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唯一の憧れ

作者: Ra

何を求めているのだろうか。

大学生になった梨緖を考えていた。大した努力もせずに進んでしまったからだろうか、自分に納得できた覚えがない。

何か大きな事を成し遂げたい、みんなに認められて賞賛を浴びたい、尊敬のまなざしを向けられたい。

こういったことを考えるだけで特に何も行動はしていない。

大きな不満があるわけでもないし、友人関係、家族関係には不満は特にない。全くないと言ったら嘘になるが全くない人の方が少ないだろう。

この当たり前が幸せなのだということは十分に理解できていると思う。

けれども、どこか満たされないと感じてしまう。もっと自分にいいことがあっていい、思い通りになってもいいと思う。

だって主人公なんだから。

いつもこんなことを考えてしまう。そして現実と向き合ってこんなもんだよなと期待するのをやめてしまう。

大学生になって時間の余りを感じていたので、ふと何かをしなくてはという焦燥感に襲われた。

そこで、気軽に小説でも書いてみよう、思い立った。

夢や趣味を物ごごろついた頃から持ち合わせていない梨緖であったが、なぜか小説を書いてみたいなという気持ちは中学生の頃からあった。

一見すると突発的なことではあるが、彼の唯一の昔からの憧れのような物であった。

もしかすると、文豪と評される人の生まれ変わりだったりするのではないかと冗談めかしにも思ったりしていた。

決して本が好きというわけでもない。人生で読んだ本の数なんて20冊にも満たないだろう。

一冊読み終えるごとにその本の世界に入り込み、感傷に浸り、時には涙も流した。

けれどもそれは、自分に酔っていたのかも知れないと思ったりもする。

だいぶひねくれている節があるのだ。



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