をあげた。


場所はS.T.A.F.F部室。正規部員による事務処理の作業中だった。


「どうしたモブ男。サボってエロサイトを見てたら特殊な性癖のページに飛んでしまったような声をあげて……」


ポテチをかじりながら魅華が言う。なぜ魅華が部室にいるかと言うと、顧問だからだ。これも智が言っていた[集めさせてもらった]の一つだ。


「……なんですかその具体的かつ高校生が共感し辛い例えは……」


「ん?よくあることじゃないのか?たまに忠臣の部屋から聞こえてくるぞ?」


(またこの人は弟を貶めるようなことを……てゆーかお前!今日一日静かだと思ったらいきなり出てくるなよ!)


いやだってストーリーの進行次第だから仕方ないだろう。慣れてくれ。


(くそ……厄介な力だな……)


今日は普通に部活の日だ。とはいえ事務処理がメインの部活なのもあり、忙しいことはあまり無いようで、依頼が来ても人員の選定は、智が作った派遣人員検索ソフトを使えば条件を入力するだけで勝手に選定して、斡旋のメールが自動的に送られる。


正規部員の仕事はその条件入力と事後処理と会計くらいのものである。[多少パソコンが使えれば誰でも簡単に出来るお仕事です!]だ。


「まぁそこらのパソコンと違って、僕特性のアンチウイルスをインストールしてあるからね。現存のウイルスの侵入なんかはありえないからどこに飛んでもらっても構わないが……履歴が残ると恥ずかしいぞ」


智がエロサイトを閲覧している前提で話してくる。


「女子がいる前で俺を貶めるのはやめてもらおうか!」


だがそこにいる女子は基本的に男子に興味がない礼那と、そもそもエロサイトの意味がわからない遥香の二人だけだった。


「そう言えば今日は巫女はどうしたんだ?昨日の今日で派遣先もないはずだろ?」


「そんなことはないが……今日はたまたま金山さんがサッカー部に掃除の派遣があったからな、実習も兼ねて一緒に行ってもらってる。仲もいいらしいし丁度いいだろ?」


能力に応じて派遣されるのは正規部員も同じで、家事のスペシャリストたる千種は、大掛かりな掃除や料理部の特別講師としてよく派遣される。


「うん、ちーちゃんと巫女ちゃんは仲良しだよ。小学校の頃なんかはホントの姉妹みたいに一緒に遊んでたしね」


大和もいた。その横はちゃっかり遥香が座っている。今日は大和を独り占めなのが嬉しいのか、終始いつも以上の笑顔だ。


「大和さんも一緒に過ごしてこられたんですよね?みなさん兄妹みたいで羨ましいです」


当然そこには巫女の実の兄たる武流も入っているはずなのだが遥香にとってはそれはどうでもいいことだった。


(くっ……わかっちゃいたがお前にハッキリ言われるとジワジワくるな……)


「うん、武流と四人でいつも遊んでたよ。ね、武流」


大和の優しさが身に染みる。そんな空気を無視して智が急に……


「あ、姉さん。○○社の株価が下がってるよ。買っておく?」


「いや、その株はまだ下がる。明日の朝1番で2万株程買って14時に全部売ってくれ」


「わかった。僕の予測ソフトと食い違いがあるね。修正修正っと……」


津島姉弟はデイトレーダーでもあった。しかしなにやら違和感がある。礼那の先読みがあまりにも先を行き過ぎているのだ。礼那曰く勘らしいのだが、データ主義の智がデータよりも姉の意見を優先している。それくらい、礼那の勘は常軌を逸しているのだ。


「お前ら部活中になにしてんだ!」


一高校生の武流にとってはそれがどれくらい凄いのか今一ピンときてないようで、当たり前のツッコミしかできないようだ。なのですぐさま反撃を食らう。


「なんだと?貴様たかが高校の部活と、真剣勝負の株取引とどっちが大事だと思ってるんだ」


礼那の言葉に智が追い打ちをかける。


「そうだぞモブ男。こっちは一瞬の判断ミスで何百万の損害が出るんだ。分かっているのか?事の大小をわきまえろ!」


部活としては武流が正論なのだが姉弟のコンビネーション攻撃と、武流の許容範囲を大きく超えた金額に怯んでしまった。所詮は小物だ。


(悪かったな)


「礼那さん」


金額では怯まない遥香が助けてくれるかと思いきや…


「そういえば礼那さん、春日井グループの株は今後どうなりますか?」


「お前のところは大丈夫。今後10年は安定成長だ」


「うん、僕のソフトでも問題は出てこないよ。デイトレーダー的にはつまらないけどね」


規模が大きすぎて武流と大和は口を挟めない。仕方ないので作業に戻る二人。


すると依頼の確認をしていた大和が不思議そうな声を出す。


「あれ?この依頼って……」

ご指摘いただいた部分、及び自分で気になる部分の修正しました。

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