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海 短編集  作者: 魚羅太郎
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布団

私はどうしても朝に弱い。

毎日、目を覚ますと必ず私をまた夢の世界へと引き込もうとしてくる。

私はそれに必死に抵抗をするも絶対負けてしまうのだ。

だが、これがあ嫌いなわけではない。

なぜなら私はもう時間という制約に縛られていないのだから。

何を隠そう、私はいわゆる「ニート」という者である。

健全に「ニート」生活を送っているのだからこれはもう「ニートなニート」であろう。

そんなこんなで今日も私は朝から幸せな戦いを一人、布団の上で繰り広げていた。

結果はやる前から分かっている。

負け、完敗、敗北、劣敗、この種のどんな類義語も今の私にはピッタリである。

しかし、負けが分かっているのになぜこんなことをするのかと疑問に思う人もいるだろう。

それは私からすれば、

「お金を有り余るほど稼いでいるのに全く使わない」

だったり

「ろくに努力もせずに今の時代が俺に合っていないと豪語する」

といったこのような類のものに準ずるのだ。

つまり、この戦いはあっても無くても構わないがある方が好ましいというものである。

「食べる気もしない付け合わせのパセリ」

だったり

「運動するときにはめるリストバンド」のようなものだ。

結局残すし、途中で外してしまう。

だが、それで構わないのだ。

世の中には言い切れないほどのこのような知らない人からしたらどうでもいいと思えることが存在する。だが、それでいいのだ。

だから、今日も私はできるだけの抵抗をして気持ちの良い二度目の睡眠をこれから行うことにする。

私はそう考えて陽気な日差しを体に受けて、深い睡眠へと再び旅に出たのであった。

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