~魔法の絵・2~
「王家の生き血で現される、『魔龍の白絵』よ」
「てことは・・・」
お姫様の説明にガンジは驚きました。そして、目を瞑りました。
お姫様はポシェットからナイフを取り出して、指先に切り傷をつくりました。切り傷からは、血が滲み出ています。エトロフとヨシュアとガンジは、少しだけですがどよめきました。
お姫様はそのまま、滴り落ちる血を真っ白い紙の真ん中に一滴落としました。
するとどうでしょう。さっきまで真っ白だった紙は、みるみるうちに素敵な一本の大木と、周りに集まる動物たち・・・それと・・・幼き少女を映し出したのです。
「これは、お父様が元気だった頃に私と二人で冒険に出かけたときのものなの。最も、五歳にもならなかった私の記憶には残っていないけれど・・・」
残念そうに、お姫様は言いました。
「なぁ」
突然ガンジがお姫様に言いました。
「俺たちが何でオマエに接触したか・・・知ってるか?」
エトロフもなるほど、という顔をしています。
でも、お姫様にはわけがわかりませんでした。
「そういえば、どうしてなの??」
これまで普通に三人と過ごしてきたお姫様ですが、今になって疑問が浮かびました。
「獣三盗賊というくらいだから、お城の秘宝が目当てとか・・・?」
お姫様はあてずっぽうで言いましたが、ガンジは、
「ご名答」
とニヤリと笑いながら言いました。
「でも、どこにあるかわからない秘宝なんです♪」
エトロフも、微笑みながら、言いました。そして、
「ヒントは、『幼き者との同じ時を生きる絵』なんです」
と続けました。
その言葉を聴いて、お姫様はやっとわかりました。
『幼き者』は、私のことなんだ。そして、『同じ時を生きる絵』は、この絵しかない、と・・・。
そのときガンジがなにか思いついたようにいいました。
「もしかして、その絵の場所に行ったら何かわかるんじゃねぇか??」
「確かに! ガンジくん、やるぅ~♪」
エトロフも感心して言いました。でも、お姫様は残念そうな顔をして、うつむいてしまいました。
「どうした、姫君」
ヨシュアはそう言い、
「その場所なら、わかるぞ」
とも言いました。その言葉を聞いたお姫様は、不思議に思いました。
このお城の近くには一本の木だけが生えている場所はないからです。もしかしたら、遠いところかもしれません。
「どこにあるの?」
お姫様の疑問に、ヨシュアは、こう答えました。
「全ての答えは空に」
お久しぶり~^^ハルでございます♪
『お姫様と不思議な仲間たち』も、ついにここまできました!
でもでも、まだまだ続くのですよ♪
*ここからネタバレ! 後書きから読む人は注意*
魔法の絵には、王家の血が必要だったんですね! ちょうど今人差し指を怪我してるので、このシーンを読み返すときは痛みがともないました・・・@@;
さぁ、一本の大木が生えている場所とは?次号、新展開・・・カモ。
次話、お楽しみにどうぞ^^