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~嫌な予感~

あの後、子供たちに遊びに行かせたコルディは、エトロフとお姫様を部屋に呼びました。

「・・・おじゃまします・・・」

俯きながら入ってきたのは、お姫様でした。コルディは微笑しましたが、お姫様の瞳に映るコルディの顔は、まだ泣き止んでいない、頼りない姿でした。

(コルディがそうなったのは、私がこの孤児院に来てしまったから---)

お姫様はそのことで頭がいっぱいでした。


孤児院に来たのは、お城を出て、宝物を発見した後でした。

大烏に変化したヨシュアに子狐姿のエトロフとお姫様とガンジが乗って、近くの町へ向かっていました。

ガンジがどうしても町にある鍵屋によって行きたいと言ったからです。

鍵屋とは、合鍵を作る場所です。でも、それは表向きの仕事。裏ではガンジみたいな『鍵師』に鍵を与える仕事をしています。鍵屋は全国にちらばっていますが、この町の鍵屋は世界に三つしかない鍵を持っていたりする有力な鍵屋で、ガンジはお得意さんでした。

鍵屋につくと、丁度鍵屋の店主がとある合鍵を作り終えたところでした。

「おまちどう、お嬢さん。道中お気をつけて」

店主の老人が女の子に鍵を渡すと、ガンジに気づいて、会釈をしました。

「ガンジくん、またきてくれたんだね。いらっしゃい」

「香老師、さっきのコは?」

ガンジが聞くと、香老師は「弟子のやつの妹さんさ。」といいました。

「家の鍵を無くしたらしいんだけど、最近の鍵屋はあれくらいの年が客だと、親の了承を得ようとするからねぇ。でもあのコは、お父さんが厳しい人だから、バレたくないんだとさ。まあ、うちは古来からの鍵屋を営んでるからね」

「でも親の了承を得ようとするのも無理はない」と香老師は続けました。「鍵泥棒が多い世の中だからね」

「鍵泥棒?」

お姫様が香老師に尋ねました。すると、ガンジが代わりに答えました。

「親にヒミツで鍵を手に入れた子供を騙して、一生奴隷にしちまうのさ」

お姫様はひどくショックを受けました。お城で住んでいるときは、騙したり、騙されたりすることはなかったからです。

「今の親は、子供が自分にヒミツをつくると、すごく怒るんですよ。・・・虐待とかもあったりするし・・・」

エトロフが自分の右手をさすりながらつぶやくように言いました。お姫様が不思議に思っていると、ヨシュアが、「気にするな」と小さく言いました。

その後ガンジは新しい鍵を二つ買いました。それからガンジたちがこの町にくるのは久しぶりだということを知ったお姫様は、四人で買い物に出かけることしました。

買い物を終えると、辺りは真っ暗。その上雨まで降ってきて、四人は近くの宿に駆け込みました。

でも、いきなりの雨。どの宿ももういっぱいでした。それでお姫様が困っていると、エトロフが言ったのです。

「近くの家に泊めてもらいましょう♪」


それでたどり着いたのが、この孤児院でした。お姫様は自分のツテを使えば、宿の一室ぐらい取れると言ったのですが、「せっかく脱出したのに、もったいないこと言わないでくださいよ」とエトロフが言ったので、しかたなくこの孤児院にお世話になることになりました。


最も、そのときエトロフは顔を曇らせていたのですが---・・・。

今回はお姫様たちが孤児院にお世話になるきっかけを書きました。突然舞台が孤児院になって、混乱していた方もしたでしょうからね。遅くなって、すいません;


エヴィが誘拐されたのは、自分のせいだと思っているお姫様。そんなことない、と誰が言っても、お姫様は自分を責め続けています。

エトロフは顔を曇らせています。それはいったいなぜか・・・


すべては次話に続く!!

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