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リーベ〜巨乳幼馴染の愛情

  〜side 南条真弓子



  幼馴染で3つ4つと年上の阿僧祇あそうぎマサルちゃんと出会って何年になってたかな。



  なんてね、マサルちゃんとの事ならはっきり覚えてます。17年とちょっとです。



  昔は、家が隣だったんですよね。それで、お母さん同士が仲良くなって、マサルちゃんが私に構ってくれるようになった。



  お兄ちゃんみたいな存在だったんです。



  マサルちゃんはまだ3つだった私の面倒をよく見てくれてた事を覚えてます。彼だって、まだ小学校に入る前の幼児だったのにね。



  彼は勿論、その時から左目だけが青かった。



  小さかった私にはマサルちゃんの左目がとっても綺麗に映って、見飽きるまで見続けた。マサルちゃんにはそれが幼心にも嫌だったみたいだけど……。



  でも私は言ったんだ。



  「マサルちゃんのお目々、とっても綺麗。ほうせきみたい」


  って。マサルちゃんは迷惑そうに「全然綺麗じゃないよ、こんなの」なんて言ってたけど。



  だけど彼は、目の事で昔から本気で悩んでいたんです。



  その事に気付いたのは、私が小学校に上がってから。



  1年生だった私は、友達数人と『探検』のつもりで上級生の教室まで行ったんだ。マセてたね。



  「せっかく上の階まで来たんだから、お兄ちゃん(マサルちゃん)に会いたい」



  ってお友達に無理を言って、4年生の、マサルちゃんのいる教室まで行ったの。その頃にはもう、あんまり彼と会う機会も減っていたからね。



  でも何組にいるのかはお母さん同士がまだ仲良かったし知ってたから行けたんだ。

  確か、4年3組。



  ーーそうしたらね、4年3組の教室の前に人が沢山いたんだ。



  「あいつの目、片方だけ青いんだってよ!!」


  「見えねえ、見せろ!!」


  「うわホントだ、目だけガイジンみてー!!!」



  ーー人だかりの中心は、マサルちゃんだった。

 


  皆んなが、見せ物みたいにマサルちゃんの着席してる机に寄ってたかって騒いでたんだ。



  その中心にいるマサルちゃんの姿はよく見えなかった。

  でも多分泣いてはいなかったと思う。穏やかに、笑ってた様子だけがチラッと見えた。



  (マサルちゃんて人気者なのかな)


  なんて、勘が悪くて幼かった私はそう思ったけど、あれはイジメにもならないイジメだった。


 

  私は小さい頃(小学生だって充分小さいけどね)遊んでくれた『お兄ちゃん』の事が忘れられなくて、マサルちゃんの動向を密かに追っかけてた。





  そうしたら、分かってしまったんだ。





  マサルちゃんが、中学生になった頃には既に闇落ち寸前の所に居たって事が。

  人を信じられなくて地獄のような毎日を送ってたって事が。



  それでも命を絶たなかったのは、優しいお父さんとお母さん、アヤコちゃん(私はアヤコちゃんはマサルちゃんの本当の妹じゃないと思ってる。だって、何かとヘンでしょう?)達のおかげ。



  家族の愛情のおかげ。


 

  でも、『他人』であり『幼馴染』の私はどうしたらいい?



  マサルちゃんの目は、とても綺麗。

  私はその事だけを彼に伝えたい。



  いくらそれがマサルちゃんの迷惑になろうともーーって、迷惑になっちゃ駄目ですよね。程々に。でも私『程々』って分からないんだあ。


 

  「真弓子、お前は気楽でいいよな」



  彼にそんな事を言われた事がある。

  そりゃね。私はマサルちゃんみたいに特徴的で綺麗な目を持ってないもの。

 

  そのせいで苦しんだりしてないもの。

  普通だもの。



  でも、気楽なんかじゃないよ。

  毎日、マサルちゃんの事でアタマがいっぱい。



  マサルちゃんが大学退めたって聞いた時は、私、「とうとうこの時が来たんだな」って思った。



  マサルちゃんが、世間から外れた日が来たんだなって。



  その時から私は動いた。

  ウザがられようとも、服が変だと言われようとも、私なりにマサルちゃんを励ましたい。



  そう、ウザがられようとも。



  でも嫌われちゃったら元も子もないから、数日に一辺のペースで。


  当面の目標は、マサルちゃんの服を作らせてイタダク事。でした。



  だった。

  なのにーー。

 


  私が大馬鹿だったんです。

  あの時の事を思い出すと本当に恥ずかしい。


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