お姉ちゃんは、キミが好き!
僕が、小学5年生になった春……。
「壮、こちらが新しくお母さんになる……」
「こんにちは。律子です。お母さんというか、壮くんのお母さんには負けちゃうけど、これからもよろしくね」
この人が、僕の新しいお母さんになるのか……。
「こ、こんにちは。片岡壮です」
「で、こちらが……」
「こんにちは。今日から、君のお姉ちゃんだよ? これからも、いーっぱいよろしくね!」
お姉ちゃん?らしいけど……。
顔よりも、僕は……。
お姉ちゃんのおっぱいに、見惚れていた。
今までは、お父さんとの2人暮らしだったけど、これからは、楽しくなるのかな?と思っていたら、逆だった。
楽しいには、楽しいけど……
「壮くぅん! あ・さ・だ・よぉーーーっ!!」と毎朝僕の布団の中に入って起こしにくる。
「やぁめぇてぇーーーっ!!!」
必死にお姉ちゃんの身体を押し除けようとしても、
壮→小学生男子チビの部類 そこそこ細い
VS
理佐→高校2年身長デカい、おっぱいとお尻もデカい!ちょっとだけムチムチ?
結果……
「壮くん。朝から疲れてるような顔ねぇ」と律子お母さんに心配される毎日。
「壮くんは、まだまだ子供だもんねぇ」と何故か頭を撫でつけるお姉ちゃん。
「頂きます」
「いっただきまぁす!」と僕よりも先に食べ始めてるのに、何故か食べ終わるのは、僕よりも遅い。
「ふふんっ。美味しいねぇ」
「う、うん」
こうして見ると、仲の良さそうな姉弟だけど。父さんや律子お母さんが、ちょっと席を外したりすると……
「はい、壮くん。あーん、だよ?」とおかずを僕に食べさせたがる。
んで、僕が邪険に断ったりすれば、
「あーん、ママ。壮くんが、いじめるぅー」と泣きついていく。しかも、本当に涙も出ている!
女って……怖い。
小学校と高校だと方向も終わる時間も違うから、唯一休まる場所が、小学校か友達の家!
「そういや、壮。お前んち、新しい家族出来たんだろ?」
「うん」
「お母さんに子供とか、いたのか?」
「うん。いる。お姉ちゃん」と言えば、飛びついてくるのが、男の性!なのか?
歳は?顔は?中学生?高校生?彼氏は?おっぱいデカいか?etc質問攻撃をされる。
「でも、部活とか委員会で忙しいみたいだから、会えないよ?」と先手を打っている。
「どこの高校?」
「武蔵野原高校」と言えば……、途端に声のトーンが落ちるのも男の性!女の性ってあるのかな?
会わせてはいけない!ダメ!絶対!
「お、じゃぁ、また明日な!」
「おーっ!」
「じゃーな!」で大きなスクランブル交差点で4人分かれて、家に帰る。
「ただいま」
玄関には、お姉ちゃんの靴がなかった。
「あら、おかえり。テーブルにおやつあるからねぇ」
律子お母さんは、本当に優しい。そんな優しいお母さんきら、あんなお姉ちゃんが産まれるんだ。
おやつを食べ、お母さんが畳んでくれた自分の洗濯物を持って、部屋へ……。
いる!!
ドアを開け、洗濯物を隅に置いてから僕は、ベッドへと近寄った。
「いるんでしょ? お姉ちゃん!」
「いなぁい!」
いなかったら、返事はありませんよね?
「お姉ちゃん!」と布団を剥ぐと……。
そっとかけ直した。顔まで……。
何あの格好は?
高校の体操服?
あんな小さいの?
とりあえず、無視してたら、ムクッと起き出してきて、
「壮ちゃぁん! ぬ、脱がしてぇ」と情けない声を出して、助けを求めた。
「やぁん、いったぁいぃーー。もっと、優しくしてぇぇぇ」
「だったら、な、ん、で! 着るんだよ、こんなの!!」
スポッと頭が抜けたら、お姉ちゃんの髪の毛ボサボサだった。短パン?を脱がしたら、半ケツになった。
「壮くんの、えっちぃ」
だったら、履かないでよ。そんな小さいの。
つか、よく入ったなーとは、思う。
「宿題やるから出てって!」
「いいけどぉ。もしこのままででたら、ママ誤解しちゃうかなぁ? 壮くん」
「……はぁっ」
で、律子お母さんにバレないように、適当に洋服を持っていけば、
「やぁだ、こんなの! いま着たい気分じゃないもん」と拗ねられ、部屋に連れていって、自分で選んで貰っても、
「じゃ、着・せ・て!」と両腕を差し出してくる。
嫌じゃない……嫌じゃない……
けど、おっぱいが!!お尻が!!僕を誘ってくるんだっ!!
それでも、また泣かれるのが嫌だから、着せてやって僕は部屋へ……。
「ねぇ、なんでついてくるの? お姉ちゃんのお部屋アッチでしょ?」と言ったら、
「宿題やるんでしょ? お姉ちゃんが、見てあ・げ・る!」
「……。」
一度コッソリ、動画にとって、律子お母さんにお姉ちゃんの言葉使いを見てもらいたい。
お姉ちゃんって、こんな言葉使いするの?!
「……で、ここの分子、分母同士を掛けて、お互いを3で割るの。わかった?」
「うん」
お姉ちゃん、頭はいいんだけど。頭は!学校の成績は常にトップ5入りだし、後期生徒会長だし、先生の評判もいいと律子お母さんが言っていた。
きっと、あのおっぱいとお尻の中に、お姉ちゃんの真面目な所が、入ってるのかも知れない。
夜になるとお父さんが帰ってきて、みんなでご飯を食べるから、お姉ちゃんは普通に喋ってる、ような気もする。
「そう言えば、壮くん5年になってから、どの教科もテストの点数上がったんですってね!」
「ほう、そうなのか。良かったなぁ、理佐ちゃんに教えて貰って」
「うん、まぁ……」
それは、本当だから。
もっと普通に教えてくれたら、もっと成績上がるかもなのに!!たぶんだけど。
ご飯食べて、ちょっとテレビ見て、お風呂に入ると、出る頃に必ずお姉ちゃんが入ってくる。
「僕、出るから」
「じゃ、お姉ちゃんが受け止めてあげる」
ん?何を?
「だから、早く出して!」
「なに? お姉ちゃん、僕のオシッコ飲むの?」と聞けば、なんか、それもアリかな?という言葉が聞こえてきた。
変態だ!
僕のお姉ちゃんは、可愛い顔した変態だったんだ!!
僕は、急いで出て、着替えて、部屋に駆け込んだ。
バタンッ……
「あらぁ、可愛いんだからぁ」
私が、初めて弟になる壮くんを見たのは、再婚の顔合わせの日だった。
サラサラな短髪にキリッとし眉に通った鼻筋、柔らかそうな少し赤みのかかった唇。
身長も低くて、私を見て顔を赤くしてた壮くん。
いままで、ずっと一人っ子だったから、初めての兄弟が嬉しすぎて、夜過呼吸になりそうだったわ。
壮くんに頼まれて、宿題を教えてあげた時のあの子供独特の匂い?もぉ、お姉ちゃん好きすぎてどうかなりそうだった。
壮くんは、壮くんで、嫌がってそうな口ぶりだけど、嫌がってはいない。だって、お父さんにもママにも告げてないから。
可愛いよぉ!!
壮くん!!
あぁ、壮くんに埋もれたい!抱かれたい!
襲っちゃおうかしら?
(注:それは、犯罪です)
「あぁ、早く出て、壮くんと遊ばなきゃ!」
「ふぅっ。よし、まだ出てない、な?」
僕は、ドアから廊下の様子を伺って、ベッドに寝転んだ。
どうしたら、お姉ちゃんは、ちゃんとしたお姉ちゃんになってくれるんだろう?
パタパタとスリッパの音が、僕の部屋の前で止まった。
「壮くん、いる?」
「うん、いるけど、なに?」
「アイス持ってきたけど食べる?」
アイス?なら……
「じゃ、貰う!」とドアを開けた僕は、後悔した。
「なに、その格好。パジャマ?」
「うん。知らない? ベビードール」
下着?なのかな?
「これでお父さんの前に出たの?」
「まっさかー。ママ卒倒するじゃん?」
じゃ、僕が卒倒しないと?
「はい、アイス。早く食べないと溶けちゃうよ? おやすみ」
???
「お、おやすみ」
なんか、普通にアイス渡して、普通にお姉ちゃん自分の部屋に入っていった。