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海 短編集  作者: 魚羅太郎
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セルフ懺悔

察するに、俺は死ぬ間際らしい。

いや、何を言っているのか理解できないっていうのは分かるぜ。

俺もそんなことを急に言われたら信じるもなにもすぐにその戯言を止めるだろうからな。

だが聞いてほしい。

これはなにも俺に限った話じゃないんだ。

この話を聞いてるお前にも起こりうる話なんだ。

あれは確か、昨日の晩のことだった。

俺はいつも通りバイトから帰って、遅い夕飯を食べて、そして風呂に入って寝るはずだった。

そのはずだったんだ。

でも、風呂に入る前にどうしても炭酸水が飲みたくなっちまったんだ。

そういうことってあるよな。

何かしなきゃならない、何かやらなきゃならないって時に限って頭の中にいろいろ雑念っていうか、衝動的にやりたいことが出てくるもんだ。

それだよ。

だから俺は風呂に入る前に近所のコンビニに行くことにしたんだよ。

そこに行けば大抵はあるもんな。

ましてや炭酸水だぜ。

期間限定のフレーバーだとか、新商品の発売だとかじゃねぇ。

ただのいつも俺が飲んでる炭酸水だ。

でも、無かったんだ。

確かに深夜帯だったよ。

もうすぐで時計の針は12時になる位だ。

でも、そんなことってあるかよ。

コンビニの飲料がたくさんあるガラスの扉のところ。

そう、そのリーチインだよ。

さすが、コンビニでバイトしてるだけあるな。

あんなの名前も分かんねぇよ。

で、その棚のところに無かったんだよ。

炭酸水だけ。

他のジュースだとか、お茶だとか、酒だって綺麗に並んでたのに。

炭酸水の所だけ、ぽっかりと穴が開いたみたいに1つも無かったんだ。

店員にも聞いたよ。

やる気のなさそうな、ぼさっとした奴だったけど。

炭酸水はあるかって。

そしたら、無いって答えるんだ。

さも俺が棚を見て無いのを見て、ここに聞きに来ることを知っていたかのようにな。

食い気味で言ってたよ、無いって。

諦めたくなかったさ。

どうしても飲みたいからな。

でも、俺は涼しげな顔をしたんだぜ。

そうですかって言ってな。

それで、やったんだ。

何をって、そりゃあ、察してくれよ。

殺したんだ。

あの店員をさ。

後悔しかしてねぇよ。

当たり前だろ。

俺もコンビニでバイトしてるけど、あんな言われ方されたらムッとはするだろ。

あいつを殺した時、笑ってたんだぜ。

俺の目を見て、にやって。

そういや、この話をしたらそいつから殺されるって。

そうだよな。

そんな馬鹿な話、あるわけないよな。

俺は信じてるぜ。

たとえ、鏡の中の俺であっても信じてる。

俺は俺を殺せない。

そんなことができるって言うなら。

何か、俺は自殺でもするっていうのか。

そんな、そんな馬鹿げたことあるわけないよな。

ははっ。

あれ、何でナイフなんて持ってんだろ。

おい、おいやめろ。

やめてくれ

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