~馬車~
この物語はフィクションです。
人物・団体・国などとは、一切関係ありません。
それを頭の隅に置いて、物語をお楽しみください^^
奥の部屋は行き止まりで、ほこりを被った銅像が真ん中にひとつあるだけでした。
「sukosisagattete.」
ローズはポケットからとある鍵を取り出し、銅像の後ろに行きました。四人は部屋のギリギリまで下がります。
ローズが頷いて、鍵を銅像の後ろにある小さな穴に差し込むと、銅像は急に沈み始め、階段が現れました。
それぞれランプを持ち、階段を降りはじめます。
しばらくすると、明かりのついた部屋に着きました。そこには……
たくさんの馬車が並んでいました。
大きな南瓜で造られた馬車や、木の馬車、形も大きさもバラバラでした。
「たくさんの馬車があるのね」
リオが感心していると、レンは、
「着いたようだ」
とつぶやきました。
五人の前には、大きな扉がありました。
ローズが扉を開けると、三つの登り階段がありました。
「どの階段を進むの?」
リオがきくと、ショーはローズに尋ねました。
「donokaidanwonoborundai? roozu.」
「migigadeguti,hidarigaumanoheya,mannnakagawatasinoheyahetunagatteiruwa.」
「右が出口、左が馬舎、真ん中の階段はローズの部屋へと繋がっているらしい」
レンがリオに言いました。
「hidarinokaidanwosusumuwayo.」
ローズが手招きしました。左の階段を上って、馬舎へ行くそうです。
五人が左の階段を上っていくと、馬の声が聞こえてきました。
ヒヒ~ン、バフン、ヒィーン……。
ローズは、
「mousorosoroyo.demo,doawomituketemo,hairanaide.kagiha,aiteirukedo...」
と言いました。
「もうすぐだ。だがドアを見つけても入るな。鍵は開いているが……」
レンは訳しました。
レンの訳した通り、少し歩くとドアが見えてきました。リオの中の好奇心が疼いて開けたくなりましたが、開けちゃダメ、開けちゃダメ……と心の中で言い続けました。
「kokoyo! sukosi,hanaretete.」
「ここらしい。リオ、少し下がれ」
レンに導かれるまま、リオは二、三歩後ろに後ずさりました。
それを確認したローズは茶色のフードを被り、マスクをしました。
『ガチャ。。。』
ローズは両足をふんばって、重いドアをこじ開けました。
ドアの向こうからしたのは、言葉に表せないほどの異臭と、うるさい馬の鳴き声でした。
「な……なに、この臭い……?!」
リオはポケットに入っていたハンカチで口を塞ぎ、レンの後ろに隠れました。
「bahuntoyobarerumonoyo.hiryouninarukara,itteinoryouwokoerumadetotteokuno.」
レンが質問すると、ローズはすぐ答えてくれました。レンはそれをリオに説明します。
「馬糞と呼ばれるもので、馬の糞だ」
「馬のフン?! だから臭いのね……。にしても、こんなに臭いなんて。手入れをしないのかしら??」
リオは驚いて、思わず口からハンカチを落とし、その拍子に臭いが口から入り、リオは顔をしかめました。
「バッカだなぁ」
リオの問いに、ゲンが気の抜けた声で言いました。
「馬糞は肥料になんだよ。だから一定の量になるまで捨てねーの!!」
ゲンは「こんなん当たり前だっつーの」とでも言いたそうな面倒臭そうな顔をしながら言いました。
「教えてくれてありがと」
リオはゲンの言い方に少しムッとしましたが、教えてもらったことには変わりないので一応お礼を言いました。
「sorosorohairuwayo...toiitaitokorodakedo,sonomaenikorewokinasai.」
ローズがそう言って、右隣にある棚に置いてあったフードと大きめのマントを四人に配りました。
「これを身に着けろ」
リオはレンに言われるまま、フードを被り、マントを全身を覆うようにして包みました。
「...zenninnminituketayoune.hairuwayo!!」
「入るぞ……!!」
マントのポケットに入っていたマスクで口と鼻を隠し、フードを深く被って全員は部屋へと入りました。
どうですか?
物語を楽しんでいただけたでしょうか。
次話、ついに馬車を手に入れることができます。
では、お楽しみに!!