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~秘密基地~

「エトロフ、この子・・・」

お姫様が遠慮がちに言うと、エトロフは笑いながら、

「気にしないでくださ~い♪ここはそういう子が集まって普通の暮らしをするところですから♪」

「ね~リーアちゃ~ん。はやくいこ~っ」

左目に傷のある少年が言いました。

「ボクはショーンといってね、5才のトキに、ここにきたんだ」

ニコニコしながら言うと、ショーンは駆け出しました。

「木のあるところまでキョウソウだよっ!!」

お姫様も動きやすいワンピースを借りて、走り出しました。

「ショーン、少しはやいよっ」

息を切らしながら追いかけていくのは、右目に傷のある少年でした。ショーンとよく似ています。

「ジョーイ!キミがおそいんだよっ。はやくおいでっっ」

ショーンが笑いながら言いました。そしてショーンはお姫様の方を向いて、

「僕たち双子なんだ!似てるだろう?」

と言いました。お姫様は木の一番上に上ると、

「まあ、いい眺め!ショーンくん、ここに秘密基地を作らない?」

とショーンに微笑みました。ショーンは首を大きく立てに振ると、

「でもコルディの木だよっ」

と首を傾げました。お姫様は笑いながら、

「大丈夫よ!だってここはあなたのおうちなんでしょう?」

とショーンと手を繋いでいいました。そのまましばらく沈んでいく夕日を見送ってから、お姫様はコルディに秘密基地の話をしました。


「いらなくなった家具や家電製品を使って、家をつくるの。組み立てるのは木の上よ。そういうのを、ツリーハウスって言うのだけれど・・・」

お姫様は何度も頭を下げて、コルディにお願いしました。ショーンやジョーイも必死にお願いしました。というのも、コルディは「危ないから」と、ずっと反対しているのです。でも、お姫様はどうしてもツリー・ハウスを作りたかったので、必死に、必死にお願いしました。

「でも、たくさんの人が入るのでしょう?」

コルディはまだ不安そうです。

「大丈夫よ!!」

お姫様は明るく言いました。

「入るのは一回五人までにして、誰か大人が一緒にいるの。それなら、事故が起きてもコルディさんたちにすぐ伝えられるし、木に負担がかかることもないわ」

そんなこんなでコルディを説得しつづけたお姫様は、結果を聞かないまま眠りについてしまいました。


朝、お姫様が目を覚ますと、昨日目覚めたときと一緒の場所にいました。

「姫君」

聞き覚えのある声がドアの向こうからしました。

「ヨシュア?」

お姫様がそうきくと、ドアがゆっくり開いて、

「そうだ」

とヨシュアが入ってきました。

二人でキッチンに向かうと、エトロフが大きい木の板を運んでいました。

「エトロフ、その板、どうしたの?」

お姫様がきくと、エトロフは笑いながら、

「ツリーハウスですよ!お姫様♪」

と額の汗をぬぐいながら言いました。

お姫様が朝食をすませて庭へ出ると、木の周りに人だかりがありました。

ガンジがさっきエトロフの運んでいた木の板を木に固定しています。

他にも壊れた冷蔵庫や棚、使わなくなった服がどんどん運ばれていました。

「冷蔵庫や棚はわかるけど・・・」

お姫様が呟いていると、ショーンがこう答えます。

「服はカーテンにするんだ!屋根も壁もあるのが、ツリーハウスだろ?」


三時間くらいたったのでしょうか。

ひとまず一軒のツリーハウスが誕生しました。

「小さい棚やカゴも作りたいわね」

内装を見ながらお姫様が言いました。

そして、ヘトヘトに疲れ果てたみんなを見て、

「みんなは昼食を済ませた後、部屋でくつろいでいてね」

と元気に叫びました。


昼食を済ませた後、お姫様はコルディにショートパンツを借りて、作業を始めました。

ツリーハウスにはしごをつけたり、望遠鏡を枝にぶら下げたりしています。

「リーア!!」

お姫様がツリーハウスの中に棚を設置していると、下から声がしました。

ショーンの声です。

「ショーン! みんなと休んでいなくていいの?」

お姫様がそうきくと、ショーンはニコっと笑って、

「こっちのが楽しそうなんだもんっ」

と言いました。

「ショーンは働き者なのね」

一通りの作業を終えて二人がツリーハウスでくつろいでいると、

「少し背中が痛くはないかい?」

という声がしました。下を見ると、コルディが毛布を両手いっぱいに持って、

「私も入れておくれ!」

と叫びました。

お姫様は毛布を受け取って、ショーンがはしごを下ろしました。コルディが苦労しながら上ってきます。

「ジュースがあるわよ」

お姫様は棚の上においてあるビンとコップを手に取り、コップにオレンジジュースを注ぎました。コルディはその一杯をあっというまに飲み干して、

「そろそろお菓子の時間だから、私はもう行くよ」

とはしごを下り始めました。


「楽しい人ね!」

「それにとっても優しい人さ!」

お姫様とショーンはそんな話をしながら孤児院へと向かいました。

秘密基地をつくるお話でした。

作者の生きる時代(今ですが;)は、ツリーハウスをつくれるような木も、スペースもありませんよね。作ってみたいものです@@;


今回、お姫様とショーンが少し仲良くなりました。

ヨシュアとガンジも少しですが出てきましたね。


さて・・・


一話からちっとも成長していない私ですが。


みなさんから見て、どうでしょうか?


少しでも成長していたら嬉しいです。

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