少年、郁沙に巻き込まれる
「これは、まあ、随分と一方的に」
えへへーと笑う郁沙を横に、リリエラは言葉を溢す。少年は騒ぎの最中逃げようにも出来ず、王猪の気絶状況を検分に付き合っている。
「いやー最初、森の中で只者じゃない気配感じて、興味わいて歩いてたら思いっきり目が合っちゃってー」
気配感じたら逃げようよ。武人かこの来客。いや確かに強いけど。イツキは森の覇者の一人(?)である王猪と少女を見て呆れる。
「木をなぎ倒す王猪を倒してくれた事には感謝しますが、彼を門に突進させるのやめて欲しかったですが…」
「……ん? 違うよ」
郁沙は首を傾げてから、手振りを交えて話を進める。
「攻撃になかなか怯まないから、正面から拳撃当てて、膝で鼻先を蹴って、角を掴んで転がして、腹を出させて、全力で改めて突いたら」
「え、と、少しばかり拳というか踏み込みというか、角度がずれてゴロゴロゴローっと猪さんが転がった先に門があったわけで。」
「………」
言っていることはわかる。簡単な話ではない、転がす対象が王猪なのだ。目の前の王猪を見れば納得せざるを得ないが。
故にリリエラもイツキもこの来客にどう対応するか言葉を失っていた。
「えーと、貴方の名前は?」
「マサ……、…………ン…ルナティカ、でいい。ルナティカ」
少年は郁沙のペースに巻き込まれて名前を出しかけた。聞かれたかも知れないが誤魔化しきりたい。名前がどこから魔の者にこぼれて伝わるかわからない。
「変な名前ー」
「本人の前でそう言うなよ」
郁沙のペースはある意味、良いのかもしれない。疑って話を進めるのではなく、自分も相手も余計なものを挟まず、展開を止めない。
「もう夜も近い。二人が害をもたらす為に砦にきたわけではないと判断しよう。霧のない間にそう騒いでもいられぬ。休んでゆかれるといい」
「いや、迷惑を重ねる訳にもいかないので出ていきます」
長居することの損をしきりに気にする少年ルナティカ。
霧が少し出始めた、そう四人が気付き出した中でー
元々書きためていた話なので日々更新が目標です。
ですがーですがー。
連載更新の表示に載って『つまらん!お前の話はつまらん!』
が一杯あると間違いなく挫けるので、ある程度お話が続けられるまで、感想とか評価をなしにしています。
まー、評価も感想も無しに立派なものなんて書けるかって、ブライ○さんにパッチーンされそうですけど。
という作者の独り言。もし20話未満から読み続けてくれる人が居れば嬉しいな、という初心者です。