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加茂波奏人短編集  作者: しず
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 僕の家ね、ちょっとおかしいんですよ。


 ちょっと広い庭に3つ、建物があるんですけど、物置と、大きい家と小ちゃい家。


 まず大きい家から話しますね。


 廊下の左側、玄関に入って真っ直ぐ進むとね、まずトイレ、お風呂、階段、キッチンって並びなんです。

ここは別におかしくないんです。

水回り固めるのなんて、誰だって知ってます。


 で、問題なんですけど。

階段裏って、大体は物置とかのスペースにするか、埋めちゃうかするじゃないですか。


 でも僕の家、そんなのないんですよ、どこにも。

外壁とか、軒下にも入る場所ないですし。


 いやいや、埋めてもないんです。

さっき風呂場って言ったんですけど、正確に階段に面してるのは脱衣所なんです。

それで、風呂から上がって体拭いたり着替えたりするとき、なんか変な音するんですよ。


 あぁ、いやいや。おかしいのはここじゃないです。ほんとに。

多分ネズミとかです。古いんで。


 それで、壁とか叩いてみても、素人でだって空洞だとわかる音するんです。


 こう、壁の奥に響く音が、絶対戻ってきてるんです。

え? そっちじゃない?


 いや、まあ、いいですよ。


 とにかく、自分の家に知らない空間があるって、凄く不気味で。


 それだけです。


 大きい家は、大きい家はですよ?

まだ本題に入ってないんですから。


 ほんとう、ちゃんと聞いてます?


 ええ、それで、小ちゃい家なんですけど。

まず風呂がないです。

それ以外はあるんですけどね。

で、一番不思議なところなんですけど、その家、部屋が一つしかないんですよ。


 そう、そうです、キッチンとトイレと洗面台と、テレビと本棚と箪笥が同じ部屋にあるんですよ。

仕切りとかもないですから。

ほんとう、真四角の部屋です。


 ベット?

あぁ、ベットはあれです。

敷布団です。フローリングに。


 で、南側に箪笥とかが並んでて、そのちょっと前に布団敷くんですよ。

縦に敷くので、北枕にならないように寝るとですね、絶対頭が箪笥に向くんです。

地震来たら、下敷きになっちゃうじゃないですか。


 僕、子供ながらに、それがどうしても怖くって。

一回だけ、北枕にして寝たんです。

今思えばどの道、足、潰れて逃げ遅れそうな気もしますけど。


 そしたらまあ、こういうときに限って、朝早くに目が覚めるんです。

日が昇ってすぐですよ。


 ああ、いい忘れてましたけど、部屋の東側に、すりガラスがあるんです。

玄関に繋がってる引き違い戸です。


 その戸開けて玄関にでると、ガレージが併設してあって。

なんていうんでしたっけ?

あの、持ち上げて開ける扉。

そう、シャッター。


 あれと、もう一つ引き違い戸があって、さらに大きめの窓が一つ。


 東西南北に扉か窓がある玄関です。

わかりにくいなら絵に書きましょうか?


 ええ、ええ。そう。話が早くて助かります。

最初に話したすりガラスの戸を開けますとね、正面に窓がありますから、朝日が上ると、光が部屋まで入ってくるんです。


 これが重要でして。

話を戻しますね。


 朝早く目覚めてですね、まあ、北枕ですから、大体部屋の中央に頭が来てるんです。

で、もちろん寝ぼけて、いつもと天井が違いますから、キョロキョロ辺りを見回すんです。


 するとね、すりガラスの奥、なんだか少し変なんです。

なんていうか、黒いのが動いてるんです。


 最初は誰か、家族がいるのかと思って、しばらく眺めてたんですが、だんだんと数が増えてきて。

やがて、すりガラスいっぱいに黒いのが広がったんです。


 何と言うか、別世界みたいです。

光の加減とかじゃなくて、本当に、生き物が覆いかぶさって、すりガラスを黒くしてるんです。


 え?


 いや、飼ってないです。

昔は猫が居たんですけど、放し飼いにしてたら逃げちゃいました。


 それで、当時の僕は、それが凄く怖くて怖くて。

寝直しました。


 それだけです。


 だから最初にちょっとって言ったじゃないですか。


 家?

随分前に燃えましたよ。


 だからもう、多分いないと思うんですけどね。

今は多分、えと、なにもないと思います。

玉砂利だけです。


 ごめんなさい。

長々と、付き合ってもらって。


 相談と言いながら、こんな変な話しちゃって。


 いや、ちゃんと相談ですから。

ここからが相談です。


 家、放火だったんですけど。

どうやら燃やしたの、僕らしいんです。

本当、記憶ないんですけどね。

さっき話した黒いやつを見てから、3日後です。


 あの黒いやつ、凄く、動きがあれに似てるなと思って。

僕昔、ボーイスカウトやってまして。

テント、入り口が透明なやつあるんですけど、中から入り口挟んであれを見ると、すごくそっくりなんです。


 焚き火、わかります?

お久しぶりです。加茂です。

この短編集、短編集と言っておきながら一話しか投稿がないまま半年くらい経過してしまっていたので、新たに一話追加致しました。


今回は火にまつわる話ですが、すごく書きやすかったです。

なんでかって?

そりゃあ、あれですよ……ほら。

ね?

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