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記録  作者: 朱尾
7/7

REC_07_ARCH

その映像は、昼間に撮られていた。


スマートフォンの画面いっぱいに、光がある。

子供が笑っている。

私の声も入っている。


彼は、ぎこちなく手を振っている。

怒鳴ってはいない。

腕も、振り上げていない。


ただの、家族の映像だ。


私は再生を止めずに、

同時に、別の映像を思い出していた。


夜。

リビングの中央。

何もない場所。


映っていなかったのではない。

映らない位置に、追いやられていただけ。


過去の映像は消さない。

再生しなくても、消さない。


記録は、正確だから。


スマートフォンを伏せる。

部屋は静かだ。


それでも私は、

何も映っていない場所から、目を離さない。


それが、

私と子供が生き残るために覚えたことだった。

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