表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/23

~エヴィ~

孤児院へつくと、みんなは食堂で遊んでいました。人形遊びをしたり、ボールを転がしたりしています。

ショーンはジョーイの方に近づいて、遊びに混ざりました。お姫様はキッチンに行って、暖かいココアをつくりました。ミルクたっぷりの甘ぁいココアです。

「リーア、なにのんでるの??」

薄藍色の髪と瞳をした少女が話しかけてきました。

「これはね、ココアという飲み物なの。甘くて美味しいわよ。飲んでみる?」

お姫様はそう言うと、小さいコップにココアを少し注いで、少女に差し出しました。

「ありがとう。・・・(ごくん)・・・!! おいしいのねっ」

少女はココアを一口飲んで、笑顔でそう言いました。あっというまに飲み干したけれど、まだ物足りなそうだったので、お姫様は、

「おかわりはいかが?」

とききました。少女の顔はパァっと明るくなり、

「うん!!」

と元気に返事をしました。


ココアを飲み終えたお姫様と少女は、少しお話することにしました。

「あたし、エヴィっていうの。エヴィ・グロッサ」

「まあ! ステキなお名前なのね。私の国では、エヴィというのは四神の一人で、水を司る神様なのよ」

「へえ? あたしの住む村では呪われた魔女として有名だったわ。でも、神様の名前でもあるのね。しかも水?! あたし、お水が大好きなの。嬉しいっ」

「水が好きなのね。他に好きなことはないかしら? 私、あなたの・・・エヴィちゃんのことを、もっとよく知って、仲良くなりたいの」

お姫様とエヴィはその後も自分の住むところや好きなこと、ものについて楽しく話しました。


しばらくして、コルディがご飯の用意を始めました。お姫様は料理の手伝いをして、エヴィはお皿を運んだりしました。

子供たちが席につくと、大きな声で「いただきます!」と言いました。

「今日の料理はリーアの国の特産物で、貴重なものなの。味わって食べなさいね!!」

コルディがそう言うと、いきなり子供たちの食べるスピードががくっと下がりました。

「いいのよ気を使わないで。みんなが言えば私はいつでも、どこでも、この料理を運ぶわ!」

お姫様がそう慌てて言うと、エヴィが、ゆっくり口を開きました。

「・・・でも、リーア・・・。あんな大きなお山を三つもこえるなんて、とってもタイヘンよ」

エヴィが言い終わると、嬉しそうにしていた子供たちも、シュン・・・としてしまいました。

「そうだよな。リーアは木のぼりはジョウズだったけど、山のぼりはタイヘンだもんな」

「一つでも大きなお山なのに、三つもこえるなんて、リーアにわるいわよ・・・」

そんなことを友達同士で言いながら、寂しそうにしている子供たち。リーアは、「大丈夫よ!」と大声で言いました。そして、こう続けたのです。

「秘密にしてたけど・・・」

子供たちがゴクっとつばを飲み込みました。

お姫様は思いました。

(ここで秘密にしても・・・子供たちに悲しい想いをさせるだけ!!)

そして、意を決して、こう言いました。

「私は・・・王国の・・・ユリベリア王国の、王様の、娘なの」

子供たちはもちろん、コルディも驚きの顔をして、ざわめきました。

「だから、馬を従えて、ここに来ることができるの」

お姫様はかまわず続けました。


「だから・・・ぜんぜん悪くなんて、ないのよ」


そのとき、エヴィはとっても嬉しそうな顔をしました。

その笑顔を・・・お姫様は、見逃しませんでした。

新たな子供・エヴィと出会ったお姫様たち。これから、どうなるのでしょうか。

さて・・・

前回、『次話、新展開!!』なんて言ってましたよね?私。

でも、残念ながら新展開につくことはできませんでした。でもそれは、私のせいじゃありません(苦笑)

なぜって?だって、私はお姫様たちの行動を描いて、みなさんにお届けしてるだけですもん。

だから、私は悪くない!なーんて言い訳を考えちゃうんです@@;

でも、本当なんですよ。

お姫様が、エヴィと仲良くなって、料理を出して、秘密をあかして・・・

これからも、少しずつですが、お姫様たちは一歩を踏み出していくでしょう。


みなさん。


そんなお姫様たちを、私と一緒に見守りませんか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ