表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探し物を続けて異世界まで。  作者: 〆鯖
第1章 集まる点と繋がる線
5/8

少年、推理される

「何者です。」


その言葉は何回目だろう。少年は面倒だった。

自分の名前も素性もいうは簡単。だが損得で言えば後で損したーって事の方が多い気もする。


「魔の者と戦って、怪我して、こちらの建物に吹っ飛ばされただけで、これ以上迷惑をかけたくありません。魔の者に気付かれる前に離れようかと思います」

「魔の者……か」

リリエラは自分の家族以外に[魔]に属する者をそうはしらない。興味がわくわけではないが、この少年を外に出して、砦や自分達に不利益がないとも言えない。簡単に帰す選択にはならない。


さてどうしたら最良の一手だろうな、と侵入者を上から下へ視線を流すあいだに情報がおそう。

一つは砦の入り口を何か突破された衝撃音。


「門が突破された。見てきて」

「わかりました、こちらはお一人で大丈夫ですか」

「正直、不審な点が多くて油断はできん。が門の状況も放っておけない」

わかりましたーと早足でイツキはその場をあとにした。


「傷は」

「ある」

リリエラの短い問いに少年は最低限の言葉で返す。

「そのシャツ……の染まり方に違和感がある。かなりの出血だったろう。が、今そのシャツの血の面積が増えているようには見えない、つまり。もう治っていると判断する」

うへー……やな感じ。少年は目の前のリリエラに色々見抜かれるだろうなと予測し、苦々しく感じた。

「血の色は新しい。ここ半日だろうな、負けて跳ばされたというのも事実と見える。出血がそれだけあって既に治るのは常人の領域ではない」

「一応、魔の者を敵対するだけの能力は…」

「ではその敵対するだけの力を持つ者を簡単に逃がす余裕を作ることも、わざわざ魔の者が他所へ跳ばして命をつなぐ道を作るのは考えにくい」

つまりは、と続けて


「仲間の意思で、逃がしてもらった」

「………………へ」

「ただの仲間ではないのだろう、そう味方の劣勢がわかってもどうしても君だけは逃がしたい。恋人、いやもしかしたら恋人以上に近しいお兄ちゃんー」

どうしたらそこへいく。というか、恋人以上に近しいの後おかしくないか。少年は固まった。


「何者だろうと関係ない。お兄ちゃんを助けたいのだな。今夜は身体を休めていくが良い」

(お兄ちゃん決定かよ。て言うか全部を話した方が俺の精神的にダメージ少ない気がする)


「リリエラ様、門の状況ですが戦闘です!」

「この者の追っ手か、魔の者か?」

いや、お兄ちゃんストーリー続けて話を盛り上げないで。目障りで送り返された様なものなんだが。少年は今のうちに姿を消すタイミングを考えた。

「あ、いえ、その破壊的な強さの少女がキングイノシシを追い詰めて戦っていまして、劣勢の王猪が逃げて門を突破した様です」

イツキは門の方を指差して慌てて答えた。

「少女が破壊的な強さの王猪に追い詰められて、の間違いではないか?」

「い、いえ、強いのは少」

少女の方ですと続けようとした時、その少女が手を振って登場した。


「ごめーん、強そうなんで戦ってたらお宅の門、壊しちゃってー」

門を壊したのは戦争ではなく、戦闘。

そして目の前の少女。少年とリリエラは先程の会話の展開なんて瞬時に忘れてしまうインパクトを受けた。

「私、仁科郁沙。門の修理代、でっかい猪で済ませたいけど…ダメかな、あはは」




仁科郁沙、登場です。ニシナイクサ。植物みたい。破壊王ですが。

15歳。JKです。やった。(イミフ)


少年は受け入れられた様です。


推理の筈が期待展開に巻き込まれた。


キングイノシシ、の表記がかさ張るので王猪で表してます。

まっこと不親切な流れですが宜しくお願い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ