~お姫様と狼~
大きな広い豪邸の真ん中には、一際高い塔がある。
その塔の周りには森が広がっている。
実はそこは豪邸の中庭で、とても広い敷地と高い塀に守られている。
「アリーテお嬢様!お嬢様ぁ!!」
今日も侍女の声が塔に鳴り響く。
護衛の者たちが森を歩き回る。
そんな中、この国のお姫様は―――…
「捕まんないわよーっだ!お母様の考えることは全部わかっちゃうんだから!」
森の中の一本の木の細い枝に摑まってるのは、この国のお姫様。
足場にしてるのも細い枝。その細い枝が、キシっと、音をたてた。
「やばっ」
思ったときにはもう遅く、お姫様は地面に向かって落ちてしまう…はずが…
「…?」
下は固い土でも草原でもない。フサフサしてる。
『気をつけろよ、異国の姫君』
下を見ると、青い毛に金色の瞳の狼。思わず「きゃっ」と短く叫んだ。
その声が侍女に届き、侍女に掴まってしまった。
「お嬢様!もう、またこんなところで…」
私の下敷きになった狼はもういない。
『また会おう』
そう聞こえたのは、空耳だろう。
はじめまして。
初の小説ですので、おかしい部分もあると思います。
ですが、第二話を一人にでも期待していただければ幸いです。
アドバイスなどありましたら、遠慮なく言ってくださいね。
これからよろしくお願いいたします。